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【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


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質問

 ハーティックの強力な一撃を受け止める。


 剣と剣がぶつかったまま、動くこともできず睨み合っていると、


「オウギ様、お見事ですぞ!」


 ニカッと笑い、ハーティックが讃えてくれる。


「合格です!

 やはり魔術の使いこなしが良いですな!」


 合格の言葉をもらえたので力を抜くと、ぺたんと尻から地面に着いて座り込む。


「ふぅ」


 手が痺れて感触がない。


 踏ん張っていた脚も、がくがくと震えている。


「あの一撃を受けても剣を握ったままでいられるとは、驚きを通り越してあっぱれですな! ハッハッハッハ!」 


「ありがとうございます」


 剣を落とさないことが条件なんだろうと考えて、予め準備をしておいたことが役に立った。


 俺がしたのは、【クラフト】したスキルで手と剣を「固定」でくっつけておくことだった。


 おかげで手に力が入らなくなっても、剣を手放すことなくいられたのだ。


 更には服とズボンの中を通して地面に刺し、背中側に棒を張り付けて固定しておいたおかげで、立ったままでいられた。


 収納したことで支えがなくなって尻もちをつく形で倒れてしまったが。


「オウギ様がここまでの実力者となると、この後の訓練はもっと厳しくしてもいいですな」


 不穏なことを言い出すハーティック。


 こちらは全然軽くていいんですよ?


「実力なんて全然無いので、お手柔らかにお願いします」


「遠慮はいりませんぞ!!」


 楽しそうなハーティック。


 いいおもちゃと思われているのかもしれない。


 ところで、ハーティックの表情を見ていて気になることがある。


 俺がハーティックの魔力を視て行動していた時には、とても驚いた表情を見せていたのに、身の丈に合わない剣を扱ったり、先程の強烈な一撃を受け止めた時にはわかりやすいリアクションなど特に無かったのだ。


 それくらいできるだろうと、予測していたというか、知っていたような表情だった。


 つまり、俺がどれくらい動けるか把握していたか、もしかすると見ていた可能性すらある。


 俺の動きは見ていればわかるだろうが、魔力が視えることまではわからなかった、ということなんじゃないだろうか?


 となればその答えを確かめるべく、早速先程の合格で得た質問権を使ってみようと思う。


「ところでハーティック、さん」


 立場的には呼び捨てでいいのか? しかし、訓練を見てもらう立場でもあるしなあ。


「ハーティックで構いませんぞ」


「えっとじゃあ、ハーティック」


「何でございましょう?」


「合格ということは、この訓練に関係無い質問を一つしてもいいんだよね?」


「もちろんですとも! ()()()()ご自由ですぞ!」


「じゃあ質問します」


 どう問うのが良いのかずっと考えていたのだが、この短い時間で得られたハーティックという人物像を考慮した結果、こう訊くことにした。


「どんな方法で僕の行動を監視していたのか教えてほしいです」


「ふむ……」


 顎に手を当て考えるハーティック。


「申し訳ないですが、それを教えることはできませんな」


 ふーん。


「ということは、()()()()()()ことは認めるとということですね?」


 ハーティックの目がわかりやすく泳ぐ。


 まるで、顔の周りに汗が飛び散るエフェクトが見えるようだ。


 いや、魔力が飛び散ってるのか?


 マンガとかアニメで見るあのエフェクトって、魔力を可視化したものだったのか!?


「い、いやあ。動いたらお腹が空いてきましたな!

 では、本日の訓練は終了と致しましょう! それでは解散で!」


 どだだだだだ、と足音と煙を立ててハーティックは走り去っていった。


 ということで、ハーティックの逃亡により唐突に訓練終了となりました。


 そのまま大の字に寝転ぶ。


 とりあえずハーティックの表情や動きからして、最初のリアクションから単純にわかりやすいだけの人物のようだ。


 それなりに偉い人だと思うんだが、あんなに感情が表に出て大丈夫か心配になる。


 隠し事とか駆け引きとか、全然できないだろうなあ。


 おそらく父上も、そういう場には連れていかないようにしているんだろう。


 さて、ハーティックのことはともかくとして、どうやら俺の行動は見られていたらしい。


 いつからとかどこからとかはわからないが、間違いなさそうだ。


 そういえば、スライムとの初戦闘の時にどこからか視線を感じたような気がしたが、あれがそれだったのかもしれない。


 こっちの山に魔物がいなかったのは、俺が遭遇しないように狩ってくれていて、あのスライムだけが居たのは、俺がどう対応するのか、対応できるのかを調べるためだったりするのか?


 そうなると、スライムとの戦闘を観察されたことで、ハーティックは俺の動きに驚かなかったということになるか。


 うちの周囲の魔物が俺のために狩られていたとすると、自由に動き回っていたつもりが、父上の掌の上だったということになってしまう。


 それはさすがにちょっと恥ずかしいか。


「ふうー」


 いつまでも寝てるわけにはいかないし、そろそろ移動しようかなと思ったところで、視界が陰った。


「訓練は終わったみたいだね」

ハーティックが走っていったな? 終わったかな?

ちらっちらっ。

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