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【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


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山の精霊

 先ほど俺が跳ぶために設置したトランポリンの上で、ルートとスークが跳ねる。


 一つのトランポリンで二人同時は、タイミングを合わせないと上手く跳べないと思うのだが、完璧なシンクロを見せて二人で飛び跳ねている。


 というかなんでそんなことしてるんだこいつら?


「「おい。これ跳びにくい。もう一つ作れ」」


「え? あ、はい」


 よくわからないが、もう一つ同じものをご所望らしい。


 早速【クラフト】して設置する。


「「よくやった」」


 俺を褒めると、新たに設置したトランポリンにスークが移動してきて跳び始めた。


 それぞれのトランポリンで、お互い競うようにルートとスークがぴょんぴょん跳ぶ。


「「ひゃっほーい」」


「あんまり勢いつけすぎると壊れるかもしれないんで、気をつけてください」


 一応忠告しておく。


 楽しそうにぴょんぴょん跳ね続ける二人。


 どこかで止めて、ちゃんとルートに触れたことをアピールしたいのだが、あまりに楽しそうにしているので割って入りにくい。


 どうしようかとタイミングを計っていると、腕を引かれる感覚があった。


 見てみるとリアサが俺の腕を掴んで何やらアピールしている。


「私の分も用意してくれと?」


「ん!」 


 楽しそうに跳ぶ二人を見て、リアサも羨ましくなったのだろう。


 こんなことしている場合じゃあないんだけどなあと思いつつ、さらにもう一つトランポリンを【クラフト】して設置。 


 するとリアサもトランポリンで遊び始める。


 ぴょんぴょんと跳ねる三人と見守る俺。


 ――いや待て俺こそ何をしている。


 門限オーバーは避けられないとはいえ、遅れるにしても帰るのは早いほうがいい。


 ぼーっと楽しんでいる子どもたちを見守っている場合ではないだろう。


「ルートさーん」


 楽しんでいるところ申し訳ないが、止めに入る。


「うん?」


「さっき触れたと思うんですけど、約束通り今回の件の全て、教えてもらえませんか?」


「触るとか触らないとかはどうでもいいが、この跳ねる楽しいやつを作ってくれたし、教えてやる!」


 かなり危険な思いをして跳んだんだが、トランポリンで遊べることの方が重要らしい。


 まあ、トランポリンを【クラフト】して跳んで見せるという選択肢は正解だったということではあるか。


 間違いだったのは、結局そこからしばらく跳ねる三人を見続けるしかなかったことだろう。


「「では行くか」」


 ようやくトランポリンから降りてくれたので、ささっと回収して穴も埋めた。


「どこへ?」


「「ついてくればわかる」」


 問答無用らしい。


 ルートとスークを追うように歩き出すと、リアサが俺の手を取ってくれた。


 俺が転んだりしないようにという配慮か、お姉ちゃん気分か、俺のことが気に入ったかのどれかだろうか。


 リアサと手を繋いだまま進んでいく。


「オマエ」「いい加減」「「名前を教えろ」」


 ルートとスークが振り返ることなく訊いてきた。


 名前を呼ばれたら何かに吸い込まれるとか無いよね? 大丈夫だよね? と不安な気持ちもあるが答えておくか。


「オウギ、です」


「「そっちの女は?」」


「リアサ」


「オウギ、リアサ」「オレらはこの」「「双子山の精霊だ」」


「双子山?」


 なんか力士の四股名みたいだな。


 それはともかく、名前を呼ばれたからって何か起きるとかは無さそうだ。良かった。


「人々からこの山は双子山って呼ばれていて」「敬われたり恐れられたりした結果」「オレら双子の精霊が」「生まれたってワケ」


 昔の人――今もそう呼ばれているのか?――たちは、大きな谷によって分断されたこのゲム山を「双子山」と呼んでいたわけか。


 たしかに山頂付近から谷によって二つに分かれているように見え、左右反転すれば似たシルエットではあるし、双子と捉えられていてもおかしくはないか。


 双子山――ゲム山について考えながら進んでいたところ、手を繋いでいるリアサが立ち止まった。

 

「精霊、さま?」


「「なに?」」


「村の掟。ここからは、行けない」


「「へー」」


 双子の精霊が振り返って答える。


「一応オレらに気をつかってくれてたんだ」


「今はオレらの許可があるからヘーキヘーキ」


 そう言って歩き出した二人。


 リアサは不安そうに俺の顔を覗く。


「ああ言ってるし、大丈夫」


 大丈夫だと伝えるために、繋いでいる手を強く握り頷く。


「しかしそうなると」「行ってはいけないって言われてるのに」「あのガキどもは」「ズカズカとやって来たのか」


「ガキども?」


「「そう。獣人のガキども」」


 村の子どもたち、ということだろうが、リアサはそこに含まれるのか?


「リアサは何か知ってる?」


「ううん」


 首を横に振るリアサ。


「その子――リアサは居なかったね」


「あいつら、掟を」


 リアサの声に怒りが混じっている気がする。


「で、ガキどもが」「来た結果が」「「これだ」」


 そう言って二人が指さした先は、五メートルほど距離をあけて生えている二本の立派な大木――の中間にあるボロボロになった木材の塊だった。

レイちゃん:(はっっっ! どこかで新たに楽しくぴょんぴょん跳ねる遊具が誕生した気がするっ!)

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