表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/60

ルートスーク

「どちら様ですか? そっくりではあるけど、俺が触れるべき相手はあなたではないですよね」


 よし! 噛まずに言えたぜ!


「へええ。よく見抜いたね」


 俺が追いかけていた方の男の子が大木の太い枝の上に姿を見せる。


 今は俺から見て左側の魔力が強いので、間違いないはずだ。


 そう。俺が別人だと判断した理由がこの魔力の違いだ。


 追いかけていた男の子は、右半身の魔力が、後から現れた男の子は左半身の魔力がそれぞれ強い。


 姿形は全く同じと言っていいほどうり二つだが、魔力だけが違って視えたのだ。


 オレらの土地って言っていたので、どこかに仲間がいるのかと思ってはいた。


 しかしそれがまさか、双子の入れ替わりトリック的な展開としてお目にかかることになるとは。 


 まあ、双子とは限らなくて、三つ子や四つ子、六つ子かもしれないが。


 もっと仲間がいる可能性もあるが、リアサが男の子のことを知らないようだし、たくさん仲間がいるという可能性は低い気がする。

 

「よっと」


 後ろにいたはずのもう一人の男も軽快に木の上に飛び乗る。


 木の枝の上で二人が並ぶ。


「オレはルート」


「オレはスーク」


 あんなところに立ってよく落ちないなあと感心しつつ観察。


 追いかけていた右半身の魔力が強い方がルート、後から背後に現れた左半身の魔力が強い方がスークらしい。


 俺から見てルートは左側に、右側にスークが立っている。


 こうして並ぶと、並んだ二人の外側になる方の魔力が強くなっている。


 二人での行動なり協力技なりの結果、片方に魔力が寄って発達したのかもしれない。


 というかそもそも彼らは何者なんだろうか?

 

 正直わずかなやり取りしかしていないが、ただ単に遊びたいだけに見える。

 

 双子の入れ替わりトリックも、驚かせて楽しみたいだけという感じだ。  


「オマエ名前は?」


「秘密です」


「どうやってオレらを見分けた?」


「内緒です」


「秘密主義者か! そんなんじゃ仲良くなれないぞ!」


「そもそも、本当にオレらを見分けられてるのか? たまたまじゃないだろうな?」


「よし、入れ替わるからオレらがどっちがどっちか当ててみろ!」 


 そう言うと一瞬どこかへ消えてすぐ戻ってきたルートとスーク。


 俺は向かって左から指を指し、


「ルート、スーク」


「もう一回!」


「スーク、ルート」


 防御力が上がる呪文っぽい。


「「むむむむむ」」


「ルートスーク」「ルートスーク」「スークルート」「ルートスーク」「スークルート」「スークスーク」


 呼んでる途中で動くんじゃありません。


「スークルート」「ルートスーク」「スートクール」


「「おい、名前を間違えるな」」

 

「申し訳ないです」


 失礼なことをしてしまった――が、混乱してしまうのも仕方ないんじゃないかなあと思わないこともないようなあるような。


「見分けられるのは本当のようだ」


「やるな!」


 褒められてしまった。ありがとうございます。


 何故か隣のリアサもふんぞり返るようにしている。


「ふふん」


 リアサさんご満悦。


「どうやってるのかわからんが、オレらを見分けた褒美としてここで少し待っててやるから、飛んできてみろ!」


 挑発――というよりは、何かやってくれるんじゃないかという期待感でワクワクしていそうな様子のルートとスーク。


 魔術で脚力に全集中しても、今の俺ではあの高さまでは届かない。 


 階段足場を設置すれば余裕で届く高さだが、それで彼らが満足するかどうか。


 これは触れられるかどうかの鬼ごっこというより、彼らを満足、納得させられるかどうかの戦いだろう。


 何も無いところから階段足場を出したら、それはそれで楽しんでもらえるかもしれないが、今回は別の方法を試してみよう。


「ちょっと仕掛けをしてもいいですか?」


 訊ねると、彼らは目を見合わせた後、「「見せてみろ」」と許可してくれた。


 では今回の仕掛けの設置といきますか。


 まずは穴を二メートルほど掘る。


 一応底にクッションとなるようなものを敷き詰めておく。底に落下する可能性がちょっとあるからね。


 次に穴に落ちないサイズで木枠を円形に【クラフト】し、「伸縮」を付与したヒモを放射状になるように張っていく。


 そして、(ふち)から十センチメートルほど空けて紐の上に布を貼り、【クラフト】完成。


 それを穴の上に動かないように設置。


 これでトランポリンのような施設の完成。


 試しに一度軽く跳び乗り感触を確かめる。


 この反発具合ならば、魔術で跳躍力を強化すればいける――んじゃないかなあ。


 こういう使い方をしてこなかったので、「反発」の『特性』が無いことが残念だ。


 一回試したが、実際どの程度の速度と高さが出るかはわからないので、何かあった時に助けてもらえるようにしておこう。


「リアサ」


「ん?」


「やってみないとどうなるかわからないけど、万が一勢いが付き過ぎちゃったら、捕まえて欲しいんだけど頼める?」


「ん。任せて」


 力強く頷くリアサ。


 これで全然足りなかったら恥ずかしい。


「じゃあ行きます!」


 ルートとスークに声を掛ける。


 ちょっと下がって助走を付けてトランポリンに跳び乗り――反発に合わせて跳躍力を魔術で強化し、跳ぶ!

ルートとスークの名前の由来――ふたご座のカストル、ポルックスから、下二文字をひっくり返したもの。

名前を考えるときに参考にさせていただいただけで、ギリシャ神話などには全く詳しくないため、他の要素が隠されているなどの伏線はない。

「ゲム山」という名前も「ジェミニ(Gemini)」から取ったことをこれを書いていて思い出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ