試作トンネル
スライムと戦ったこの場所と縦穴を掘った大岩の距離は、正確に測る手段はないものの、長く見積もっても二百メートルほどだろう。
まずはこれくらいの距離でトンネルを掘ってみて、問題点を洗い出すとともに、スキル使用による経験値稼ぎをする。
この崖を向いて大岩が背後にあるという位置関係なので、真っ直ぐ掘り進めていけないというのが面倒ではあるが、大岩との距離などを考えてこの場所を選んだ。
まずは横穴を掘り入り口を作る。
その際、後で入り口がわからないように埋めるので、表面をそのまま切り取りインベントリに収納しておく。
横穴を十メートルほど掘り、そこから下に十五メートルほどまで広さ五メートル四方で掘り進んだ。
この作業は『属性』「光」、「風」を習得してから行なっており、明かりの確保と換気はばっちりできている。
特に空気の状態――酸素濃度――はこの眼でもわからないし、測定する機械も何も無いので、とにかく外の空気をガンガン送り込むしかないのだ。
酸欠作業の資格は、関わる作業が無かったが故に特別共育すら受けておらず、全然知識がない。
こんなところで少しでも知識があればと悔やむことになるとは、人生何が起きて、何が関わってくるのかわからないものだ。
まさか一度死んだ後で必要になるなんて、誰も思わないだろうけど。
ちなみに、「光」は水晶と相性が良いらしく、「光」『属性』を付与した水晶は、魔力がある限り強い光を放ってくれる。
とはいえ、水晶そのものに魔力があるわけではなく、水晶に魔力を込めたり、電池のごとく魔力を込めた石を隣に並べることで、魔力を補充させたりしている。
魔力を溜めたり流したり、魔力を溜めやすい石を探しているうちに、『特性』の「蓄積」、「伝導」を習得していたりもした。
「風」は色々と試行錯誤した結果、羽根のない扇風機のイメージで木の板を筒状に【クラフト】したものに付与するのが、簡単で強力な気流を発生させる機構だと結論づけた。
こちらも当然魔力で動作するので、魔力を直接込めるなり、魔力を込めた石をセットするなりの手間が必要になる。
さて、縦穴を二つ作ったところで、この二つを繋ぐトンネルを掘る。
一方の穴から、感覚でなんとなく方向を決めて掘り進めても、もう一方の穴にたどり着きそうな気もするが、もうちょい正確に進めそうな方法を試してみる。
まず崖の方の地面に長い竹を突き刺して目印にする。
次に、大岩を挟んで向こうが崖の縦穴になるように階段足場を設置し、大岩を収納する。
階段足場から目印にした竹をにらみ、真っ直ぐな棒を縦穴上に竹の目印に一直線になるように固定。
棒から二本紐を縦穴の底に届くように垂らして底に降りる。
垂らした二本の紐を直線で繋ぐように、縦穴の底に線をひく。
これでこの直線上の先に、向こうの縦穴があるはず。
後は横穴を掘り進めるのみだ。
明かりを確保しつつ、風を送り込んで酸素を補給しつつ、スキルで掘っては、インベントリからアーチ状に固めた土をぐるっと張り付けてトンネル崩壊を防ぐ。
トンネルが崩れて土砂に生き埋めなんて事態は絶対に回避したいので、時間をかけて慎重に掘り進める。
数日かけて掘り進み、向こう側の縦穴の中央より少し左にズレたところに繋がった。
縦穴のど真ん中にいかなかったが、縦穴を広くあけておいたのが正解だったようだ。
それでも縦穴にはぶつかったので、方向設定は間違ってなさそうだ。
とりあえず、縦穴の掘り過ぎた部分を埋めておく。
落ちたら痛いじゃすまない深さだしね。
無事に一本トンネルを掘れたが、もう少し訓練が必要だろうという判断を自らに下し、次のトンネルを掘る準備に取り掛かった。
習得済み『属性』
「火」「水」「風」「土」「光」「癒」
習得済み『特性』
「切断」「貫通」「掘削」「殴打」「固定」「吸収」「伸縮」「硬化」「研磨」「回転」「潤滑」「蓄積」「伝導」「加熱」「燃焼」「治癒」「回復」「浄化」
作成済みスキル
「土掘り」――「掘削」を土や砂を掘る為にスキル化したもの。
「岩砕き」――「掘削」、「殴打」をスキル化したもの。
「伐採」――「切断」を木を伐る為にスキル化したもの。
「ハンマードリル」――「貫通」、「殴打」をスキル化したもの。
「ベビーサンダー」――「研磨」をスキル化したもの。
「ガムテープ」――「固定」をスキル化したもの。
「コーティング」――「硬化」をスキル化したもの。
「レンチン」――「加熱」をスキル化したもの。
「火炎斬り」――「炎」、「切断」をスキル化したもの。
「ウォーターカッター」――「水」、「切断」をスキル化したもの。
「ウォータースピア」――「水」、「貫通」をスキル化したもの。
「かまいたち」――「風」、「切断」をスキル化したもの。
「ドライヤー」――「風」、「加熱」をスキル化したもの。
「ヘッドライト」――「光」を額から光を放つようスキル化したもの。
「キズなおし」――「治癒」をスキル化したもの。
「リラクゼーション」――「回復」をスキル化したもの。
「ファブる」――「浄化」をスキル化したもの。
『属性』や『特性』を組み合わせて、使えないスキルを考えるのが楽しすぎる。
人気作だったら、オリジナルの組み合わせとスキル名を考えて送ってね、みたいなコーナー作れそう。




