大会で勝ち上がる、女子の告白現場を覗く、両方をやるしかない
室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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(さて、どうしたものか?)
綾千侍咲と、少女のような人形、封賀秋灯の2人と向き合ったまま、考える。
勝てるか? と言われれば、勝てる。
ただし、この東京でどれだけ被害が出るのか、不明だ。
天賀原香奈葉が指摘した奥の手を使えば――
(少なくとも、市の1つは消え失せるだろう)
時間はない。
和装のまま、両手で構えた切っ先を下げる。
夜の都市部にある雑居ビルの屋上。
欲望を具現化したような明かりに照らされつつ、結論を出す。
「猶予を与える! 次に会ったら、殺す」
咲は、身構えたままで、フッと笑う。
「助かるわ!」
それでも、俺を見据えている。
構わずに、右手で刀を下げたまま、床を蹴った。
瞬間的に視界が変わり、空中や屋上、床を蹴りつつの高速移動へ。
(あいつとは、斬り合うことになるだろう……)
不思議と、そんな予感がした。
翌日の朝には、警察に大きな被害が出たことが、ラブホの画像を背景にニュース。
モザイクがかけられているものの、すぐに特定できるレベルだ。
香奈葉に調査を依頼しつつ、俺は全国防人剣術大会に備える。
◇
刀剣解放ありの部門で、俺は試合に出た。
初めての東京開催ゆえ、広い会場を押さえつつ、急いで結界を張っての手探り。
東京国武高校は、地元とあって優勝候補。
元々、選手層が厚く、スポンサーが多いことから練習経験も豊富。
俺たちが割り込み、へまをした剣術部が出場枠を減らされた。
けれど、名家の女子がランクSSSの荒神になったうえ、東京が滅びるかもしれない。
学校の名誉もかかっており、さすがに絡んでこない。
『国武1年、氷室くん!』
広い会場に響き渡ったアナウンスで、和装の俺は立ち上がった。
付き添っている西園寺睦実と神宮寺希が応援する。
「頑張れ、駿矢!」
「ご武運を……」
「ああ……」
お前らも、自分の試合があるだろ? という言葉を呑み込んだ。
ワァアアアッ! という声援が高まり、主に対戦相手の名前を呼ぶ。
(嫌われたもんだねー! まあ、女子2人を侍らせて、香奈葉が婚約者だしな?)
おまけに、御神刀を持っていると……。
左腰のある平凪の鞘に手を添えつつ、剣道の試合でよく見かけるマークを目指した。
正面で向き合いつつ、アナウンスによる指示で抜刀。
お互いに正眼の構えだが――
「プッ! 本当に脇差かよ!? 今のうちに降参したほうがいいんじゃねえか? ハーレム君?」
「お前にかけている時間はない」
短い刀身で、両手による構え。
ビ――ッ!
『始めっ!』
「つぁああああっ!」
大上段に構えた奴が、そのまま踏み込んできた。
右手だけで平凪を握り直しつつ、前へ踏み込みつつの半身。
進路を譲るような構図で、相手の刀が下へ振り抜かれた。
一連の動きのまま、踊るように右手でなぞって斬る。
「ぐあっ!? このっ!」
浅く斬られた奴は、激高しながら横へ薙いだ。
その時に、俺は相手を見たままで下がっている。
顔を真っ赤にした奴が、いよいよ刀剣解放。
「舐めるなよ? 月まで届け、遠槍!」
刀から長い槍へ変化するも、刀身を伸ばした俺の突きが正面から突き刺さった。
両手持ちで弾かれにくく、刃を上にしている。
ご自慢の槍を両手で持っている奴は、穂先を横にしたまま。
「あっ……」
痛みよりも、驚きのほうが勝っているようだ。
魚を捌くように、俺は両手で握っている柄を背負うように上へ振り抜く。
胸から頭に至るまで縦に切り裂かれた奴は、言葉もなく倒れ伏す。
ガランガランと、遠槍が落ちた音。
ビ――ッ!
『それまで! 氷室選手の勝利!』
バシュッと、結界の中がリセットされた。
俺は元の刀身に縮め、鞘に納める。
開始位置に戻って、礼。
相手の顔を見ずに、背中を向けた。
五感を奪ってくるスキル。
炎や氷で攻撃してくる選手。
それらを倒しつつ、いよいよ決勝リーグへ。
ここからは、総当たりだ。
さすがに、刀身が伸びるだけではキツくなってきた。
(最低限のノルマは、こなしたけどな?)
香奈葉の母親、天賀原千春にペナルティを食らうことはない。
(国武は、新人部門とはいえ3位以内が欲しいか……)
ところが、好事魔多し。
裏で進行していた、綾千侍咲が男と会う日時が決まったのだ。
俺は、そちらへ顔を出さなければならない。
生徒会長の伊花鈴音に言って、その現場へ向かう。
低空をハイスピードで走れば、警察と軍の特殊部隊が取り囲んでいた。
外周には一般の部隊が配置されて、警察のパトカーも目立つ。
(警察と軍が一緒にいると、違和感がすごいな?)
裏で、どんな話し合いになっているんだか。
ともあれ、メインイベントになった咲の話し合いへ。
和装のまま、空いているスペースへ突っ込んだ。
殺気と視線が向けられるも、困惑した様子。
あまりに混在しているため、明らかに敵でなければ撃てないようだ。
(今は……だな?)
混戦になれば、自分たち以外を撃つに違いない。
状況を整理している中で、開けた部分にスーツを着た男が1人、やってきた。
ドラマは、今から撮影開始のようだ。
どういうジャンルかは、知らんけど……。
過去作は、こちらです!
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