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弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~  作者: 初雪空
第三章 刀剣解放をできればカースト上位!?
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氷室駿矢が浮気したときの末路でもある

原作の澪ルート。

それは、日本が滅びる道だった。

 

繰り返される悲劇に対して、それぞれが動くが……。

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 カップル専用となったカフェの中で、俺は運ばれてきたパフェを見た。


 なるほど、パフェだ。

 しかし、その大きさは1人用にあらず。


 さらに、同じようにドリンクのグラスも……。


 ストローが2つ、ありますね!

 分けるためのグラスは、ないです!!


 ここで、俺の視線を見ていた神宮寺(じんぐうじ)(のぞみ)が聞いてくる。


「お嫌でしたら、駿矢(しゅんや)さんに別のメニューを――」

「いや、これでいいよ」


 というか、男女が楽しく味わうメニューしかないじゃん……。


 こんな巨大なグラスを どん! どん! と置いたままで、俺だけ業務用レトルトのハンバーグランチでも頼む?

 

 ええい、冗談ではない!


 悪目立ちにも、程があるだろう!?


 すると、向かいに座っている希が、ジッと見てきた。


「今だけ……恋人の振りをしてくれませんか? 駿矢さんの事情はお聞きしています。私は、あなたを奪いたいわけではなく……。睦実(むつみ)さんが見逃されているのなら、私も同窓生の距離でいることを黙認されたいなと」


 冷えた部分のグラスに触った希は、その指でテーブルをなぞる。


「離れた場所にいる許嫁(いいなずけ)と睦実さんに挟まれて、大変でしょう? 都合がいい時に、愚痴を言ってください。私は、いつでもお聞きしますから! 生徒会の動向についても、教えられますし」


 暗い店内でにっこりと微笑んだ希に、思わず脱力する。


「……分かった」


「嬉しいです! 今だけ、楽しみましょうか?」


 笑顔の希は、カップル用のストローを差し出した。



 ◇



 東京国武(こくぶ)高校の生徒会室で役員机にいる伊花(いばな)鈴音(すずね)が、満面の笑み。


氷室(ひむろ)くん……。保険に入っておいたほうがいいわよ? 刺された傷に手厚い保証があるやつで。生涯有効なら、なお良いわ!」


「いきなり、何を言っているんですか……」


 呆れた俺が返したら、咳払いをした生徒会長が話し出す。


「黒魔術のサークルがあった私立高校だけど、もう手遅れ! 最終手段をとったから、氷室くん達はもう気にする必要はないわ」


「……と言うと?」


「剣術部が、中途半端に処理したのよ! 表向きは主犯の女子が刺殺された結末で、これ以上はウチで介入できず! 魔術書と他人に成りすました黒幕を消すように、依頼済み」


「どこに?」


 息を吐いた鈴音は、視線をそらした。


「氷室くんに頼むのは筋違いだし、西園寺(さいおんじ)さんも同じ! 残り1人よ……。もう、手段を選んでいる余裕がないの」


 また息を吐いた鈴音は、俺の顔を見た。


「中学生への指導中に、刀剣解放が1人。さらに、異界での討伐……。確率論でもあるけど、驚くべき成果よ? これをもって、氷室くんを全国防人剣術大会の刀剣解放の部門で、新人の個人戦に出します!」


「俺1人の成果ではありません……。グループにいた他の者は?」


 俺の質問に、鈴音はハッキリと告げる。


「剣術部の枠を削ってでも、考えます」


 どうして、そこまで……。


 俺の考えが伝わったのか、生徒会長は苦笑した。


「あの私立高校は……もう廃校になるわ。横取りした剣術部にも、責任をとってもらわないと」



 ◇



 黒魔術サークルがあった私立高校は、飛び降りから殺人事件の余韻がなくなった。


 けれど――


 闇夜に包まれた敷地の、まさに(ほし)芽里維(めりい)が刺殺された地下に並んだ部屋では、多くの男女が絡み合っていた。


 駿河沢(するがざわ)三花(みか)は、昼と同じく大人気。

 

 外に通じている入口から、制服を着た女子が1人。

 コツコツと歩いてくる様子に、水鏡(すいきょう)十太(じゅうた)が気づいた。


 くすんだ灰色のロングで、明るく薄い茶色の瞳。

 清楚系の可愛いアイドル、といった感じだ。


 警備をしていた男子も、一緒にいる。


「おい! なぜ、通した!? 見張っていないとダメだろ?」

「構わねーよ! これだけの女子は、うちにもいないしな? 人気者だった駿河沢は、あんなんだし……。いつでも抱ける」


 その視線の先には、男に群がられている三花の姿。


 十太は、視線をそらした。


「ともかく――」

粟島(あわしま)さんは、どこに?」


 女子の質問に、付き添いの男子が答える。


「何だ、有加(ゆか)の知り合いか? あいつなら……あそこだ!」


 そちらを見た女子は、1人で歩き出す。


 見覚えのない女子の登場に、警戒する人間も。


 けれど、歩きながら制服を脱ぎ出したことで、包囲しかけた男どもが立ち止まる。


 ニヤニヤしながら、女子のストリップを眺めた。


(確殺まで、あと30、20、10……)


 パンツまで床に落ちたときに、歓声が上がった。


 この時点で、粟島有加も気付く。


「そいつ――」

滅尽炎々摧火めつじんえんえんさいか


 次の瞬間に、一糸まとわぬ天賀原(あまがはら)香奈葉(かなは)から火山のような業火が噴き出した。


 状況を把握する前の奴らを巻き込んでいき……。


 私立高校の敷地の半分以上が、溶岩に呑まれたような惨状になった。

 地面ごと抉られ、建物は更地へ。


 高温から一気に冷やされ、いたるところで白い煙が立ち上り、新たに設立された黒魔術サークルは物理的に消滅。


 原因となった魔術書を含めて……。


 瞬間移動のように空中に立った和装の香奈葉は、完全解放をやめた八面玲火(はちめんれいか)を片手で下げたまま、ポツリと呟く。


「出力の加減ができないのが、本当に面倒なのでー」


 そのまま、シャッと消えた。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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