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弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~  作者: 初雪空
第三章 刀剣解放をできればカースト上位!?
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据え膳食わぬは男子の恥

原作の澪ルート。

それは、日本が滅びる道だった。

 

繰り返される悲劇に対して、それぞれが動くが……。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DJBT5MPH

 飛び降りが発生した私立高校で捜査する、東京国武(こくぶ)高校の剣術部。


 リーダーになった男子が、檄を飛ばす。


「うし! 氷室(ひむろ)にでかい面をさせないよう、キッチリと片づけるぞ!」


 今の彼らは、私立高校の制服だ。

 カバーストーリーに基づき、短期の受入れという形。


 元凶と見られた水鏡(すいきょう)十太(じゅうた)は、罪の意識を感じてか、全面的に協力している。


 入院していた駿河沢(するがざわ)三花(みか)は、精密検査のあとで退院した。

 どうやら、彼氏の十太が気になって仕方ないようだ……。


 三花は自分が悪かっただけと頭を下げて回り、裏で袋叩き寸前だった十太はかろうじて命拾い。


 学校のアイドルである彼女を嫌いだった女子すら、さすがに同情した。

 いっぽう、男子は怒り心頭。


 女子は、内心で気に食わなくてもフラットに接するが。

 男子のほうは、イジメどころか、半殺しの勢いだ。


 これ以上、駿河沢さんに負担をかけないで。

 彼氏を追い詰めるようなら、こっちにも考えがあるから!


 女子の総意はそうなっていて、男子の過激派も動けない状態。


 中立寄りの男子も、巻き込まれるのが嫌で、十太から距離をとっている。

 

 無視されないしイジメもないが、集団の中で孤立。

 腫れ物に触る、という表現がぴったりだ。


 十太は、自分を囲んでいる剣術部に協力するしかない。

 その功績で学校に見逃してもらい、なおかつ、三花の実家の力でやったことを隠しつつの転校だけが助かる道。


 冷静に分析したら、クズという表現すら生温いが……。


 ともあれ、事件を解決しなければならない。


「えっと……。俺が駿河沢にかけたのは、魔術書にのっていた儀式で――」


 十太の説明によれば、洋書を扱っている古本屋で安く買った。


 遊び半分で、この私立高校のアイドルである駿河沢三花にやってみたら、据え膳で自宅にやってきたそうな……。


 そのまま、恋人同士に。


 剣術部の男子が、質問する。


「その魔術書は、同じ学校の生徒である(ほし)芽里維(めりい)に渡したと?」


「は、はい……。海外のイタリーに住んでいたらしく……。その、魔術に興味があったようで」


 歯切れが悪く、彼女に誘惑されたのだと思われる。


 けれど、これは生徒指導ではない。


「ハイハイ……。そいつを調べてみるよ! お前は、せいぜい誰かに刺されないように気をつけな」



 ――半月後


 潜入捜査をしている剣術部は、星芽里維を中心にした黒魔術のサークルを突き止めた。


 水鏡十太の幼馴染で同じ私立高校に通っている粟島(あわしま)有加(ゆか)も、その一員だとか。

 びっくりした十太は、パニックになりつつ、突入に立ち会うと言ってきた。


 彼が言うには、生贄を捧げることでの悪魔召喚もあったようだ。


 剣術部のリーダーが、指摘する。


「ってことは……。急いだほうがいいな?」



 今は使われていない、外にある倉庫の1つ。


 地下にある部屋で、横たわったまま手足を縛られた有加に、独特なナイフが突き立てられる寸前だった。


 黒ローブを羽織った女子グループが怪しい呪文を詠唱する中で、御刀(おかたな)を抜いた剣術部により、瞬く間に制圧される。


 主犯と(もく)された星芽里維も倒され、有加は解放された。


 しかし――


「あぐっ!?」


 有加が、独特なナイフで芽里維を刺していた。


 ノーマークにしていた剣術部は、慌てて有加を押さえ込む。


 倒れた芽里維は、信じられないという表情のまま、見る見るうちに出血していく。

 何かを訴えるように、立っている有加を抱きしめている十太を見た。


 彼が見つめ返したことで、涙を流しつつ、首を横に振る。


「ちが……」


 助けを求めるように片手を上げるも、途中で力尽きた。



 ◇



「ご苦労さま……。報告書をよろしくね?」


 東京国武高校の生徒会室で、そこの主である伊花(いばな)鈴音(すずね)が締めくくった。


 得意げに出ていく、剣術部の面々。


 しかし、扉が閉められた後にも、鈴音は悩んだままだ。


 近くに控えていた、1年の神宮寺(じんぐうじ)(のぞみ)に尋ねる。


「希ちゃん? あなたは、どう思う?」


 同じく難しい顔の希は、根拠はありませんが、と前置きしつつの返答。


「あっけなさすぎます……。特に、主犯の星芽里維が……」


「ええ! まさに、そこよ! 本当に効果がある魔術が記載された魔術書なら、いくらでも防御方法はあっただろうし。意識をそらすことも、簡単よ? 何しろ、全く面識のない男子をいきなり最愛の人にするのだから」


 希は、最悪のシナリオを考える。


「もしかして……。星芽里維は、わざと自分を殺させたのでは?」


「何のために?」


 生徒会長の問いかけに、希はためらった後で答える。


「粟島有加がいきなり刺し殺すのは、不自然です。即座にしなければいけない理由と言えば……」


「……まさか! 精神を交換した後で、口封じしたの!?」


「可能性に過ぎませんけど」


 その推理が当たっていたら、まったく疑われていない魔術師が野放しだ。


 希は、改めて確認する。


「どうしますか?」


 内線の受話器をとった鈴音は、最後の手段をとる。


「氷室くん達には、もう頼めないわ! だから、最後の1人に相談する」


 言いながら、相手が出たことで余所行きの声へ。


「お世話になっております。私、東京国武高校の生徒会長である――」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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