カースト上位の剣術部との対決
明らかになった、召喚儀式の実行犯。
今日、ベル女で召喚された存在によって世界が終わる。
4巻目は、ついにバトルへ!
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東京国武高校は、防人の学校だ。
それゆえ、御刀の腕前でかなりの差がつく。
前に風紀委員と決闘をしたように、霊的な守護がされた結界がある。
申請すれば、自由に使える施設。
今は全国防人剣術大会の校内予選を控えて、大賑わいだ。
刀剣解放のコツを教えてくれ、と頼んできたクラスメイトは、先輩あたりに聞いたらしく、手際よく押さえてくれた。
(まあ、利用者が少ない時間帯だけどな?)
靴を履いたままで立ち回れるほどの広い屋内。
要するに、板張りの武道場だ。
実戦形式で、全員がブレザーの制服を着たまま。
壁の時計を見れば、まだ早朝。
それも、日曜の……。
(高校生には、キツい時間だぜ!)
御神刀を左腰に差した和装のままで佇んでいたら、声をかけられる。
「氷室! 今の立ち合いは、どうだったよ?」
最初に提案してきた水主東一だ。
同じクラスメイトの男子である、日高烈火も、彼と向かい合ったままでこちらを向く。
「ひとまず、お互いに寸止めでやっているけど……」
どちらも、自分の刀を両手で正眼に構えたまま。
「あー、すまん! 見てなかった」
「何だよ……」
「アハハ! 日曜の朝だし、無理もないって」
気が抜けた2人は、相手を見たままで後ずさり。
相手を意識しながら、見えない鞘に納刀した。
持っていた刀が消える。
お互いに礼をした後で、俺の傍に来た。
「やっぱり、御神刀と普通の刀は違うんだろうな?」
「自分や相手を切り殺すことが条件なら、解放できなくてもいいや」
軽口を叩いている友人たちを見た。
「こっちは、命のやり取りをしたからなあ……。水主たちは?」
「あるわけないだろ!」
「……それ、結界の中じゃなくて、現実での話だよね?」
ドン引きされてしまった。
「他の奴らが命懸けとは思えないし……。刀剣解放の条件ではないと思う」
「そう願うぜ!」
「剣術部の連中も、切った張ったは未経験だろうさ」
俺たちは、稽古している女子グループを見た。
同じく和装に御神刀を差した西園寺睦実の周りにいる。
人数は、あいつを含めて4人だ。
俺の視線を追った男子2人が言う。
「最初は、もっと多かったけどな?」
「仕方ないよ! 西園寺さん目当ての奴らもいたし!」
俺と睦実が指導役。
しかし、刀身が伸びるだけで入学早々にトラブルを起こした俺は、敬遠された。
必然的に、1年主席で親しみやすく、あの風紀委員会ですら一蹴した御神刀を持つ睦実へ集中したのだ。
「クラスメイトに少し教わったぐらいで実現するのなら、誰も苦労しないぜ!」
「数人の男子は、『男女別だから』と説明して氷室くんにつかせた途端にやめたよね?」
苦笑する烈火に、同意する。
「まあな……。刀剣解放は、たぶん自信を持てるかどうかだと思う」
半信半疑の男子たち。
「自信ね……」
「まあ、そう言われてみれば」
そろそろ、稽古を再開しようと思ったが――
「今度は、負けないぜ?」
「ハッ! 言ってろ」
ゾロゾロと、自信に満ちあふれた連中が入ってきた。
時計を見るも、まだ俺たちが押さえている時間帯のはず。
すると、先輩らしき男子がニヤニヤしながら、言ってくる。
「おい! 早く片づけをしろよ? 気が利かない――」
左腰から平凪を抜きざまに刀身を伸ばし、その勢いで正面に立つ馬鹿を薙いだ。
状況を理解する間もなく、倒れ伏す男子。
「なっ!」
「お前、自分がやったことを――」
片手で切っ先を向けつつ、宣言する。
「今は、俺たちの時間だ! そこに無断で入り込んだ以上は、やられる覚悟があるってことだろ?」
「剣術部の俺らに舐めた真似を――」
「こっちのセリフだ! 今のでお相子だ、今後は順番を守れよ? 逆恨みして嫌がらせするようなら、この御神刀にかけて報復する」
完全解放の手前までの霊圧に高めたら、斬り捨てられた死体を除き、ニヤニヤしていた男子どもが残らず膝をついた。
「チクって停学や退学にすれば、仲間と一緒にバレないようにイジメをすれば、とは考えるなよ? そうしたら、お前らを殺すだけだ。場合によっては家族や親戚もだ。言い訳は聞かん」
片手で振れば、その軌跡で大きな亀裂。
そのままで、問いかける。
「で、剣術部の先輩方? やるのか、やらないのか?」
「くっ! 覚えていろ――」
刀を横に振れば、逃げようとした奴の首が飛んだ。
首なしが、力なく倒れる。
悲鳴を上げる馬鹿ども。
俺は、両手で構え直した。
「やるのか? 分かった。じゃあ――」
「駿矢、今回はそこまでにしてあげて!」
西園寺睦実の制止に、俺は切っ先を下げた。
周りを警戒しながら、納刀する。
「とにかく、帰れ!」
激高した剣術部の男子が、叫び出す。
「ふざけ……」
けれど、殺されたはずの男子2人は無傷。
深く刻まれたはずの亀裂もない。
どよめく周囲。
叫びかけた男子も、混乱したようだ。
いっぽう、俺は抜刀する姿勢のままで、抗議した男子へ向き合う。
「お、おい!?」
両手を向けて後ずさりするだけで言葉にならない馬鹿に、睦実が取り成す。
「次は、ボクも止めないからね?」
その断言で、乱入した剣術部は立ち上がった男子2人と共に逃げ出した。
捨て台詞を言わなかったのは、お利口だ。
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