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弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~  作者: 初雪空
第三章 刀剣解放をできればカースト上位!?
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カースト上位の剣術部との対決

明らかになった、召喚儀式の実行犯。

今日、ベル女で召喚された存在によって世界が終わる。


4巻目は、ついにバトルへ!

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 東京国武(こくぶ)高校は、防人(さきもり)の学校だ。

 それゆえ、御刀(おかたな)の腕前でかなりの差がつく。


 前に風紀委員と決闘をしたように、霊的な守護がされた結界がある。

 申請すれば、自由に使える施設。


 今は全国防人剣術大会の校内予選を控えて、大賑わいだ。


 刀剣解放のコツを教えてくれ、と頼んできたクラスメイトは、先輩あたりに聞いたらしく、手際よく押さえてくれた。


(まあ、利用者が少ない時間帯だけどな?)


 靴を履いたままで立ち回れるほどの広い屋内。

 要するに、板張りの武道場だ。


 実戦形式で、全員がブレザーの制服を着たまま。


 壁の時計を見れば、まだ早朝。

 それも、日曜の……。


(高校生には、キツい時間だぜ!)


 御神刀を左腰に差した和装のままで佇んでいたら、声をかけられる。


氷室(ひむろ)! 今の立ち合いは、どうだったよ?」


 最初に提案してきた水主(みずし)東一(とういち)だ。


 同じクラスメイトの男子である、日高(ひだか)烈火(れっか)も、彼と向かい合ったままでこちらを向く。


「ひとまず、お互いに寸止めでやっているけど……」


 どちらも、自分の刀を両手で正眼に構えたまま。


「あー、すまん! 見てなかった」


「何だよ……」

「アハハ! 日曜の朝だし、無理もないって」


 気が抜けた2人は、相手を見たままで後ずさり。


 相手を意識しながら、見えない(さや)に納刀した。

 持っていた刀が消える。


 お互いに礼をした後で、俺の傍に来た。


「やっぱり、御神刀と普通の刀は違うんだろうな?」

「自分や相手を切り殺すことが条件なら、解放できなくてもいいや」


 軽口を叩いている友人たちを見た。


「こっちは、命のやり取りをしたからなあ……。水主たちは?」


「あるわけないだろ!」

「……それ、結界の中じゃなくて、現実での話だよね?」


 ドン引きされてしまった。


「他の奴らが命懸けとは思えないし……。刀剣解放の条件ではないと思う」


「そう願うぜ!」

「剣術部の連中も、切った張ったは未経験だろうさ」


 俺たちは、稽古している女子グループを見た。


 同じく和装に御神刀を差した西園寺(さいおんじ)睦実(むつみ)の周りにいる。


 人数は、あいつを含めて4人だ。


 俺の視線を追った男子2人が言う。


「最初は、もっと多かったけどな?」

「仕方ないよ! 西園寺さん目当ての奴らもいたし!」


 俺と睦実が指導役。

 しかし、刀身が伸びるだけで入学早々にトラブルを起こした俺は、敬遠された。


 必然的に、1年主席で親しみやすく、あの風紀委員会ですら一蹴した御神刀を持つ睦実へ集中したのだ。


「クラスメイトに少し教わったぐらいで実現するのなら、誰も苦労しないぜ!」

「数人の男子は、『男女別だから』と説明して氷室くんにつかせた途端にやめたよね?」


 苦笑する烈火に、同意する。


「まあな……。刀剣解放は、たぶん自信を持てるかどうかだと思う」


 半信半疑の男子たち。


「自信ね……」

「まあ、そう言われてみれば」


 そろそろ、稽古を再開しようと思ったが――


「今度は、負けないぜ?」

「ハッ! 言ってろ」


 ゾロゾロと、自信に満ちあふれた連中が入ってきた。


 時計を見るも、まだ俺たちが押さえている時間帯のはず。


 すると、先輩らしき男子がニヤニヤしながら、言ってくる。


「おい! 早く片づけをしろよ? 気が利かない――」


 左腰から平凪(ひらなぎ)を抜きざまに刀身を伸ばし、その勢いで正面に立つ馬鹿を薙いだ。


 状況を理解する間もなく、倒れ伏す男子。


「なっ!」

「お前、自分がやったことを――」


 片手で切っ先を向けつつ、宣言する。


「今は、俺たちの時間だ! そこに無断で入り込んだ以上は、やられる覚悟があるってことだろ?」


「剣術部の俺らに舐めた真似を――」

「こっちのセリフだ! 今のでお相子だ、今後は順番を守れよ? 逆恨みして嫌がらせするようなら、この御神刀にかけて報復する」


 完全解放の手前までの霊圧に高めたら、斬り捨てられた死体を除き、ニヤニヤしていた男子どもが残らず膝をついた。


「チクって停学や退学にすれば、仲間と一緒にバレないようにイジメをすれば、とは考えるなよ? そうしたら、お前らを殺すだけだ。場合によっては家族や親戚もだ。言い訳は聞かん」


 片手で振れば、その軌跡で大きな亀裂。


 そのままで、問いかける。


「で、剣術部の先輩方? やるのか、やらないのか?」


「くっ! 覚えていろ――」


 刀を横に振れば、逃げようとした奴の首が飛んだ。


 首なしが、力なく倒れる。


 悲鳴を上げる馬鹿ども。


 俺は、両手で構え直した。


「やるのか? 分かった。じゃあ――」

駿矢(しゅんや)、今回はそこまでにしてあげて!」


 西園寺睦実の制止に、俺は切っ先を下げた。


 周りを警戒しながら、納刀する。


「とにかく、帰れ!」


 激高した剣術部の男子が、叫び出す。

 

「ふざけ……」


 けれど、殺されたはずの男子2人は無傷。

 深く刻まれたはずの亀裂もない。


 どよめく周囲。

 叫びかけた男子も、混乱したようだ。


 いっぽう、俺は抜刀する姿勢のままで、抗議した男子へ向き合う。


「お、おい!?」


 両手を向けて後ずさりするだけで言葉にならない馬鹿に、睦実が取り成す。


「次は、ボクも止めないからね?」


 その断言で、乱入した剣術部は立ち上がった男子2人と共に逃げ出した。


 捨て台詞を言わなかったのは、お利口だ。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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