ある意味では監禁エンド?
秘密の女子校で、1週間の滞在。
けれど、そこには世界を滅ぼす存在の召喚儀式があって……。
「異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件」の3巻目は、誰もが疑わしい!?
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御神刀を完全解放した俺は、天井を消した洞窟のホールで、床スレスレに浮かぶ。
青空に照らされた、歪んだ天女伝説の成果を照らし出す。
俺自身の和装からも、ジェット噴射のような双翼と光の剣を持つ。
しかし、後ろの壁にもたれつつ、力なく座り込んだ田村東助は切り札を発動したばかり。
(消し飛ばしたいが、せっかく上半身と下半身に斬らなかったのだから)
付き合ってやると、やがて東助は困惑する。
「な、なぜ? 水が入ってこない!?」
切り札とやらは、人魚がいる沼の水を引き込むことだったようだ。
「それなら、消した」
「は!?」
思わず聞き返した東助に、改めて説明する。
「あの沼の水は、全て消した。俺がな?」
呆然と見つめていた東助は、やがて笑い出す。
「ハ……。ハハハハハ!」
落ちていた自分のリボルバーを回収した三船卓見は、腰につけたホルダーから手錠を取り出した。
「田村東助! 午後1時14分、殺人未遂、公務執行妨害、銃刀法違反の現行犯として逮捕する!」
成すがままの片手にガシャリと、冷たい輝きを放つ手錠がはめられた。
笑うだけの人形と化した男に、もはや抵抗する素振りはない。
完全解放をやめた俺は、短い脇差を左腰に納刀した。
無線で応援を呼び、俺のほうを向いた卓見が、これまでにない笑顔を向ける。
「ありがとう、氷室さん……。彼女たちも、これで……」
カプセルに眠る女子たちは、本来の伝承の通り、天へ帰るのだろう。
――翌日
天賀原香奈葉が襲撃した警察署で、事情を聴かれた。
ものすごく気を遣われ、ほぼ署名するだけ。
対面の刑事がしきりに出入口のドアを気にしていたが、あいつは来ないぞ?
たぶんな!
ドライブスルー並みに早く、俺たちは合流する。
今度は風鳴学院と同じ車に乗り、東京へ行ける主要駅まで送ってもらった。
構内には、地元民と出張のビジネスマンぐらい。
やっぱり田舎だ。
風鳴学院の面々は、この車で学校へ帰るらしい。
高荒まどかが礼を述べて、車へ乗り込んだ。
残った久世果歩は、ニコニコしたまま。
「お別れですね……」
「ああ」
正面から距離を詰めてきた果歩は、切なそうな表情に。
「あなたに助けていただかなければ、私は……」
顔を伏せたと思えば、さらに踏み込んできて――
キスをしてきた。
驚いているうちに、真っ赤な顔のままで後ずさる。
「もう会うことはないでしょう……。私、あなたのことを忘れません! さよなら!」
果歩が待っていた車に乗り込めば、すぐに発進する。
不意打ちを食らった西園寺睦実が、叫び出す。
「ほわぁあああああっ!」
「落ち着いて、睦実ちゃん!」
先輩の相良音々《ねね》が、慌てて宥める。
「のわあ゛あ゛ああああ!」
「だから、落ち着いてって! 氷室くんも、何か言ってよ!?」
「知らん」
呆れた俺は、1人で先に行く。
◇
『すみませんね! 教えておきたいことがありまして』
刑事の三船卓見だ。
耳に当てたスマホから聞こえてくる声は、後日談を語り出す。
『田村東助は全面的に罪状を認めて、あとは検察の仕事です。女子3人と風鳴学院の水島空太の死体も、調査が終わりました! 柳ヶ淵村ですが……』
説明された事実に、すっとんきょうな声を上げる。
「二階までの高さが、丸ごと水没した!? 急ですね?」
『ええ……。消防署とも連携しているんですが、あまりに突然で……』
聞けば、隣の佐木霜村には線を引いたように入らず。
『柳ヶ淵村の避難は、あらかた完了しています。水が引く気配はありませんが』
「俺の見解を聞きたいと?」
『率直に言えば』
少し悩んだ後で、推測する。
「昔の防人が祟ったんじゃないですか?」
『天女伝説の?』
「はい……。あのカプセルを見る限り、ろくな目に遭っていないでしょうし」
『まったくですな!』
気を取り直した卓見は、改めて説明する。
『氷室さんにどうこうじゃなく、「こんな結末になった」という報告です! ウチがずっと避けていた話だけに、マスコミには流れません』
言葉を切った後で、ポツリと聞こえてくる。
『あの村には、まだ何かあったのでしょうね? 今となっては、事件から災害に変わりましたが』
「田村の他にも、共犯がいたと思いますけど?」
『同感ですが、もう無理です! 主犯の田村東助を検挙したのが、精一杯……』
声音から、卓見も納得しないようだ。
といっても、村で会っていた時のギラギラした感じはない。
『じゃ、お元気で! もう連絡することはありませんから』
「お疲れ様です」
スマホの画面に触り、通話が切れたことで、あの村との因縁が終わった。
東京にある自宅。
2階の自室で、ベランダからの景色を見る。
「あの村には、まだ昔の防人がいるのだろうか……」
左右から女子の声が聞こえてくる。
「また、他の女のことでー?」
「ちょっと目を離したら、すぐコレだよ……」
視線を向ければ、天賀原香奈葉と西園寺睦実がいた。
香奈葉に尋ねる。
「お前、授業は?」
「それどころじゃないので!」
帰ってから、この女子2人に張りつかれたままだ。
いつになったら、解放してくれるかな?
過去作は、こちらです!
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