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えっ? 同じ部屋に男子1人と女子2人?

秘密の女子校で、1週間の滞在。

けれど、そこには世界を滅ぼす存在の召喚儀式があって……。


「異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件」の3巻目は、誰もが疑わしい!?

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 3台の車が、山奥のロッジの手前で泊まった。

 側面ドアが開くか、横にスライドして、ぞろぞろと出てくる。


 高校生と大学生ゆえ、平均年齢は若い。


 ここは、柳ヶ淵(りゅうがぶち)村で、唯一の宿泊施設。

 一足先に到着した俺は、このロッジ、竜宮りゅうぐうの主人と一緒に出迎えた。


 ため息をついた西園寺さいおんじ睦実むつみは、俺を見る。


「あのさあ……」


「情報を集めていたんだよ!」


「で?」


「ここの主人、田村たむら東助とうすけさんにも色々聞いたんだけど……」


 傍に立っていた主人は、部屋の案内で忙しいようだ。


 視線を感じて、そちらを見れば、同じ東京国武(こくぶ)高等学校の先輩――


「2年の風紀委員、相良さがら音々(ねね)だよー?」


 何か、ネット配信をしていそうなテンションだ……。


(今日もスパチャ、ありがとー!)


 心の中で突っ込みながら、冷静に返す。


「前に会った時と、だいぶ違うと思いますが」


「無断で御刀おかたなを抜いた生徒と向き合っていれば、そりゃね?」


 今にも踊りそうな、音々。


 こちらが素のようだ。


 いっぽう、睦実は無表情。


(何があった?)


 若干だけ引いたまま、預かっていた鍵を差し出す。


「これが、俺たちの部屋のだ!」


「あー、うん。荷物は持ってね?」


 睦実は、不機嫌だ。


 女子2人からスポーツバッグを受け取り、両肩が重い。


 フリーの両手を上にしてリズムよく左右に揺れる音々が、ピタリと止まった。


「ちょっと待って!? まさかと思うけど、1部屋だけ?」


「俺はここの管理人でオーナーの田村さんに頼み、外の倉庫みたいな建物に――」

「い、いやいや! そこまでは言っていないよ?」


 驚いたように、音々が両手を前にした。


「そもそも、ここは……。んんっ! 1人で寝ていたら、襲ってくれと……」


 彼女は、心配そうな顔。


 まあ、過去に防人さきもりが犠牲になったようだし。


 息を吐いた音々は、言い直す。


「それで君が死ぬか再起不能になったら、私は立ち直れないと思う! えっと、西園寺さんは?」


「ボク、駿矢しゅんやに全部見られているんで……」


「そっかあ! じゃ、問題は……はぁあああああっ!?」


 忙しい先輩だ。


 そう思いつつ、訂正する。


「こいつが風呂に乱入しただけなんで――」

「乱交!?」


「乱入です……。というか、そろそろ部屋に行きませんか? 荷物が重い」



 ――国武の部屋


 外観はロッジだが、内装は洋風。

 けっこう金をつぎ込んでいるらしく、古さを感じるものの、チープ感はない。


 ツインで、2つのベッド。

 よく見れば、ソファーと兼用の補助ベッドもあるようだ。


 ベランダに出れば、狭いながらも、ゆっくり寝られる野外用のベッドや、丸テーブルと椅子。


 開けたところのフローリングに、両肩のスポーツバッグを下ろした。

 自分で背負っているデイパックも。


「相良先輩?」


 ビクッとした音々は、俺のほうを見た。


「な、何? 君たちが仲いいのは、分かったけど。い、今は危険な状況だから!」


「ホラー映画のお約束になる気はありませんよ?」

「だいたい、リア充の男女がパンパンしている時に、第一の犠牲者だよね」


 睦実が、生々しい表現で同意した。


 顔を引きつらせた音々に、話しかける。


「俺は、隣の佐木霜さぎしも村にいたんですけど」


「う、うん!」


「とりあえず、情報を共有しましょう」



 ――30分後


「天女伝説を追いますか……。銀山の遊女は考えない方向で」


 俺の提案に、女子2人が頷いた。


「どうせ、この村の先祖が昔の防人を手籠めにしたんだよ」

「うーん? まあ、その人が原因っぽいけど」


 今日の睦実さんは、妙にすさんでいらっしゃる。


 要点をハッキリさせよう。


「その防人が荒神になっているのなら、どうせ出現します。問題は、地元の風鳴かざなり学院における過去の犠牲者です。そちらとは?」


 見るからに動揺した音々は、笑い出した。


「アハハ……。まだ!」


「いや、来る途中で話ぐらいは――」

「先輩が『大学生を彼氏にしたいから!』と、そっちの車を選んだ」


「言ってないよ!? 勝手に、話を作らないでー!」


 焦った音々が叫んだ。


「風鳴を押さえないと、襲ってくるかもしれん」

「今から話す?」


「もしもーし? 先輩で代表の私を無視して、進めないでー?」


「ここの連中は?」

「ひとまず、疑わない! 俺たちに腹芸は、無理だ」

「私を含めないで!」


 睦実は、頷いた。


「ラン&ガン?」

「ああ! 剣的必殺でいくぞ! 村ごと消してもいい」

「良くないよ!?」


 ツッコミ役になった音々に、説明する。


「先輩? ここは、防人がどんどん犠牲になっている場所です。地形を変えるぐらいでやらないと、逆にやられますよ?」


「まあ、地形ごとは誇張しすぎだけど――」

「ボクと駿矢なら、できるよ?」


 精神が不安定になった音々は、笑う。


「ま、またまたー! アハハハハ!」


「じゃ、風鳴の部屋に行くか?」

「中途半端すぎるし、食事のときにしない?」


「ごめん、無視しないで?」


 ガチトーンになった音々が、突っ込んできた。


 その時に、コンコンコンと、ノック音。


『風鳴学院です……。いきなり押しかけて、申し訳ありません。できれば、今後の方針について話し合いたいのですが?』


 1つだけ言えるのは、向こうの代表のほうが優秀ということだ。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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