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黄昏時に落ちる星  作者: 有間ジロ―
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閑話 転生四人組の事実確認…からの糾弾会



 ‟で、実際のところどうだったんだ?”


 高級ホテルの一室。ソファーにゆったりと腰を掛け長い足を組んだ佐伯剛が楷ともやに問う。渡利が人数分のグラスにワインを注いでいく。


 ‟大体あなたの推察通りですよ。レイシャーン団長が反逆罪で捕まったと同僚が僕の実家まで知らせに来てくれました。同時に僕自身も捕縛対象だと。すぐにでも王城に行きたかったけど危険すぎて無理だったので夜になってから何とか忍び込みました。幸い兵士の中には団長の無実を信じる者が何人もいたから協力を得るのは難しくなかった。そして牢にいる団長にあったんです。その時の団長は既にひどい拷問を受けていて…”


 その時の情景を思い出したのか、ともやは顔をゆがませた。


 ‟とにかく何が何だかわからなくて、団長に話を聞こうと思って。でも団長は詳しいことは何も話しくれなかった。ただギルアドニアの脅威が迫っている。自分が捕まってしまったことで今、国内とくに軍の統制は乱れているから攻められたらひとたまりもない。どうにかしてカーメイの援軍を乞うように、と”


 ともやが話している経緯はドラマには出てこない。ドラマに出てくるのはレイシャーンが捕縛され罪人として裁かれるところまでだ。なぜならばここにいる人間の誰一人として事の真相をはっきりと把握していないからだ。恐らくレイシャーンは知っていたのだろうが沈黙を保ったまま処刑されてしまった。


 ‟その時彼は黒幕は誰か言わなかったのか”


 ‟はい、弁明も何も。ただ、自分は間違ってしまったのかもしれない、とは言ってました。こうなってしまっては今更どうにもできない。ただ、どにかしてロンズディン王国とミシルカ様への危険を回避しなければと”


 その言葉にみつきは息を飲む。


 ‟おそらくラストリル宰相が絡んでいたお思うんだけど。陰でこそこそやっていたのには気づいていたけどまさかそこまで愚かで大それたことを考えていたとは思わなかったんだよ”


 渡利もしゅんと肩を落とす。


 ‟あなたがそうやって事なかれ主義でいたからあんなことになったとは思わない?切れ者とか言われていたのに肝心の時に動かないなんて”


 みつきが睨む。


 ‟いや、そこに話を持って行かないで。そもそも神官長は政治にかかわるべきではなかったんだからね”


 ‟とにかく僕はなんとか団長の密書を届けたけど、あれほど絶望的な思いをしたことはなかったな。間に合わないのがわかってるのにひたすら馬を走らせる。そうしているうちに団長は処刑されてしまった”


 ‟そしてカーメイの援軍は来なかった”


 みつきは今度は佐伯を睨む。


 ‟無実のレイシャーンを処刑した国をどうして助けなきゃいけない?援軍を出したとしても間に合わなかっただろう。滅亡した国のかたき討ちのために自国の兵を危険にさらせるか。それに結局はレイシャーンを見殺しにして国だ。同盟国でもないのに助ける義理もないだろうが”


 佐伯はグラスを揺らしながらしれっと言う。


 ‟大体お前はどうなんだ。自暴自棄になって国を守るどころか両親と宰相を切り殺して自決するなんて王族の風上にも置けない”


 みつきはプイっとそっぽを向く。


 ‟まあまあ、ここで三百年前の行いを攻め合ったもしょうがない。だから我々はここにいるんだから。でもついでだから、ミシルカがいきなり凶行に及んだ理由は何だったか教えてくれる?”


 ‟…母上が謝ってきたんだ。自分がレイシャーンを陥れたって。で、話を聞いてみたらリストルが唆したとしか思えなかった”


 ‟理由は?”


 ‟私を、ミシルカを王にしたかったからだと言っていた”


 ‟そこまでは典型的な継承権争いだけど、そこに何でギルアドニアが絡んできたのかね?”


 ‟そこまでは…”


 ‟カッとなってロクに調べもしないで復讐に走ったのか”


 呆れたように佐伯が言った。むっと佐伯を睨むみつき。


 ‟結果的にあの時我々にはロンズディンを救うことはできなかった。それが出来たのはレイシャーンだけだったかもしれないね”


 渡利がさみしそうに言った。


 ‟だけど、彼も選択を間違えてしまったんだね”



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