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9 ダンスパーティイベント 3


9 ダンスパーティイベント 3


「ダンス、とてもお上手ですね。」とベガティに微笑みかけられ


「有り難う御座います。一生懸命練習を致しました。」とクルミが言った。


ベガティって人、中々良いじゃない。洗練されたレオンハルトとは違って

栗色の跳ねた髪が少しやんちゃな感じ。

でも今は積極的にでちゃダメ!ちゃんと攻略法を考えないと、下手に行動すると断罪イベントになる可能性もある。相手は公爵令息だ。でも・・・

初めて会った人だけど、美形男子だし明日からの攻略対象にベガティも加えよう。

後イベントは2つ残っている。頑張れば無理な事ではない。私には実力がある。

クルミは頭をフル回転させながら、ダンスを終えると


「身体が火照ってきましたね。アーネスト嬢、少し風に当たりませんか?」

ベガティが飲み物を2つ手にして、アーネストをテラスへと促した。

差し出されたグラスを手に、テラスへと歩いて行く・・・


「あっ、申し訳ありません。友達が呼んでおりますので、これで失礼します。」

と言って、丁寧にお詫びをするとアーネストは踵を返すと令嬢達の輪に入って行った。



アーネストは令嬢達と少し雑談をすると、会場の隅へと向かいながら心の中で会話をした。


「クルミさんの馬鹿、馬鹿、馬鹿!テラスはダメよ。死角になる所で、ボディタッチでもされたら・・・」

レイカは寸前でクルミを蹴り飛ばして、入れ替わったのである。


「いった~。痛くないけど・・・レイカは、考え過ぎよ。蹴り飛ばす事ないじゃない。」


「考え過ぎじゃない。大丈夫かどうかの問題じゃなく、人の目もあるのだから。

レオンハルト様には、迷惑をかけない約束でしょ?変な噂が立っても困るのよ。」


「分ったてば~。」


「分ってないから、言ってるのよ。」


「もう・・・うざい。」


「決めた。私の決死の覚悟を聞いて。今からエンディングまでの間、クルミさんを殴り続ける。

共倒れになるけど、レオンハルト様の為だもの。あなたにプレイする隙を与えない事にする。」


「!!!!レイカ様、お許し下さい。ちゃんと言う事を聞き、慎重にプレイする事を誓います。」


「ふんっ、2度目は無いわよ。」

そう言ってクルミが反省をしているので、怒りを抑えた。


その後クルミから、もう1曲だけダンスがしたいと必死に懇願されて

ダンスが終わったら、アーネスト様に身体を明け渡す事を条件に了承してクルミと入れ替わった。


クルミはラストダンスの相手として、司祭令息を探しダンスをした。

そして、その直後にモブの子爵令息からのお誘いをうけた。

この令息、確かシャルロットの取り巻きの中にいなかったっけ?

レイカ御免。これは攻略じゃなく偵察だから・・・もう1曲だけ踊るね。その子爵令息と踊る事にした。


ダンス6曲って、思ったよりも体力を消耗する・・・

やりきった感、半端ない。自分で自分を褒めてあげたい。

思ったよりダンスを楽しめたクルミは、約束通りにアーネストに身体を明け渡した。



「アーネスト。」

レオンハルトがアーネストの元に戻ってきた。




「アーネスト、身体の方は大丈夫か?」


「はい、何とか。思ったよりも、疲れが酷いのですが・・・大丈夫です。」


「疲れているところを申し訳ないが、皇帝がアーネストを紹介しろと言っている。」


「分りました。御一緒致します。」


レオンハルトはアーネストの手を取り、皇帝の元へ向かった。


「お待たせ致しました皇帝陛下。こちら婚約者のクレルモン伯爵令嬢、アーネストです。」


「初めてお目に掛かります。両陛下にご挨拶をさせて頂きます。アーネスト・クレルモンです。」


「初めまして、アーネスト嬢。レオンには勿体ないくらいの素敵なお嬢さんだ。」


「私達は年も近いし、将来的にレオンには最側近になってもらいたいと思っている。」


初めて聞く話にアーネストが戸惑いを隠せないでいると


「私達も良いお友達になれるんじゃないかしら、ねっレオンハルト様。」


「皇后陛下、もったいないお言葉で御座います。今後とも宜しくお願い致します。」



「では皇帝陛下、少し二人の時間にさせて頂きます。

そう言ってレオンハルトは、アーネストと2人でテラスに出た。


「アーネスト、君は・・・いや、何でも無い。」

レオンハルトはアーネストの前髪を掬っておでこにキスをすると、アーネストは真っ赤になっていた。

アーネストの本当の気持ちを聞きたかったのだが、真っ赤になったアーネストの顔を見て

聞かなくて良かったのだと思う。


こうしてイベント新入生歓迎ダンスパーティは、終了した。















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