5話 レベルアップ! 雑魚ステータスからはおさらば?
「レベルアップキタァァァァッ!!」
約2時間に及ぶスライム6体との激闘の末、ついにレベルが上がった。これでこのステータスオール1(AGIだけ2)から解放される時が来たのだ。それでは成長具合の確認へと参りましょう!
ステータス
名前 黒沢 迅
称号
LV2
SUP0
【HP】11→12
【MP】1→2
【STR】1→1
【VIT】1→1
【INT】1→2
【RES】1→2
【AGI】2→3
スキル
特記
レベル上限解放
「物理部分全く上がってねぇぇぇ!!」
待望のレベルアップで上がったステータスはまさかの物理関係以外であった。HPやAGIは幾らあっても腐らないが、INTとMPあがっても仕方ないんだよなぁ。だって俺魔法使えねぇし。という事は?そうです。また地獄のスライムとの激闘連戦が幕を開けるわけです!
ほぼ意味のなかったレベルアップから、10体くらい倒し終わった時、スライムのいた場所に小さ目の紫水晶が落ちていた。
「ん?なんかスライムがいた場所に何かあんぞ。よくあるドロップ的なやつかな?」
『モンスターを倒すとたまに魔石等をドロップします。魔道具を使用する際に魔石を消費します。魔石には等級があり、高ければ高い程、少ない量で高い効果を得られます。スライムが落とす魔石は等級1で最低クラスです』
ドロップ品があると知った途端、一筋の光が差したように思えた。そう、魔石を集めて売り捌けば滞在延長費用を稼げると考えたのだ。
そして金策の目処を立てながら空を見上げると、太陽は既に沈み込んでいた。
「もうこんな時間か、とりあえず今日は終わりにしないとな。街に戻って…って待てよ?宿の金ねぇんだった。とりあえず今日は野宿か」
近くの木を集めて火をつけようとしたが、いくら擦っても着火する事はなかった。アウトドアの知識は持っていなかったのだ。
「こんな時火属性の魔法でもあれば簡単に着けられるんだけどなぁ…」
火を着けるのに悪戦苦闘していると、ふと眠気に誘われた。前世では碌に運動とかはしてなかった為だろう、街への長距離移動に加えて3時間以上も戦ったのだ、そのまま近くの木の根元で寝てしまった。
目が覚めると既に空は青くなっていた。眠い目を擦っていると、空腹感に襲われた。
「よくよく考えると昨日は何も食べてねぇんだよなぁ。とりあえず食いもんになりそうなもの探してみるか」
食べ物になりそうな物を探していると、かなり小さめの猪のような動物が寝ていた。
スライムを狩るのがギリギリだった為、猪を倒せるのかと不安になっていたが空腹には勝てなかった。無茶でも猪を狩る事に決めたのだ。
「俺のSTRじゃあ多分一撃じゃ無理だよなぁ。となると反撃と逃げを封じる為には足かぁ?」
寝ている猪の左前足に一刺し。突然の痛みに飛び起きた猪の後ろに回り込み一刺し。STRの低さの割には意外とすんなり入っていった。そして足を失った猪は動けなかった。そのまま急所と思った部位を次々と攻撃していき、何の苦労もなく猪を狩る事が出来た。
「あれ?スライム狩るより全然楽じゃね?」
あまりの手応えの無さに疑問を抱いていると、レベルアップのアイコンが出た。
「昨日の苦労は何だったんだぁぁ!!」
今回は少し短めで申し訳ないです。
ストーリーが4パターンくらい思いついて、全部一通り書いてたらこんなにスパンが空いてしまいました。