11話 笑い視しもの
今回は主人公視点ではありません。
神域のとある一角にて
「ぷークスクスクスクス!やっぱりそういう反応になるよねぇぇ。僕のことを駄女神だと思った仕返しだぁぁ!」
はたから見れば羽の生えた少女がなにやら怒りながら笑い、楽しんでいるように思えるだろうか。
そんな少女の近くに呆れながら近づいてくる人影が。
「何をそんなに笑って見ているのかしら?」
「んー?レミエルじゃあないか!こんなところにくるなんて珍しいものだねぇ」
「ちょっとした用があって近くまで来てたのよ。それで?何がそんなに面白かったの」
「いやねぇ、最近送り出した子のステータスを大きくいじってあげたんだけどねぇ、その狼狽えようが面白くてさ」
それを聞いたレミエルは大きくため息をつきながら言った。
「はぁ。他人の趣味にどうこう言うつもりは無いんだけど、人の苦労をみてよくそこまで楽しめるものね」
「当たり前じゃないか。どのように苦悩して、どのように行動して、どのような結果をもたらすのか。非常に興味がそそられるよ」
「それにしてもこの子、そこまで才能とかあるようには見えないんだけど。この前まではそれなりに才能のある子を連れてきてなかった?」
「そうなんだけどねぇ。ある程度才能がある子は、すーぐ自分の能力を過信する傾向にあるんだよねぇ…おかげで大体同じ結果に終わるんだ。という訳で今回はまぁったく逆の、才能ない子を運用してみたってことさ」
サディエルの話を聞いて意外にもストンと腑に落ちた。
「それにしては随分と優しいじゃない?今までは序盤のころにもちょっかいを出してたわよね」
「今回はもう既に手を加えてあるのさ。この子のステータス、見て見なよ」
そう言われたレミエルは仁のステータスを覗いてみた。当然のように驚いていた。ほぼ全てのステータスが平均値を大きく下回っていたのだ。
「ちょっと…これやりすぎじゃないかしら」
「こいつは僕を駄女神だと思ったんだぞ!人間のくせに。ちょっとしたいたずらさ!」
「でもこれは流石に生きていくにも厳しいでしょう?」
「まぁね。でも無理ってほどじゃあないさ。ダメならダメで仕方ない。そういう結末だって僕は嫌いじゃあないよ」
「そう。まぁやりすぎないようにしなさいな」
そう言い残して、レミエルは去っていった。
(サディエルのことだし、どうせこれ以上の手出しをするんでしょうね。ちょっとあの子に同情しちゃうわ。ちょっとだけ情けをかけてあげようかしら)
「さぁ次のレベルアップからは選択を問われる。君はどの道を進むのかな?そして君はどこまで来れるのか。楽しませておくれよ」




