始まり
____て_________きて______
___ころじゃあ___あぶないよ____
う、うん?
声が聞こえる、俺は確かあのへんな宇宙空間で目覚めて殺し合いを___
「おわっ!?そうだ!!あの神野郎!!」
「ひゃっ!?!?」
!?目を開けると目の前には布地、純白の天の羽衣、神が遣わし天使の名を冠した天の羽衣、そうパンティである。しかもそのパンティは単体では意味をなさないのである。天使が身につけて初めてそれは天の羽衣となる。何が言いたいかと言うと目の前に転んでパンティフィールド全開のエヴァ顔負けの美少女がいたのである。
「異世界最高!!ひゃっっほぃ!!俺が神だ!!」
「何を言ってるか分からないけど、とりあえず君は私に殴られる覚悟はあるんだね」
はい。ビンタ入りました。グーじゃないところに愛を感じます。ありがとうございました。ご褒美です。
「ごほん!君!こんなところで寝てたら危ないんだよ!ここは村から近いから魔物も少ないけど、いないわけじゃないんだからね!」
「ごめんなさい。」
魔物、やはりここは異世界で魔物がいるファンタジー世界に近い異世界ということだろう。たしかに彼女もファンタジー寄りの中世感のある顔立ちだった。髪の色も日本のような黒や茶ではなく茶色がかったベージュ、それが全然日本人のように違和感を感じさせないぐらいに似合っていた。
それにめちゃくちゃ美人。お姉さん感もあってたまらんです。タイプです。現実なら速攻で告って振られても諦めずに大人になっても諦めずにアタックしてこんなおばさん後悔するよって言われて、むしろタイプですってなって結婚するまである。結婚しちゃうのかよ
「君、見ない顔だから冒険者さんかなにか??でも荷物も何もないもんね?どうしてこんなところに?」
やばい!?疑われてる?どうしよういきなりで頭回らん。何を考えてもパンティの記憶。溢れ出す純白。消えろ煩悩!いやだめだ!消えないでくれ!!
「えーっと_ここはどこ??俺は、、」
「!?まさか君!」
驚いた表情になる彼女は、しばし固まり頷きながら涙目になりがなら発した____
「君は___記憶喪失なのね」
「へ??」
彼女はその後も心配しないで、一人じゃないのよ、私がいるからと涙ぐみながら慰めてくれた。
うう、少し罪悪感が否めないがここは記憶喪失設定で行かせてもらおう。勝手に勘違いしてくれたのだが彼女は絶対いい人だから罪悪感がすごい。
「そうえば君の名前を聞いてなかったよね?ちなみに私はアリーシャ!でも覚えてないかな?名前?」
アリーシャか、やはり漢字が主体だった日本とは全然違うな。智和ってのもちょっとこの異世界だとダサいし響きがなんか違うよな。あんま変えすぎても違いすぎて反応できんかもしれんし。
「__トモヤだ。トモヤって呼んでくれ!」
結局ちょっともじっただけだし、日本っぽいのかよく分からんくなってしまった。まあ仕方ないか。途中でいくらでも変えてやる!なんせ異世界だしな!
「トモヤ!名前だけでも覚えててよかったよ!よろしくね!!まずは私たちの住む村に案内するね!」
「ありがとう!アリーシャ!」
それから林道を歩き、見えてきたのは広大な自然豊かな世界。高いビル群やひしめく人間もいない。まさにファンタジー世界。俺が起きた場所も大きい大樹の根本だったらしい。この世界はSF寄りの世界ではないみたいで安心した。SFよりだと絶対に初見から詰んでた。そっちはあんまり知識ないもんで。
「見えてきた!あそこが私の住む村だよ!」
街ではなく村という響きがぴったりな場所だった、ぽつぽつと立つ住宅はけして豪華絢爛ではないが木造で作られた異世界を彷彿とさせる住宅だった。柵で村全体を覆っているのもまさにって感じだ。田園も広がっている。農作を中心とした村だ。
ううう!!なんていい感じなんだ!ゲームでいう最初の村!異世界最高すぎないか?転生した奴らも最初はこんな感じの所からスタートしてるのだろう、神様いい奴すぎないか?説明不足野郎とか思ってごめんなさい。
村に入ると、奇異な目で見られる。
余所者は珍しいのだろう。そうだよね?卒業間近であんなやついたっけ?とかギャルに言われた時とちがうよね?ね?
「ごめんね?村のみんなも見ない顔だから心配してるんだと思うんだ?前色々あったからさ」
だよね、アリーシャまじ神、俺の気持ちを読んでくれた。この子やっぱ神が遣わした天使に違いないわ。
「アリーシャまじ天使」
「うん?なんか言った??」
「なんでもないよ、色々って何かあったの?」
すると少し神妙な面持ちで答えてくれる。
「ちょっと柄の悪い冒険者がいてね。その時は村のみんなでなんとか追い返したんだけど、それ以来ちょっと警戒心がみんな上がっちゃってね」
「そんなことがあったのか。」
やっぱりどこの世界にもそういうヤンチャな奴がいるんだな。しかも冒険者とはテンプレだな。絶対ギルドある奴だ。序盤で絡んでくる奴らだそいつら。
絶対ちびる。怖いおっさんマジ無理しんどい、しにたい。メンヘラ女子みたいになってしまった。
商店やきっと飲食店や酒場だろうと思える建物がある大通りを超えて、村の端まで歩くアリーシャについて行く。見えてきたのは大きな建物。家というよりは小さな校舎のようだった。
「あそこが私達の家なんだ!」
達?まさか結婚してるとか!?やめて!もう俺の中ではアリーシャとスローライフする未来が見えてるのよ!ねとらないでぇぇ!
「あ!アリーシャ姉ちゃんだ!!」
声をかけたのは子供だった。その声を筆頭に子供達が出てきた。
「ただいま!!みんな!」
「アリーシャ姉ちゃん!早いね!!嬉しい!」
「姉さん!薬草取りはどうしたんだい?というか横のそいつはなんだ??」
子供達と出てきたのは金髪碧眼のイケメン。少し歳は幼く見えるが旦那なのか!?子宝恵まれすぎアリーシャ頑張りすぎだろ!いやああああ異世界いやだあああああ
「こら!カイウス!そいつとか言葉使い悪い!この人はトモヤ!今日から一緒にここで暮らすんだからね!」
「「ええ!?」」
いきなり!?こんな美少女と一つ屋根の下で暮らすのか!?異世界最高かよ!!
人妻かもしれんが_______