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【5】天神地祇
後段の冒頭。
地祇の部分は神武東征や日本武尊の事でしょうか。
《此く宣らば》
太祝詞事を宣ったならば
《天つ神は》
《天の磐門を押し披きて》
手力男命が岩戸開き
《天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて》
出雲の乱暴者達を追い逐ったようにして
《聞こし食さむ》
聞き入れるだろう
《國つ神は》
《高山の末短山の末に上り坐して》
あらゆる山々の頂きに登って
《高山の伊褒理 短山の伊褒理を掻き別けて》
山霧を晴らし山賊や野盗を一掃して
《聞こし食さむ》
聞き入れるだろう
【伊褒理】
息降→野山に降り掛かる霧の事。
庵、住居→(山賊などの)根城、拠点。
イボり→足場の悪い茂みや岩場、沼地などの事。
一般にイオリ(イヲリ)で解釈されるが、読みではイボリ派も根強い。
筆者は解釈においてのイボり説を提唱。
皮膚のイボイボの他、
農業用語で凹凸ある新鮮な果実の表面の事。
地学用語で沼地の茂みなどに使われる語。
「訝か」「覚束」(足元が)心許ない様子。
次話は来週の予定です。