大祓詞後段
後段です。
【5】
此く宣らば
天つ神は
天の磐門を押し披きて
天の八重雲を
伊頭の千別きに千別きて
聞こし食さむ
國つ神は
高山の末
短山の末に
上り坐して
高山の伊褒理
短山の伊褒理を
掻き別けて聞こし食さむ
【6】
此く聞こし食してば
罪と云ふ 罪は在らじと
科戸の風の 天の八重雲を
吹き放つ事の如く
朝の御霧 夕の御霧を
朝風夕風の
吹き拂ふ事の如く
大津邊に居る大船を
舳解き放ち 艫解き放ちて
大海原に押し放つ事の如く
彼方の繁木が本を
焼鎌の敏鎌以ちて
打ち掃ふ事の如く
【6-1】
遺る罪は在らじと
祓へ給ひ清め給ふ事を
高山の末短山の末より
佐久那太理に落ち多岐つ
速川の瀬に坐す
瀬織津比売と云ふ神
大海原に 持ち出でなむ
【6-2】
此く持ち出で往なば
荒潮の潮の八百道の
八潮道の潮の八百會に坐す
速開都比売と云ふ神
持ち加加呑みてむ
【6-3】
此く 加加呑みてば
氣吹戸に坐す
氣吹戸主と云ふ神
根國 底國に
氣吹き放ちてむ
【6-4】
此く 氣吹き放ちてば
根國 底國に坐す
速佐須良比売と云ふ神
持ち佐須良ひ失ひてむ
【7】
此く佐須良ひ失ひてば
罪と云ふ罪は在らじと
祓へ給ひ 清め給ふ事を
天つ神 國つ神 八百萬神等共に
聞こし食せと
畏み 畏みも 白す
天津罪國津罪に続きます。