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【6-4】速佐須良比売
《此く 氣吹き放ちてば》
このように吹き放ったならば
《根國 底國に坐す速佐須良比売と云ふ神》
海底の暗闇にいらっしゃる速佐須良という女神が
《持ち佐須良ひ失ひてむ》
海底を流離わせて跡形無くしてしまうでしょう。
【簓】
旧態の束子、洗浄器具。
摩らう(擦るの意)、浚う、渫うなど洗浄用語に近似語あり。
【速佐須良比売】
古事記に該当神なし。
神直毘神、大直毘神と共に化生した伊豆能売と推定。
大祓詞本文中にも「伊頭の千別」で見られる語。
【水戸伊豆能売】
誓約で化生し天照大神の次男となった、天之菩卑能命の后神。
鳥之石楠船神(天鳥船神)の母神。
天甕津日女神の別名あり。
【焉】
「何か・安か・寧か・焉か」など、送り仮名不定で「何処か」を意味する漢字。
「終焉」など遠方や果ての意を含んだ字義がイツノメの名意に近いと思われる。
とはいえ、神名に適した字とは言い難い。
【弥豆佐佐良姫命】
天日鷲命(天日別命)の妻。
伊勢を追われた伊勢津彦が志那津彦になったとの伝承あり。