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【6-3】氣吹戸主
《此く 加加呑みてば》
荒潮に抱え飲み込んだならば
《氣吹戸に坐す氣吹戸主と云ふ神》
風の発生する根源にいらっしゃる気吹戸の主という神が
《根國底國に氣吹き放ちてむ》
海底深くに吹き放ってしまいます。
【氣吹戸主】
古事記に該当神なし、
前述の志那都比古と推定。
【根國底國】
概念的には海底にとどまらず、さらに地底であるとも。
深さではなく地の果て、遥か彼方の意味であるとも。
【戸】
「戸頃」で現代語の「所」となり、
英語の「地点」と「場所」のような関係になる。
成語化の弊害で「所等辺」のような重複用例も見られる。
以下用例。
【衝立槽戸神】
墓標神。転じて岐の神。道祖神。
棺桶を埋葬した場所に衝き立てられた杖の神。
(理解し易くするため船を槽と翻訳表記)
【祓戸大神】
修祓の儀式を行う場所の基点に鎮坐する神。