うっし!こうなったら学校サボって遊びまくるぜ!!
眠すぎますね。
うおおおおォォォォォォオレはなりきんじろうううううううううゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!
オレは今ッ!!!前田と学校サボって牛丼食ってるぜいぃぃぃ!!!イェーアッッッ!!!
「わ、私……牛丼屋で食べるの初めてで……」
前田はメニュー表見ながらそう言ったぜい!!ジァアスティイスゥゥ!!!!
「えマジで!?一度も!?」
「はい……女子だけで入るのって結構気まずくて………」
「そうなのか?オレのクラスの女子達とか行ってたりすんけど?」
妙子とかが女子の友達と行ってたりすんしな!
「え、そうなんですか………………………」
と言うと前田はなんだか気まずそうに俯いた。なんか悲しそうだな?どうしたんだろ?
「ん?どうしたんだ前田?」
「いや…………」
「?」
「私も友達がいたら牛丼屋も入れたりしたのかなって思って…………」
「え………」
コイツ、友達居ないのか…………。
「ならオレがダチコーになってやんよ!」
「えっ」
「牛丼屋、入りたくなったら言えよ!予定空いてたら行ってやるよ!」
「………………はい!」
そうして、オレと前田はダチコーの関係になったぜ!!!
その後!前田は小盛りの牛丼を、オレは特大ジャンボデラックスハイパー死ぬ気モード盛りの牛丼を食べた!そして"余裕"で………そう"余裕"でたいらげた!
前田もたいらげた!
そしてまだ放課後まで余裕があったので色々と商店街を見て回った!
例えば服屋行って服見たりした!
いやさー!前田って結構いろんな服似合ってさー!まるでモデルみたいだったんだわ!ま!オレも負けず劣らず似合ってたけどな!あ、勘違いしないでほしいけど、別に前田に対抗して女装した訳じゃないぞ。ちゃんと"漢"の格好しただけだぞ!
私、前田風華は高校生2年生だ。
今日、たまたま朝寝坊して遅刻したのだけれど、登校中に中年の男の人から声をかけられた。いわゆるナンパだ。そのナンパから男の子が助けてくれた。その男の子は鳴理金次郎と名乗った。
鳴理さんは私と同じく寝坊して来たらしい。そして同じ学校で、しかも同級生。隣のクラスだった。
私はいつも地味な見た目をしている。眼鏡に三つ編みのおさげ、どう見たって地味で陰湿な女子高生そのものだ。なのにナンパされた、なんでだろうか。
私がこの格好をしているのには理由がある。
私は実は女優をやっている。巷では……いや、日本中で結構有名で、前田穂乃果と言う芸名でやっている。
女優の仕事は自分から始めた。子供の頃、テレビで見ていた女優に憧れて劇団に入った。
自分で言うのもなんだけど、私には演劇の才能があったらしい。小5で劇団に入って6年で今の状態に至る。
そんな訳で私は有名人だ。もし本来の格好で巷を歩いたら騒ぎになる。学校なんてもってのほか。
だから私はこの格好をした。何故だかわからないけど、この格好なら全然前田穂乃果だと気づかれない。ただの陰湿な女子高生だ。だからだろうか。私は友達が居ない。いや、違うな。
私は性格が暗い。だから小さい頃から友達はいなかった。だが、別にいい。私は演技で生きていくと決めた。だから友達は多分いなくていいのだろう。
でも、やっぱり欲しいな……友達………。私も友達と一緒に出掛けに行きたい。
そう思っていた時、鳴理さんは「友達になろう」と言ってくれた。正直嬉しかった。こんな私にそんな事を言ってくれるなんて。
でも………
「よし、今このジャックランタン人形取ってやるぜ!!!!うおおおおおおお!!!!」
私達は今ゲームセンターに来ている。「ゲームセンターに行ったことがない」と行ったら鳴理さんは連れて行ってくれた。鳴理さんはクレーンゲームに夢中だ。
「ここをこうして………そんで……」
鳴理さんは優しい。ナンパから助けてくれて、しかもこんなに、みすぼらしい格好の私に友達になろうと言ってくれた。
「あーーー!!!クソッ!しくじった〜〜!!」
「あの、鳴理さん……」
「悪りぃ前田!この人形取れなかった!」
「あ、大丈夫ですよ。取れたらいいなぁって思っただけですし……」
「でも……お前のお金でやったのに……チクショウ!!」
鳴理さんはとても悔しそうだ。なんだろう、なんだか面白い人だなぁ。こんなに悔しがって、裏表がなさそうで………とても良い人そう。いや、多分良い人だ。
「あ、全然気にしないでください!本当に取れたらよかったってだけですし………。…………それより」
「ん?どうした?」
鳴理さんは不思議そうな顔で私をみる。
「鳴理さんは、有名人に会ったらどうしますか?」
「ん?まぁ、そうだなぁ〜。とりまサインとか貰って〜、んで!みんなに自慢するかなぁ〜!」
「…………………………」
「ん?どうしたんだ本当に?」
「もう一つ質問いいですか?」
「お、おう」
「もし、私が………その………前田ほの……いや、なんでもないです……………」
「え、あっ、そうか………」
鳴理さんはまたもや不思議な顔をする。
もしも私が前田穂乃果と言えば、鳴理さんはきっともっと、私と仲良くしてくれるだろう。
だけどそれは単に友達としてではないのかもしれない。
きっと………きっと芸能人だから………有名人だから………"高校生女優"だから仲良くするのだろう……………。
それは絶対に嫌だ。折角出来た友達なのに、そんな理由で仲良くして欲しくない。
だから絶対にバレてはいけない。
それに学校で有名人だとバレたら転校させられてしまう。それも嫌だ。折角出来た友達と離れたくない。
うん!絶対!絶対にバレないぞ!
私はそう意思を堅くした。そうだ。絶対にバレてはいけない。この格好のまま、私は鳴理君ともっと仲良くなるんだ!
「ん?マジでどうしたんだお前?急に覚悟を決めた顔をして………ハッ!そうか!お前もクレーンゲームやりてえんだな!よし!今度はオレの金でやんな!遠慮はいらねえ!仇を取ってくれ!!!」
「え、あ、ええ?」
そして、私はジャックランタン人形をゲットした。
「なんなの………なんなのあの芋女ッ!」
そして私、内田徹子は日課の鳴理君のストーキング中、鳴理君が変な芋女と遊んでいるのを観察していたのだった…………。
リボーンって面白いですよね。




