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15話

視点 茅野 雫

 私は今、とても気分が悪い。

 体調が悪いとか、そういう意味ではなく、単に今の状況があまりにも良くないため、精神的に悪いという意味だ。

 理由は周りにいるこのボディーガードだ。

 天上君や陽毬ちゃんが声をかけてきただけで、私を狙っているだとかやりすぎた理由を付けて追い払う、そんなことがあると、流石に精神が疲弊などをしてしまう。

 現に今も、


「彼女に近づくな。近づいた場合は不審者と見なして捕らえる」

「ふ、不審者とは、私はシズクと帰りたいだけなのですけど⁉︎」


 ボディーガードが私の友達、アリアちゃんとが激しい戦闘中だ。


「や、やめてください!」


 私はこの人達の激突に割り込む。


「こ、ここまでしないでください」

「貴女も分からない人なようだ。貴女が今は危険な状態であるということは、貴女自身が一番知っている筈だ」

「け、けど」

「……これは貴女のためであるということを十分承知してほしい」


 その男は眉間にシワを作りながら私にそう言う。


「……わーかーりーまーしーたー。シズク、ことが済んだら一緒に帰りましょう」


 アリアちゃんはそう脱力しながら言うと、この場から去っていった。


 その後、私達は帰路に立ち夕方の空を下に歩いていく。

 勿論、ボディーガードも一緒だ。

 周りの目はかなり冷たく、私達を避けている。


「はぁ」


 ついそんなため息をついてしまう。

 そんな感じで何分も歩いていると、


「止まれ」


 ボディーガードの1人がそう言う。

 私は言われた通りに動きを止めると、


「おかしい」

「何がですか?」


 私は周りに目をキョロキョロと動かしているその人にそう聞く。


「人がいなさすぎる。こ、これはまさか、皆、気を張れ! 人避けの結界だ!」


 結界⁉︎ そんなものが何故⁉︎


 周りの4人のボディーガードは剣を抜き、私を背に構え、私を360度守護をする。

 私もいざという時のために『ソウル・リリース』を使えるように準備をする。


「グァッ!」


 突如として私の左側を守っていたボディーガードの右腕が吹き飛んだ。

 吹き飛んだ腕の血が、私の顔に飛来する。


「だ、大丈夫か⁉︎」

「どこからの攻撃だ⁉︎」

「落ち着け、よく周りに目を凝らして」


 そして、話していたもう1人の男の人の下半身が吹き飛ぶ。


「ぬぁぁぁ!」


 私は何も考えられずにただ唖然としてしまっている。

  一体どこから攻撃して、私を狙っているのか、恐怖の旋律が常に私の中に鳴り響く。

 

 さらに、


「グァァァ! あ、足ガァ!」

「アァァァ! な、何も見えない!」


 他の2人の人達の足や目も吹き飛ぶ。

 私はその光景を見て、小刻みに震え、只々その光景を見ていることしかできない。


「ウァッ⁉︎」


 そしてとうとう、1人の体が吹き飛んだ。

 跡形もなく、ただ血を周りに吹き飛ばし、消えた。


「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」


 とうとう私は喉が裂けるほどの声を出す。

 それを合図に、周りの人達も次々と吹き飛んでいく。


「い、いやぁ……あぁ」


 私の頬には、涙が既に道を使っている。

 血だらけの地面に座り込み、口を押さえる。


 私……1人だ……


 すると誰も通らない道を複数人の人達が血溜まりを踏みながら歩いてきた。人数は約10人程。

 その中の、フードを被った人が、クシャクシャの私の顔を覗き込み、ニヤッと白い歯を見せニヤつく。


「迎えにきた」


 唾が入った不気味な声で、何も考えられない私にそう言った。

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