76.国王に鉄拳制裁
悪魔の居城にて。
大悪魔となった国王が、俺の眼下で、尻餅をついている。
「う、うわぁああああああああ!」
国王は死体となった悪魔達に手を向ける。
こいつの持っている生ける屍を作る能力を応用したのか、悪魔の部位たちが合体。
巨大な悪魔の腕となって、俺に殴りかかろうとする。
「ふぅ……」
俺は神の手を発動。
握った右手で、悪魔の腕を殴り飛ばす。
パンッ……! とまるで風船が潰れるような音とともに悪魔が消し飛ぶ。
「もう終わりか?」
「ひぎぃいいいいいいい!」
どうやらもう終わりみたいだ。
「なぁ、国王。この神の手ってやつは、生き物の傷を癒す力がある一方で、魔なる者を討ち滅ぼす力があるんだってよ」
「だ、だから……?」
「今からおまえをこの拳で殴る。あんたが心まで魔の物になっていないなら、効果はないはずだ」
俺は神の手を発動させた拳で、国王の右頬を殴りつける。
「うぎゃぁあああああああああ!」
じゅぅう……! と湯気を発しながら、国王の頬が溶けていく。
「痛い……痛いよぉ……」
「やっぱり、あんたは身も心も悪魔になっちまってたんだな」
俺は国王に拳を振るう。
左頬、ボディ、腕……。
俺の手が触れるたび、国王の体はジュウジュウと音を立てて溶け落ちていく。
「痛い痛い痛いぃいいいい! もうやめてくれぇええええええ!」
国王は膝をつき、体を丸めて頭を下げる。
「おまえを追放したことは謝罪する! すまなかった! だから怒りを収めてくれ! たのむぅううう!」
俺は……心底呆れてしまった。
「あんた……そんなことで、俺が怒っているとでも思っているのか?」
「ち、ちがうのか……? だから、報復にきたのかと……?」
「……あんた、誰の声も聞こえていないんだな」
思えば俺が宮仕えしているときから、こいつはそうだった。
俺の言葉に耳を傾けず、俺が出て行った後も、獣たちの声なき声に耳を傾けず。
その結果、自業自得で国を滅ぼしたやつだった。
「前にも言ったはずだぞ? 俺は、他者の命を自分の都合で弄ぶやつが……一番許せないってな」
感情の高ぶりに呼応するように、右の神の手が、強く輝き出す。
国王を一撃で倒せなかったのは、それだけ強い悪魔だったってことだ。
それを倒すためには、より強力な聖なる力が必要となる。
「や、やめてくれぇえええ! そんなので殴られたら! わしは死んでしまうじゃないかぁあああああああ!」
青い顔をして震えながら、何度も国王が頭を下げる。
「わ、わしは誰かの命を理不尽に弄んでなんぞいないぞ! 獣は人間の道具だし、氷竜はわしらに仇なす敵だった! 鬼だって竜だってそうだろぉ! ほら! わしが手を下したのは人間以外の命だけじゃないかぁ!」
……ああ、もう駄目だ。
こいつは人間以外の全存在を、見下している。
それ以外の命なんて、どうでも良いと思っているんだ。
「ふざけんな……人も竜も鬼も魔物も、みんな平等な命なんだよ!」
ゴォオ……! と神の手がさらに強く光り輝く。
「穏やかに暮らしている彼らの命を理不尽に奪う権利なんて、この世界の誰にもない」
まばゆい光は収束し、俺の右手に収まる。
すると俺の右手には、光を凝縮して作られた、籠手がはめられていた。
「やめてくれぇえ! お願いだ! 反省する! 反省するから! 頼む! 命だけは! 命だけはぁ!」
「命を粗末にするやつの命なんて、救う価値もない」
俺は拳を振り上げ、神の光を凝縮した一撃を、悪魔王となった国王に振りおろす。
「いやだやめてごめんなさいジーク様すみませんでしたもう二度と逆らいませんからお願いしますおねg」
拳が国王の土手っ腹に突き刺さる。
光の爆発が起きると、悪魔王となっていた国王の体がボロボロに崩れていく。
「うぎゃぁあああああああああああああああああああ!」
魔を滅する光を、凄まじい量その身に受けた悪魔王は……塵となって消えた。
「反省なら、地獄でするんだな。悪魔らしく」
ふぅ、と俺は吐息をつく。
右手の籠手が解除されて、ただの右手に戻る。
鬼の精鋭部隊と、屍竜にされていた竜達が、俺の元へ駆け寄ってくる。
「す、すごい! 封印されていた悪魔王を倒すだなんて!」
「さすがは魔王様! 素晴らしいお力です!」
「ありがとう! 我らを救ってくださり、ありがとう!」
☆
一方、ジークによってその身を滅ぼされた国王の魂はというと。
『こ、ここは……? どこだ……?』
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