43.魔族の大軍を相手にチート剣で無双する
数日後、飛竜からの連絡が入った。
『魔族の大軍が攻めてきたっす!』
俺は現場へと急行すると、森の奥から、魔族がぞろぞろと歩いてこちらにやってきた。
「なんだおまえら! ここに何しに来た?」
大軍の中心にいた、人間サイズのタコが、俺を見上げていう。
「ふぇふぇふぇ、貴様がこの森の守護者かぁ~?」
害意を持った敵に限って、転移や飛行魔法を使えなくする結界を、国の周辺に張ってあるのだ。
「わしは【オクターン】。子爵級魔族じゃあ。こやつらはわしの部下で、全員が男爵級の魔族達じゃ」
海産物っぽい魔族達が、うじゃうじゃといやがる。
「この国に何のようだ?」
「そこには手負いの神竜の妃がいると聞いてのぉ~。そやつを生け捕りにして、神竜王の首をいただくという寸法よ~」
オクターンが邪悪に笑う。
「神竜王の肉は食えば不老長寿が手に入ると聞く。魔王様に献上すれば、さぞお喜びになるだろう~」
「……おまえらが最低最悪なのはわかった」
俺は、霧氷錬金で、氷の剣を作る。
「警告する。大人しくここから立ち去るなら命は取らない」
「ぷっ……! ぷぎゃはははは! き、聞いたか皆の衆ぅ~。人間の分際で、われらに警告なんてしてきてるぞ~。なんて身の程知らずなのだ!」
ゲラゲラと魔族達が笑っている。
「もう一度言う。俺は無益な殺生は嫌いだ。だが他者の命を理不尽に奪うヤツには容赦しない。帰れタコ」
「……図に乗るなよ、劣等種がぁ!」
バッ! とオクターンが懐から杖を取り出し、俺に向ける。
「者ども! 魔法を一斉掃射!」
魔族達が、上空にいる俺めがけて魔法を放ってくる。
どれも上級魔法だ。
火の玉、風の刃、雷の剣等々。
「ひゃははぁ! 人間のくせに調子乗るから死ぬのだぁ!」
俺はスキルで作った氷の剣を、横に一閃させた。
それだけで、空中の魔法攻撃たちが凍り付き、真っ二つになったあと、粉々に砕け散った。
「そ、そんなバカなぁあああああ!?」
オクターンが驚愕の表情を浮かべる。
「あ、ありえん! ま、魔法を斬っただと!? そんな神業、今まで見たことがない!」
「この氷の剣は、あらゆるものを凍らせ切断できる。いくら魔法を打ち込んでも無駄だ」
霧氷錬金で作れる道具は、スキル使用者のポテンシャルによって性能が変化する。
俺の力を最大限こめて作った氷の剣は、全てを氷結させる最強の剣になったのだ。
「くそっ! ま、魔法が駄目なら武器攻撃だ!」
魔族達が矢、鎖つきブーメラン、鉄球などを、上空の俺めがけて飛ばしてくる。
だが俺のすることは変わらない。
氷の剣を振ると、全てを氷結させ、粉砕する。
「バカなバカなバカなぁ……! このわしが【不壊】の付与魔法をかけた武器が、なぜ易々と壊れるのだぁ!?」
「言ったろ。この剣は全てを凍らせ、クッキーみたいに簡単に砕くって。学習能力のないタコだな」
ビキッ……! とオクターンが額に血管を浮かばせる。
「もういい! 者ども! いっせいにかかれぇ~!」
翼を広げ、飛びかかってくるもの。
地上から、攻撃してくるもの。
……俺は氷の剣に魔力を込めて、体を回転させるようにして斬る。
ごぉ……! と凄まじい寒波が森中に広がる。
「ば……かな……【絶対零度棺】……氷の極大魔法を……無詠唱で……だと……?」
オクターン以外は全員凍り付いたのちに、砕け散った。
こいつは魔法防御力が高いらしいな。
「剣の一振りが……極大魔法の威力を持つとは……なんて、規格外の……魔剣だ……」
『それを作り出す兄貴ちょーすげー!』
飛竜から降り立ち、俺はオクターンのもとへやってくる。
「ひ、ひぃいいいい! く、来るなァ! 来るなぁああああ……!!!」
氷漬けになった状態で、メチャクチャに魔法を放ってくる。
だが俺は氷の剣で切り伏せ、タコの眉間に刃を突き刺す。
「ば……かな。百層の……魔法障壁を……容易く貫通させる……なんて……化け物、め……」
ガキンッ! とタコの体は内側から凍り付き、粉々に砕け散った。
『すっげー! 魔族の大群をひとりで瞬殺しちまったー! ほんとすげーっす~!』
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