04.オーガとの戦闘
「国外追放ってマジかよ……はぁ……」
俺は地竜のちーちゃんの背中に乗って、国の外にある森の中を、さまよっていた。
「死んだ親父もおふくろも、天国で怒ってるだろうなぁ……」
ベタリナリ家は長男の俺と妹がいるだけだ。
両親は数年前に死んでしまっている。
妹は魔法学校を卒業後、家を出て一人暮らしをしている。
出て行った後一度も実家に顔を出してないので、嫌われてしまっているのだろうなぁ。『兄さんのことなんて全然好きじゃないんですからね』って常日頃から言ってたしな。
「こういうとき身を寄せる先のない独り身はさみしいぜ……」
「ぐわー! ぐわー!」
ちーちゃんが抗議の声を上げる。
「ああ、すまん。おまえがいたな。よしよし、ふたりでこれからも頑張ろうぜ」
「ぐわー!」
とはいえ、だ。
これからどうすればいいだろう。
「別の国で雇ってもらうか? でも……そんな都合良く獣ノ医師を雇ってくれるとこなんてあるかな」
「きゅー……」
「ま、クヨクヨしてても仕方ねえな」
と、森のなかを歩いていた、そのときだった。
「きゃー……!」
どこかから女性の悲鳴が聞こえた。
「ちーちゃん、声のした方へ!」
「ぐわー!」
ドドドッ! と地竜が高速で走り出す。
馬なんて比じゃない速さだ。
木々の間を抜けると、開けた場所に到着する。
「オーガか」
人の倍以上の体を持つ大鬼だ。
それが10体いて、女性を襲おうとしている。
「グガガァアアアアアアア!」
オーガの一体が手に持った棍棒で、女性に殴りかかろうとする。
「よっと」
俺は地竜の背を蹴って、オーガめがけて跳び蹴りを食らわせる。
「え?」「ぐが……?」
オーガは俺に蹴飛ばされて、凄まじい速さで吹っ飛んでいく。
「おまえら、この人に何の恨みがある?」
「ぐ、グガァアアアアアアア!」
オーガは魔獣の一種、魔王に自由意志を奪われている。
管理術を使えば言うことを聞くようになる……が、時間をかけてやる物だ。
「仕方ない、悪く思うなよ」
オーガ達は俺をめがけて駆け寄ってくる。
俺は右手を彼らに向けて、獣ノ医師としての力を発動させる。
「【麻痺】」
魔法陣が展開。
周囲に電流が走ると、オーガ9体がいっせいに体を硬直させる。
「【眠り】」
魔法陣が展開し、そこから白い煙が発生。
動けなくなったオーガ達は、その煙を吸うと、バタン……! と倒れる。
「ふぅ……大丈夫か?」
腰を抜かしている女性の元へ向かう。
十代半ばくらいだろうか。
メイドのようなエプロンの上から、軽鎧を来ている。
よく見ると頭から猫の耳を生やしていた。
「お、オーガはBランクと聞きます。10体を、一瞬で倒すなんて……著名な冒険者のかたですか?」
「え、ただの獣ノ医師だけど……」
「医師? 医師なのですか、あなたは。でも、どうしてこんなにも強いのです?」
「そうか? 普通じゃないか」
魔獣相手に治療することもあるので、昔から体は鍛えていた。
麻痺や眠りは手術に使う物を応用したものだ。
「すごい……やはりあなた様は、ウワサ通りの凄いお人です!」
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