表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

234/241

234.



 ジャマーとの最後の戦い。

 空中要塞に乗り込んだ俺たちの前に立ち塞がるのは、ジャマーが作った人造生命体。


 魔獣たちがそれらの相手をしてくれる隙に、俺は要塞の内部へと進入する。


「ジーク、ジャマーの居場所は見当がついてるの?」

「ああ、だいたいな」


 俺は要塞の壁に手をついて、とんとん……と壁を叩く。

 打診法。


 叩いたときの反応や、反響音で、体内の異常を調べる方法。

 そこに神の手が加わることで、生物だけでなく、こうした無機物の内部構造も瞬時に把握できる。


 ようは、生命を探知できるのだ。


「最奥部に、でかい生命反応がある。多分それがジャマーの秘蔵っ子だろう。となると、近くにジャマーがいる」


 ……それにおそらくは、その秘蔵っ子とやらを守るため……。

 と、そのときである。


 どがんっ……!


『わわわ! なにごとー!?』

『じーく、うえ!』


 ハクとシアが上を見やる。

 そこから現れたのは……。


 親父、グリシャ・ベタリナリだった。


「……親父」

「ジーク、やはり来たか」


 どうやらジャマーに命じられて、俺の足止めに来たようだな。

 

「ジーク。できる? グリシャと戦うこと」


 ちーちゃんが覚悟を問うてくる。

 親父。


 俺を、育ててくれた大事な人。

 一度目の戦いでは、動揺してしまい、まともに向き合うことが出来なかった。


 ……でも、今は違う。

 俺のせいでたくさんの命を失うところだった。


 俺の判断の遅れが、大惨事を引き起こすところだった。


「親父……」


 俺は、決めたのだ。

 この手で全ての命あるものたちを、助けると。


 そして……。


「俺は、あんたと戦うよ。邪魔するならぶっ飛ばす」

「そうか……」

「ああ、そんで……あんた【も】、救ってみせる!」

「!」


 俺は全ての命を救うといった。

 それは、親父も含まれている。


「俺は決めたんだ。大切な命は、俺が守るって! 親父、あんたもそこに入ってるんだ!」


 大勢の命か、親父の命か。

 どちらかを選べと言われ、俺は全てと答える。


 この世界にある、生きとし生けるもの、すべてを救う医師……。


「それが、ジーク・ベタリナリだからだ!」


 俺の啖呵に、親父が目を細める……。

 そしてうなずいて、構える。


「今のおれは、ジャマーの傀儡だ。命令には絶対服従だ。だから、手加減はせぬぞ」

「わかってる。かかってこい、親父! 最初で最後の……親子げんかだ!」


 今まで俺は親父と、殴り合いのケンカなんて一度もしてこなかった。

 これが最初で、最後だ。


「いくぞジーク!」

「ああ! こい!」


 ダンッ、と俺たちは地面を蹴る。

 そして、拳がぶつかり合う……。


『最終進化が始まっております。進行具合40%……』

【★あとがき】

なろうで連載中の有名VTuberの兄、書籍版がいよいよ発売されます!


11/15にGA文庫から発売!


予約始まってます!


よろしくお願いします!


https://www.sbcr.jp/product/4815619374/


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★1巻11/15発売★



https://26847.mitemin.net/i778881/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ