222.
ちーちゃんは、襲撃してきたマケーヌと戦っている。
ばきっ!
どがっ!
「くっそ! 気持ち悪いのよ、その黒い鎧!」
ちーちゃんは主に打撃と足で攻撃してる。
攻撃を当てようとするも、黒い鎧がそれをはばんでくる。
しかも、その鎧はちーちゃんが攻撃を受ける瞬間、うぞぞぞと動いて、打撃ポイントに集中するのだ。
そして攻撃を防ぐと、元の場所へと戻っていく。
「どうだい? これがボクの【液体金属】鎧」
「液体金属……ですって?」
「ああ。この鎧は流動体なのさ。思った通り形を変えることができる。こんな風にね!」
マケーヌが手を伸ばす。
腕の鎧が変形し、黒い剣に変わる。
たんっ! とマケーヌが接近すると、剣で攻撃をしてきた。
ちーちゃんは紙一重でジャンプして躱す。
だが、剣の腹の部分がやりのように伸びて、ちーちゃんの大腿部をかすめる。
「ぐっ!」
ちーちゃんが空中で翻って、着地する。
だいぶ深く太ももに傷を負ってしまった。
「なんなの……こっちの攻撃はきかない……相手は、変幻自在の攻撃をしてくるなんて……厄介な相手すぎるわ」
「ぎゃははは! どうだぁトカゲ女ぁ! おとなしくボクに殺される気になったかーい?」
……おとなしく殺される、だと?
「バカ言わないで」
ぱき……ぱき……とちーちゃんの体が、変化していく。
人間のフォルムはそのままに、竜の鱗が手や足に集約していく。
「竜化……いや、違う。体のサイズはかえず、竜の力のみを凝縮、顕現してるのかな……?」
竜の鎧に包まれた、ちーちゃんがそこにはいた。
「死ぬわけにはいかないわ! あたしには……ジークとの約束があるんだから!」