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209/241

209.



 神竜王エルロンの頼みで、俺は竜王国スカイ・フォシワへと、往診に行くことになった。

 

 その日、魔王国にて。

 出発する俺のことを、みんなが見送りにきてくれた。


「うう~……あたしも空を飛べれば、ついてくのに~」


 地竜のちーちゃんが、人間姿で言う。

 褐色肌に赤い髪の毛が特徴的な、美少女だ。


「……たとえ飛べたとしても、竜王国へは、部外者は入れませんよ、ちーちゃん」


 義妹のチノが、ため息交じりに言う。

 青みがかった銀髪が特徴的な、俺のかわいい妹だ。


「悪いなみんな。留守は、任せた」


 こくん、とちーちゃんとチノがうなずく。


「……イレイナさんと私で、国は十分回せていけますので、こちらのことはご心配なく」


 イレイナとは先代魔王の娘のこと。 

 その子も優秀であり、チノとあわせて、この国にかかせない人材だ。


「……それとその、兄さん……その」

「お? なんだ?」

「……や、やっぱりなんでもないです」


 もじもじしながら、チノが言う。 

 ちーちゃんがその様子を見て、あきれたようにため息をつくと、チノをぐいっとおしていう。


「ジーク、チノはね、あんたが帰ってきたら、言いたいことがあるんだってさ」

「俺に? 言いたいこと?」

「そう。で、あたしからも言いたいことあるから、ちゃんと帰ってきてよね、無事に」


 ふぅむ……なんだろうか。

 二人が俺に言いたいこと……?

 ううーん……。


 ま、帰ってきてから聞けばいいか。


「OK。じゃあな、二人とも。国のことは任せるわ」


 側で待機していた、神竜王の部下の竜の背に、俺は乗る。

 

『いってくりゅー!』

「あれ? ちび竜、あんたもいくの?」


 シアが竜の姿になって、俺の頭の上にのっかる。


『うん! さとがえり!』

「……シアも神竜の一匹ですからね。竜王国スカイ・フォシワへは入れるのです」

「ぐぬぬ~……いいなぁ……」


 とまあ、何はともあれ。

 俺はシア、エルロンとともに、竜王国スカイ・フォシワへと向かうのだった。


 魔王である俺が、国を離れるのはちょいと心配だったけど……。

 まあ、大丈夫だな。チノたちいるし。


 それに念のための【保険】も、残しといたし。

 まあ、大丈夫だろう。絶対何も起きないな、うん。

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★1巻11/15発売★



https://26847.mitemin.net/i778881/
― 新着の感想 ―
[一言] フラグ建築士(笑) 何かは起きる
[良い点] これは絶対何か起きてしまうフラグやないか……
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