205.
遅くなって大変申し訳ありませんでした。
※書籍・漫画版とかなり設定が違うとこがあります。
特に、
妹の名前はチノ(書籍だとミント)、
獣人姫はハク(書籍だとティー)となってます。
俺の名前はジーク・ベタリナリ。
どこにでもいる、獣ノ医師……だった。
宮廷に勤めていたのだが、ある日、無駄だと言われて追放処分を食らう。
そして森の中で救った、神獣の子ハクに導かれて、獣人国ネログーマへと向かう。
そこでいろんなことがあり、最終的に俺は二代目の魔王を就任。
なんやかんやあって、俺の右手には神の力が宿り、それを使って色んなやつを直し、そして色んなやつをぶっ飛ばしてきた。
……そんで、今、俺には一個の問題が持ち上がっていた。
結婚……という問題が。
★
神獣ハクの母ちゃんに、結婚的なものはいつなのかーって、言われたあくる日。
俺は魔王国にある、牧場にいた。
「ふぅうううむ……」
「おや、どうしたんだい、魔王様?」
牧場のおっちゃんが俺に話しかけてきた。
この人は、俺がゲータ・ニィガ王国で宮廷獣医やっていた頃からの、知り合いの農家さんである。
考え事があると、俺は魔王城をでて、こうして診察にやってくる。
牛の採血し、皆健康である事を確認したあと、一息ついていた。
「いやさぁ、結婚どうしようかなぁって」
「へえ……! 結婚! そりゃお祝いしなきゃだなぁ!」
「あ、いや。まだ先よ、先」
「とはいっても、魔王様ももう結構な歳だろう?」
け、結構な歳って……。
俺まだ20代なんだが……。
「おれは10代で結婚してるし、農家は割と結婚がはやいぞぉ?」
「そ、そうなん?」
「おうよ。15で成人して、直ぐ結婚なんてざらだし。むしろ20で結婚してない魔王様は、ちょいと遅れてるっていえるぜ?」
が、がーん!
そんな……俺……遅れてるのか……。
「先生に結婚の意思、というか、相手はいるんかい?」
相手。
いちおう、いるっちゃいる。
「ああ」
「ほぉ! どんな子だい!?」
「地竜」
「ち、ちりゅう!?」
「と、妹」
「妹ぉおお……!?」
今んとこ、その二人なんだよなぁ。
俺もちーちゃんも、チノのことも、嫌いじゃあないし……。
すると農家のおっちゃんが、ぽん……と俺の肩を叩く。
「魔王様、その……ちゃんと考えたほうがいいぞ。結婚相手」
「だよなぁ~……って、ん? どうしたのおっちゃん、額に汗かいてっけど?」
ぽんぽん、とおっちゃんが何度も肩を叩く。
「なんでもねえ。でも、結婚は一生のもんだからさ。よーく、相手をどうするかは、考えてやんな」
そりゃそうだ。
どうするかなぁ。