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203/241

203.洪水と土砂崩れ

【★お知らせ】

書籍版、発売しました!

モンスターノベル様から、好評発売中です!


コミカライズもします!




 夏の終わりのある日のこと。


 大雨の降った日、俺は飛竜にのって、山間部へとやってきた。


 俺がいるのは、獣人国ネログーマ。

 自然豊かな国。

 水も緑も豊富にある。


 だが川があちこち流れているせいで、こういう大雨の日とかは、氾濫することがおおい。


「おーい、大丈夫か!」

「あ! 魔王様!」


 魔族の一人が俺に気付いて声を張り上げる。


 そう……俺は一応魔王をやっている。

 病床にいた前魔王を治したことで、その役を引き継いだのだ。


 今では魔族だけでなく、魔獣も、獣人も、みんなが楽しく暮らせる国作りをしている。


「悪い、遅れたな」

「いえ! 魔王様、ありがとうございます! あちらです!」


 魔族につれられ、やってきたのは……幅広い川だ。


 穏やかな流れも今は、濁流に飲まれている。


「この大雨のせいで川が氾濫し、橋も崩れてしまいました……!」


 対岸へ架かる橋が真ん中で壊れている。


「それに……」


「きゃー! たすけてー!」


 子供が川の真ん中でひとり、取り残されている。


 魔法で作った土の柱の上で震えていた。


「助けようにもこの急流では……」


「魔王様、大変です!」


 そこへ鳥の魔族が、空を飛んでやってきた。


「今度はどうした?」


「土砂崩れが起きて、多くの民が下敷きになっております!」


 土砂崩れに川の氾濫。

 悪いことは重なるものだ。


「魔王様、いかがいたしましょう……!」

「大丈夫だ。まかせな」


 俺は飛竜の背にのって、空へと登る。


『兄貴! たのんます! 見せてください……神の奇跡ってやつを!』


 ワイバーンが声を弾ませる。

 彼らは俺と付き合いが長いからな、おれがどんな力を持っているのか、これからどうなるか、わかるのだろう。


「別に神って訳じゃないが……神の力、有効活用させてもらうぜ」


 俺は右手を高く掲げる。


 そして……能力を発動させた。


 その瞬間……。

 まばゆい光が右手から発生する。


 それはともすれば、太陽の光と間違える人が居てもおかしくない。


 まばゆい光は、分厚い雨雲を消していく。

 光に触れた部分は、あるべき姿へと戻っていく。


 雲に覆われた空は、何もない大空へ。


 溢れかえった川は、穏やかな流れに。


 そして崩れた山の緑と、押しつぶされた人たち。


 光に触れたものは、すべて……回帰する。


『さっすが兄貴の神の手! 世界最高の治癒術の威力は、はんぱねーっす!』


「毎回思うけど、これ治癒術のレベル超えてるよなぁ」


 まあそれのおかげで、たくさんの人の命が助かるんだ。


 この力の正体とかどうでもいい。


「「「うぉおおお! さすが魔王様ぁああああああああ!」」」


 川で溺れかけた子供は助かり、折れた橋も元通り。


 この手があれば全て元通りなのだ。


「ノーリスクでこれ使えるのほんとやばいよな……」


 そもそもこの力って何なのだろうか……?


 ……ま、それはいいか、どうでも。


 俺はみんなの笑顔が見れれば、それでいいんだ。

【※読者の皆様へ】


この度、宮廷獣医、ネット小説大賞様にて、期間中受賞させていただきました!


改題・改稿を加えて、モンスターノベル様から、好評発売中です!


めちゃくちゃがんばって書きました!

特に獣人スローライフものは、僕のデビュー作と同じ題材です!


作家デビューから約三年で、どこまで成長したのか、ぜひお手に取ってみてくださるとうれしいです!


【作品URL】

https://gaugau.futabanet.jp/list/work/60ebb4277765619176000000/novels/1?utm_source=twitter.com&utm_medium=referral&utm_campaign=bot




挿絵(By みてみん)



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★1巻11/15発売★



https://26847.mitemin.net/i778881/
― 新着の感想 ―
[気になる点] 付き合いが長いワイバーンは存在進化してワイバーンじゃなくなってる気がする
[良い点] 書籍化おめでとうございます! これからも頑張ってください! 応援しています!!
[気になる点] ですか?
感想一覧
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