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201/241

201.ジャマー、次なる計画へ


 魔王ジークが、深淵に潜む泥の王を撃破した、一方その頃。


「信じられん……まさか、泥の王すらやられるとは……くそ!」


 元魔王軍指揮官ジャマーは、大穴の最奥部にいた。


「またひとつ、計画を潰された……おのれ、魔王! どこまでわしの邪魔をすれば気が済むのだ……!」


 泥の王をそそのかし、地上の制圧を企んでいたのだ。


 しかしそれをジークがふらっと現れて、計画の要となる泥の王を瞬殺した。


「なんと恐ろしい力……いや、右手か。なんだ、なんなのだ、あの規格外の魔手は。どういう原理なのだ……?」


 あらゆる悪を滅し、穢れを祓うその手は、まさしく神の手にふさわしいもの。


「神に挑むことは愚かなことなのか……否、断じて否である!」


 ジャマーの目に、闘志が宿る。

 それは仇敵である魔王への、明確なる敵意と殺意だ。


「泥の王から採取したデータと細胞。此を使い、新たなる実験体を作るのだ……!」


 奈落の底で、ジャマーは高らかに嗤う。


「待っていろジーク……! 次はわし自らが、最強の軍団を作り、貴様を必ずや討ち滅ぼしてくれる……!」


 と、そのときだった。


 カッ……! と上空から、聖なる光が降り注ぐ。


 それはジークが、地上から大穴の浄化のために、神魔の右手を使った証だった。


「うぎゃぁああああああああああ!」


 ジュッ……! とジャマーの肌が焼ける。

「くそぉおおおお! 覚えてろジークうぅうううううううううううう!」


 まばゆい光に包まれながら、ジャマーの叫び声は、いつまでも響いていたのだった。

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★1巻11/15発売★



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