184.強すぎてヤバい
黒獣と呼ばれる、大穴からのモンスターを俺はたおした。
「し、信じられん……あの黒獣を一撃でなんて……おぬし、何者なんだに?」
町中にて。
エナのおじさんが俺に尋ねてくる。
「ただの獣ノ医師だよ」
「いや、いやいやいや! それはオカシイだに! お医者様があんなつよいわけなかろう!」
とは言っても事実なんだが……。
「兄さん、続々と出てきます」
「アタシたちが蹴散らしとくから、ケガ人とかよろしく」
たんっ……とちーちゃんとチノが、穴の方から出てきた黒獣へと向かう。
「そんじゃこっちはこっちのことやるか」
「い、いいのかや!? あんな可憐なお嬢さん達に相手を任せて!」
「ああ、大丈夫だよ。ほら」
チノは氷魔法で、出てきた黒獣達を一瞬で凍らせる。
「とりゃあ!」
ちーちゃんは拳に魔力をためて、地面を叩く。
衝撃波で凍り付いた黒獣が全滅した。
「…………」
呆然とするふたりのドワーフをよそに、俺は俺の仕事をする。
「【ヒール】」
壊れた街、倒れた人たちが、一瞬で元通りになった。
「「「…………」」」
街にいたドワーフたちは、全員があんぐりと口を大きく開いている。
「アタシのおかげで倒せたわね。見ててくれた、ジーク?」
「わたしのおかげですよね、兄さん」
「ふたりのおかげな、あんがと」
「「えへへっ♡」」
さて、一応の騒動は片付いたのだが……。
「えっと、どうしたんだおまえら?」
ドワーフたちがみんな、目を剥いた状態で、俺たちに注目している。
「あんたら……なにもんなんだに……?」
「だから、ただの獣ノ医師と」「その妹と」
「そのペットよ」
「「「ふざけんなぁあああああああ!」」」
どうにも魔王国でのノリでやってしまうので、ちょっとやり過ぎてしまったようだった。
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先日投稿した短編が好評だったので、新連載としてスタートしてます!
■タイトル
陰キャな僕を大嫌いなはずの幼なじみと結婚した結果~実は僕のこと大大大好きだったことが判明。外でクールな高嶺の花だけど、僕にだけデレデレ。女子達が気になって声をかけてくるけどごめん、もう結婚してるんだ
■URL
https://ncode.syosetu.com/n2049gt/
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