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173/241

173.どっちが同じ部屋?



 ドワーフの国までは船で数日かかるとのことだった。


 俺は船室を2部屋予約した。


「なるほど。では兄さんと私が同じ部屋、爬虫類はひとりでってことですね」

「はぁ~~~~!? ふざけるんじゃあないわよ!」


 船室の立ち並ぶ廊下にて。

 ちーちゃんが声を荒らげる。


「兄さんは私と同じ部屋に泊まりたいからそうしたんですよね?」

「いや、普通に男女で別れるつもりで予約したんだが?」


「照れ隠ししてる兄さんも可愛いですっ」


 どうしよう、妹が話を聞いてくれない。


「バカ言ってんじゃないわよ」


 ちーちゃんが俺の腕をつかむ。


「恋人同士で同じ部屋、お子ちゃまは別の部屋ってつもりで予約したのよね?」

「いや違うけど……」


「照れ隠しなんてしなくてもいいわ。わかってるもの」


 どうしよう、相棒の地竜が言うことを聞いてくれない……。


「ふざけてるのはあなたです。我々の邪魔をしないでください。トカゲは空気も読めないんですか?」


「あんたこそアタシたちの邪魔しないでよね。やだやだ、子供ってばほんと身勝手なんだから」


 なんでこの子ら、こんな仲悪いんだろう……?

 付き合いは結構長いはずなのに、一向に仲良くなる気配がない。


「兄さんは誰と同じ部屋になりたいのですのか?」

「アタシよね? 当たり前じゃないね?」


 チノは笑顔のはずなのだが、なぜだろう、周囲から魔力が漏れて、窓ガラスが凍っていく。


 ちーちゃんも笑顔なのだが、拳をギュッと握りしめて、船がぐらぐらと揺れだした。


「あのな二人とも、人目があるんだから、こんなところでケンカしちゃいけないだろ?」

「「誰のせいでケンカしてると思ってるのだよ?」」


 結局揉めに揉めた末に、男女で分かれて寝ることになったのだった。

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★1巻11/15発売★



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