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166/241

166.ジャマー、新たなるたくらみ



 魔王ジークが平和を享受する、一方その頃。


 旧魔王軍指揮官ジャマーは、地下深くにいた。


 そこは地下に広がるダンジョンよりも、なお深い場所にあった。

 

 眼前に広がるのは毒々しい色の汚泥。

 深い場所から発生したガスが、泥の表面に泡を作る。


 見上げると、真っ赤な空がどこまでも広がる。

 地下世界ともいえるその場所は、海も空も汚れていた。


『グォオオオオ……グボォオオオオ……』


 どこからか獣の唸り声が聞こえてくる。

 汚れきった海の下に、ぎらりと光る眼があった。

 1つ、2つ……数えきれない程の目が、怪しげな光を放っている。


「ぐひゃひゃ! そうかそうか、【魔界】の海は心地よいか、超魔人よ……」


 小舟に乗り、海面を覗くのは、指揮官のジャマー。

 彼は不気味にゆがんだ笑みを浮かべながら、海の底に沈んでいるものを見やる。


「まさかこんな地下深くに異界があるとは、あのジークさえも知るまい。ここの空気も水も、超越した魔人を作るのに適している……くくく!」


 地上を追われたジャマーがたどり着いたのが、この深淵に広がる世界。


「ここをわが領土とし、復活の機会をうかがうのだ……待ってろジーク。勝つのはわしだ! くく! あははは!」


 だがジャマーは気づいていなかった。

 深淵を覗くとき、深淵もまた自分を覗いていることを。


 はるか深海の奥から、超魔人以外の、ジャマーを見つめる生物の存在が、いることを。

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★1巻11/15発売★



https://26847.mitemin.net/i778881/
― 新着の感想 ―
[一言] 問題はそんな所に好んで居る存在が 地上の環境に適応出来るかってとこやな
[一言] 我が名はチノ!アークウィザードを生業とし最強魔法氷結魔法を操りし者
[気になる点] 除く ↓ 覗く [一言] 何処かで聞いたことがあるような言い回し?(´・ω・`)
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