表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

153/241

153.魔王子、いらつく



 新生魔王軍の拠点である、無人島。

 ジーク対策で、最高硬度の防御結界が施してあった。


 しかし結界は破られたと報告が入った。


 魔王の間にて、魔王子ルゥザーは耳を疑う。


「ふざ……ふざけるな! 結界が突破されるわけがない! 外の様子を映し出せ!」


「は、はい……!」


 部下の魔族が、通信用の魔水晶をもってきて起動させる。


「なっ!? じ、ジーク……!」


 魔王ジークが、海の上に静かにたたずんでいる。


 結界は力尽くで破壊されている……のではない。


「!? 結界がそもそも消え失せているだと!? バカな! どうなっている!?」


『てめえに答える義理はない』


 魔王とばっちり、目が合った。

 向こうからルゥザーを見ることなど不可能なはずなのである。


『ルゥザー。悪いが今日で潰させてもらう』

「……調子に乗るなよ、人間! たかが結界を破っただけで!」


 ルゥザーは勝ち誇った笑みを浮かべる。


「トラップや部下など、貴様の行く手を阻むものは無数に配備されている。貴様ごときが突破できるほど、この城の守りは薄くないわ!」


『待ってろ。すぐにてめえのところへ行ってやる。覚悟してるんだな』


 ジークは普通に歩いて、まっすぐに、ルゥザーの元へ向かう。


 砂浜に到着した瞬間、ずぉ……! と地面が沈んでいく。


「第一のトラップ蟻地獄! 踏み入れたら最後! 砂の下に沈む!」


 ジークは凄まじいスピードで、砂の中に飲み込まれていった。


「ふはは! 他愛なし!」

『なにがだ?』


 バスンッ! と砂が吹き上がると、ジークが下から這い上がってきた。


「ば、バカな!? どうやって!?」

『俺にトラップが通じると思うな。全部仕掛ける前の状態に戻してしまうからな』


 ジークは右手を光らせながら言う。

 彼の右手は、すべてを元通りにする魔性の手。


『こんなので俺の歩みが止められるわけないだろ』


 ルゥザーは、気づいた。

 手のひらに、びっしょりと汗が浮かんでいたことを。


「くっ! これで終わりと思うなよ!」


 

【※お知らせ】


先日投稿した短編が好評だったので、改稿し、新連載としてスタートしてます!


「俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」


→https://ncode.syosetu.com/n9607gq/


リンクは下に貼ってありますので、そちらからも飛べます!


頑張って更新しますので、こちらもぜひ一度読んでくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★1巻11/15発売★



https://26847.mitemin.net/i778881/
― 新着の感想 ―
[気になる点] 止められる内ないだろ ↓ 止められる分けないだろ [一言] ただの魔王ではないものね〜(´・ω・`)
[一言] 悪役のリサイクルがエグいな 文章もどんどん短くなってるし 無限に投稿できそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ