150.ジャマー、死力を尽くして最凶の魔人を作る
魔王ジークと彼が治める国を攻め、大敗北したジャマー。
ジークに処刑された……はずだったが。
「ぜぇ……! はぁ……! くそぉ! ジークめぇえええええええ!」
ジャマーは身代わりの魔道具を使い、一命を取り留めていた。
この魔道具は自分そっくりの木偶人形を作り、そこに意識を投影して、遠隔操縦が可能というもの。
念には念を、ということで、ジャマーは現場にはせ参じていなかったのである。
「どこまでも……わしの邪魔をしよって……! くそっ! くそがっ! くそがぁああああああ!」
ジャマーの中にあるのは、ジークへの激しい怒りと憎悪だ。
自分が作り上げた、最高傑作【十戒】。
それをことごとく、一度の善戦もなく、倒されてしまった。
「あの忌々しい魔王めぇ! どこまでもわしをこけにしよってぇ! 殺す! 次こそは殺してやるぅうう!」
ジャマーは研究室へと向かう。
操作盤に、今回のジーク、そして魔王国の戦力をデータとして打ち込む。
「見ておれ……! 最強の……否! 最凶の魔人を作り上げてやるぅ! 十戒を超えるやつをだぁ!」
ジャマーはこれまでの人生で、もっとも憎しみを込めて物作りに専念した。
漠然とした強さ、ではなく、確実にジークを殺すことのできる強さを求めた。
「いける……! いけるぞぉ……! どうやら追い詰められわしに秘められし力が覚醒したようじゃあ! これで! どうだぁ……!」
操作盤から出力された情報が、魔道具を動かし、培養カプセルに新たな命を作り上げる。
「さぁ生まれ落ちよ! 対魔王最終兵器よぉおおお!」
【※お知らせ】
先日投稿した短編が好評だったので、改稿し、新連載としてスタートしてます!
「俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」
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