146.蘇った男
俺の元に、竜騎士から敵が攻めてきたと情報が入った。
『一体とんでもないやつがいるっす! 魔王様! へるぷみー!』
『魔王国各所で魔人たちがきてるっす! こっちもやべーっす!』
「了解した。ヤバい方を俺が、残りはみんなに任せる。チノ、ちーちゃん」
「「了解!」」
俺たちは散開し、それぞれ敵のもとへ向かう。
やってきたのは北の外れ。
ここは緑豊かな森があったはず、なのだが……。
「ひでえことしやがる……」
森は死に、大地は腐り、大気は濁っていた。
溶けたものが地面に広がり、汚泥となっている。
「てめえか? やったのは……?」
漆黒の鎧を身にまとった人物が、俺を見やる。
『が、ぎぎ、じ、ジークぅううううううううう!』
鎧男は歓喜するように吠えると、俺に向かって突っ走ってくる。
聖なる結界を張るが、それをぶち破って俺に接近してきた。
がしっ、と左手をつかんでくる。
俺はすぐさま蹴りを敵の腹部にたたき込んだ。
ごうん! と鈍い音とともに、敵が吹っ飛んでいく。
何度か地面をバウンドして、転がっていく。
「……この体を傷つけるか」
掴まれただけで俺の左腕はただれていた。
すぐさま治癒術で元に戻す。
『ジーク……ジークぅ! ずぅっと待ちわびたぞぉ! 今この瞬間をぉおおおおおおおおおお!』
ゆっくりと、鎧男が図体を持ち上げる。
地面に激突した際、ヘルムのパーツが砕け散り……姿が見える。
「おまえは……」
憎悪に燃えるその瞳に、俺は見覚えがあった。
「国王……」
かつて、俺がつかえていた国で、王をやっていた男が、そこにいた。
「ジークぅううううううううう! 貴様を! 貴様を殺すぅううううう!」
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先日投稿した短編が好評だったので、改稿し、新連載としてスタートしてます!
「俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」
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