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142.十戒、魔王国民の脅威に震える



 魔王ジークの国に、十戒のひとりイモータルが攻めてきた。


 不滅、無限に増える分身体。


 だがイモータルの前には、山のような巨大なドラゴンがいた。


『べ、地岩竜ベヒーモス!? SSランクモンスターだとぉ……!?』


 圧倒的な存在感、そして魔力量に、イモータルはがくがくと震える。


『なんで……こんな……古竜が……ここに……?』


 古竜とよばれる最強のドラゴンは、遙かの昔に滅んだと聞く。


 だから、目の前にベヒーモスが居るはずがないのだ。


『アタシのジークの国に、土足で踏み入っているんじゃあないわよ! このクソドブネズミがぁあああああ!』


 地岩竜の叫びは地鳴りを引き起こす。

 立っていられないほどの揺れは、地割れを起こし、イモータル達が奈落へと落ちていく。


『なんつー……ばかげた威力……! くそおっ! 撤退だぁ……!』


 イモータルは他の十戒の魔人とは違い、戦闘に役立つ能力は持たない。

 

 あくまで数で押すだけ。

 だがこの化け物には数なんて関係なかった。


 圧倒的な力で、蹂躙される。


『だがおれっちの数を舐めるなよぉ……! ここで倒されてもなぁ……! 国中に潜んでいるんだよぉ!』


『ふーん、ま、アタシたち竜騎士には関係ないだろうけどね』


『なにぃい!?』


『ご自慢のお仲間が今どうなっているのか、見てるがいいわ』


 イモータルは記憶を共有することができる。

 ほかの街に向かわせた、イモータル達の記憶を見て……言葉を失った。


 燃えるような肌を持つ、巨大な竜が、空を飛び回っていた。


灼炎竜ボルカニック・ドラゴン……だと……!? 古竜が……こんなに!?』


 大空を飛び回るそれらは、古竜の1種灼炎竜。


 その炎は波濤のごとし。

 しかし自らが敵と思わないかぎり、決して燃えることのない魔性なる炎。


 灼炎竜たちが国の空を埋め尽くし、地面を這いずり回る汚いネズミを焼いて殺し回る。


『ふざ……けんな……! まるで古竜のバーゲンセールじゃねえか……! こんなたくさんいるのはオカシイだろぉ!』


 地岩竜は人間の姿へと戻り、腰を抜かすイモータルの前までやってくる。


「アタシたちは魔王より力をもらった、最強の竜騎士団。全員が古竜なのよ」


『ありえん……こんなの、どうやったって勝てるわけが……ない……』


 帰って味方にこのことを伝えなければ……!


「大人しく死になさい」

『は、はん……! バーカ! おれっちはなぁ……! 不滅なんだよぉ……! たとえ1匹殺しても別のところでまだ1匹いる。1匹居たら10匹居ると思え! それがおれっちなんだよぉお!』


 イモータルの長所は数だ。

 いくら殲滅されようと、決してゼロにならない。


 ……だが。


 がしっ、とイモータルは頭を捕まれる。


 振り返ると、そこには、黒い髪をした死神が立っていた。


『ひっ……! ま、魔王ジークぅう! し、しまったぁ! やつの右手は異能を無効化するぅ……!』


「その通り。さよならだ」


 バシュッ……! とイモータルは神魔の右手の効果で、消し飛ばされる。


「じーくぅ!」

『『『あにきぃいいいいいいいい!』』』


 竜騎士達がいっせいに、ジークの元へと集う。


『さっすが兄貴だぜ!』『きたねえネズミもイチコロだ!』『おれたちの魔王様はマジ最強だぜぇ!』


 ジークは仲間達を見回して言う。


「みんな、俺がいない中、ご苦労だった」


『『『わーい! あざーっす!』』』


 

【※お知らせ】


先日投稿した短編が好評だったので、改稿し、新連載としてスタートしてます!


「俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」



→https://ncode.syosetu.com/n9607gq/



リンクは下に貼ってありますので、そちらからも飛べます!


頑張って更新しますので、こちらもぜひ一度読んでくださると嬉しいです!

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★1巻11/15発売★



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