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135.ジャマー、魔王国に狙いを定める



 魔王ジークが、部下達を超パワーアップしている、一方その頃。


 拠点としている無人島にて。

 新生魔王軍の司令官ジャマーは、十戒の2人を招集していた。


『おいおいジャマーさんよぉ、おれらを呼び出していったいどうしたんだぁ?』


『我、多忙、也』


 長身の男、そして小柄な男の2人組だ。


「【アバン】、それに【フリズ】。貴様らには特別任務を与えたい」


『特別任務ぅ?』


「そうだ。貴様らには魔王、そして魔王国を同時に攻撃して欲しいのだ」


 ジャマーの命令に、ふたりは首をかしげる。


『何故、同時、也?』

「魔王が十戒を相手取る間に、魔王国を潰す。さすれば守るべき国と国民を失った魔王は、失意のどん底に落ちるであろう」


『なるほど……片方は魔王をおびき出して時間稼ぎってことか』


「そういうことになる。アバン、魔王の相手を貴様に任せる。フリズは魔王国へ向かって欲しい」


 するとアバンは顔をしかめると、べっ! とつばを吐いた。


『やなこった』

「なっ!? なぜだ!?」


『だーってよぉ。てめえの言い方だと、おれが魔王に勝てないみてねーな言い草だったじゃねーかよぉ』


 ふんっ、とアバンは小馬鹿にした風に鼻を鳴らす。


『聞けば魔王なんて人間のガキってうわさだろ? そいつ相手に時間稼ぎだとぉ? おれの力をなめてるんのか? あぁ?』


「べ、別におまえをなめてるわけじゃない。が、相手は侮っていい相手じゃないのだっ!」


『ケッ……! 天下の新生魔王軍指揮官どのが、人間ごときにビビってるんだろ? あーあ、恥ずかしくないのかねぇ?』


『笑止、也』


 フリズもまた、人間を恐れるジャマーに対して、蔑みの目を向けていた。


「き、貴様らは何もわかっていない! 魔王は我らの予想を凌駕する程強いのだ!」


 現に不壊は倒されている。

 人理を超越し、決して壊れないはずの鎧を、ジークは砕いて見せた。


 ……しかしその現場をこの魔人たちは見ていない。

 ゆえにジークの強さを知らず、ただの人間だと思っている。


 そして人間ごときに恐れをなすジャマーを、アバンもフリズも、蔑んでいるのだ。


『ま、どーしてもっつーなら、命令聞いてやってもいいぜ?』


「ぐ……! この……部下の分際で調子に乗るなよ……!」


『人間にビビってる指揮官様じゃなぁ、言うことは聞けねえなぁ』


『同意、也』


 ぐぬ、とジャマーは歯がみして、にやりと笑って言う。


「なんじゃ貴様ら、そんなに人間に負けるのが怖いのか?」


『………………あ?』


「だってそうだろう! 作戦実行を渋ると言うことは、負ける可能性があるから恐れている! そういうことではないのかぁ!?」


 彼らはビキッ……! と額に血管を浮かばせる。


『……いいぜ、その口車に乗ってやる。いくぞ、フリズ』


『承知、也』


 ふたりはジャマーの元を立ち去る。


「侮るなよ、魔王を、そして魔王の国を」

『ハッ……! ばーか、おれたちが万に一つも負けるわけねーだろ』


『同意、也』


 かくして、あわれな魔人達は、自信満々に、死地へと向かうのだった。

 

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時間がある方はぜひ読んでみてくださいー!

よろしくお願いします!


※タイトル

「俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター〜無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」」


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