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俺の仕事は異世界調査員!  (現在休載中)  作者: みさご
2章:初めての異世界と仲間
18/223

救助活動は難しい

一章は元社畜でフリータースタート。

二章は着任初期で失敗します。

そのため三章が始まるまで暗めの流れが何度かあります。

また初期は設定の為、専門用語が多く出ますが余り気にしないで下さい。

 ミディアに天幕設営を頼んだあと、俺は牢屋へ向った。


 そこでは攫われた娘達が服さえなく縄でつながれていた。辱めを受けたミックスの娘達は更にひどい。


 さぞ辛かったに違いない。としか俺には想像しかできない……


 日本ではあまり報道されないけれど、【反政府勢力が女子校丸ごと女生徒をさらった】そんな報道も国際ニュース等で結構あった。


 ただ、遠い国の話で、俺には現実感がほとんど無かった。同じ時代の同じ地球の出来事だったのに……


 だが、今やっと現実として【()()なくて()(たま)れない】という事がどんな事が分かった……


 しかし、感傷に浸る前に救出が先。


「皆さん、どうか落ち着いて聞いてください。私はアルプ妖魔駆除師で貴方達を救出に来た者です。賊の討伐は完了、救出が遅くなって申し訳ありません。人間の男は怖いと思いますが、どうか指示に従ってください」


「「「「……………」」」」


 人間の男は怖いだろうし、裸のままでは辛いよね。


 俺はなんとか服を探そうとしたが、見つかったのはボロい麻生地のみ。しかたなく人数分に切りわけ、頭を出す切れ目を入れて紐と一緒に渡す。


 生地の中央から頭をだし、生地で体を挟んで腰辺りで紐を結んだだけ。前と後ろは隠れているが横からはとっても危険な感じ。それでも、裸よりはマシ…… と思いたい。


「「「…………」」」

「一時的な間に合わせでして、直ぐに真面な服を探しますので」


 ごめんなさい。何か改善案を考えますのでもう少し我慢してください。取り敢えず、天幕が完成するまでは装甲車の屋根で休んでもらおう。


「それと知っている子がいると助かるのだけど、外にミディアって子が休める天幕を用意中なんだ。完成までは自走車の上で休んでいてほしい。水や食べ物も直ぐに用意するからね」


 ミディアは牢屋へ一度確認にいっている。前から知っている娘もいたらしい。少し緊張が解けた気がする。


 死骸の残る通路だが、とにかく広い外につれだそう。


 死骸をみて怖がると思ったが、逆に安心しているように見える。賊が討伐されたと実感できたので安心したらしい。俺は死骸の方を心配していたが、これがよく言う平和ボケってやつだろうか?


 ついでに、途中で質も状態もよい大きい布生地を発見。恐らく盗品だが、いまは緊急措置って事で頂戴させてもらいます。俺ではダメだったが、ミディアなら今よりまともな服が作れると信じて。



★外に出て


「涼太、天幕はまだ半分位までしか出来てないの。もう少し待ってね」


 助け出した女の子達は、ミディアを見てやっと緊張がとけた。俺もミディアの声を聞いて何かホッとした。


「俺ももう少ししたら手伝うよ。それと天幕を一つ追加しようと思う」


 一つは湯あみ場にするつもりだ。被害を受けた子は当然だが、それ以外の子も身を清めたいと思うんだ。


 取り敢えずは水を張った桶と手ぬぐいを渡す。ついでにレーションとお茶で食事の用意。それと私物の甘いお菓子を提供する。


 完全に助かったと実感してもらうには、食事などの日常的な行動を自由にしてもらい、甘いお菓子やお茶で心をほぐして貰うのが効果的では、との算段。


 だけど手段として合っているかは全く自信がない。なんとなく効果があるかもってだけ。居た堪れないから何か努力した、という逃げなのかもしれない……


 装甲車の上という解放された空間に、敷物と人数分のクッションと食事とデザートを用意。そのあと助けた娘たちを上にあげてゆっくり休んでもらう。


 比較的落ち着いているハーフの子に、なにかあればすぐ呼ぶように頼み、人間の男は近くにいない方が良いと判断して、ミディアの手伝いに向かう。


「ミディア、追加の天幕は湯あみ用だから簡単でいい。2人で手早く組立よう」

「組み立て方は分ったし、あたし1人でも作れるけど?」


「あの子達の服だけど適当に用意したからひどいんだ。早く終わらせてミディアに新しい服を作ってもらいたい。布生地も見つけたし裁縫道具も自由に使っていいから頼めないかな?」


 自分で言うのもなんだが、あれって服と呼べるのかな? 長い袋に首と腕を通せる穴を開けたのよりひどい気がする。


「あれじゃあ出荷前の奴隷だね。怖がられたでしょ? 服はあたしが何とかするよ。湯浴み場はいい案だね、特にミックスの子達には……」


 ミディアがいてくれて助かった。スリットなんか目じゃない露出度。目のやり場さえ困っていた。それにミックスの娘達の事も考えてくれている。


「湯あみか死骸の片付け。どちらを先にするかはミディアに任せるよ」


 一つ目の天幕が完成し、敷物を用意して場所を移ってもらう。湯あみ用の天幕を建てた後、内装はミディアに任せた。そして、俺はそそくさと洞窟に退散。


 桶や樽やスノコ代わりを集めていると、モグに呼ばれた【モグ!】って。


 なんだか癒される呼ばれ方だが、モグのところへ行ってみる。すると、モグは有りがたい事に外に繋がる穴を見つけてくれていた。


 覗いたら外の斜面と繋がっており、多分ゴミ捨て用の穴。大きさも結構あって洞窟の死骸を片付けるのに助かりそう。


「モグはえらいなぁ、すごく助かるよ」

「モグゥ!」


 そんなこんなでモグに手伝ってもらい、湯あみに使えそうな物を運び出していたのだが、大事なところが見え…… ゴホン! 助けた子達が際どい姿で死骸の片付けを手伝ってくれていた。


 何時の間にか日が昇っていたのか……


「ミディア、徹夜させてごめん。服だけで用意してくれたら後は俺が片づけておく。あの子達も片付けはいいから天幕で休む様に伝えておいて、ミディアも装甲車か天幕で仮眠してほしい」


「この程度は平気、それとあの子達は片付けじゃ無いよ。死骸はそのまま捨てる気だったでしょ? 集落によっては略奪が酷くてね、代わりに汚れていい服の間に使えそうな物を回収するんだって」


「もう賊は全員退治したけど? 洞窟に戻って回収するのはまだ怖いのかな?」


「賊を退治したのはあの子達じゃ無いから、略奪品は討伐者の物なの」


「自由に持って帰ればいいさ、俺の報酬は賊が元々持っていたお金でいいよ?」


 ところが、そう簡単にはゆずれなかった。

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