表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

妹は囚われる。

R15描写が苦手な人は読みとばしても大丈夫です。

大臣に対するヘイトを稼ぐための回なので。

「大臣はなんてひどいやつなんだ!」

「このじじい気持ち悪っ!」

これを押さえていれば問題なしです。

「う……」


そこは肌寒く薄暗い地下室でした。


下着姿にされ、腕は鉄の鎖に拘束されています。


目の前には尋問官であろう男が数人。


にやにやしながらこちらを見ています。


寒いし、お兄ちゃん以外に肌を見られてとても不愉快です。


「さぁ、言え!お前が男を匿っていることは知っているんだ!」


数人の男のうち1人が声を張り上げる。


「知りません!そもそも誰を探しているのか分かりません!」


「俺は見たぞ!言い逃れはできない!」


「えっ……ストーカーですか?引きます……」


「こ、こいつ……!」


尋問官はいらついたように歯ぎしりしています。


「可愛い顔して生意気だな。泣かせてやりてぇ」


後ろにいる若い男。


お兄ちゃんと同じぐらいの年でしょうか。


ですが外見も内面もお兄ちゃん以下。


反吐が出ます。


「どんな女もこの鞭で躾をしてやればすぐ喋るさ」


この男、下劣な発言だけに飽き足らず乙女の肌に傷をつけようとしています。


本当に……死ねばいいのに。


「いい声で啼けよ~」


「……」


男が鞭を振り上げた時でした。


「おい!大臣がいらっしゃったぞ!」


この声と同時に、男達はその場に座り込みました。


まるで自分達の主を迎え入れるかのようです。


大臣、と呼ばれてましたが……。


「おやおや、これは随分可愛らしい娘さんだねぇ」


大臣と呼ばれた人は小さなおじいさんでした。


狐のように細い目。


絨毯のような分厚いローブに身を包んでいます。


高い身分であることは分かりました。


「こんにちは。私はセスタリック王国で大臣をしているギベルと言いますぅ」


「……大臣さん」


ねっとりとした語尾。


私の体をなめ回すように見る目。


大臣と言えど下劣な男の1人のようです。


「突然拐ってしまって申し訳ないねぇ。でも君に聞きたいことがあるし、ゆっくり話せるところに招待したんだ」


「……では応接室で良いのでは?地下で脱がされて拘束される意味が分かりません」


「最近は武器を仕込んでいる人もいるのでねぇ。……もっとも今回は私の趣味でもあるけどねぇ」


「……っ!」


大臣が髪を撫でます。


遠慮のない手つき。


お兄ちゃん以外に触られたくないのに……!


「さて話を戻そうか?夕刻、君と一緒にいた男、知ってるよねぇ?」


頭にあの男の人がよぎります。


金色の髪の毛に身に付けていたもの。


そんな人はこの国で多くはいません。


「クリス王子の居場所、知ってるよね?」


やっぱり。


あの男の人は、王子様だったんだ。


だったら。


「……知りません。知っていたとしても教えるわけにはいきません」


少なくともこんな人に教えてやる訳にはいきません。


「……そうですかぁ」


わざとらしく落胆した様子を見せる小男。


でもその顔は醜い笑みを隠せていません。


この大臣は何か企んでいます。


絶対に良くないことを。


「……なら待つしかないねぇ、君の気が変わることをぉ」


「……っ!?」


突然、手枷が紫色に淡く光り始めます。


「あっ……あ!」


何これ……!


力が、抜けていく……。


「君は良い魔力を持っているね。私のために少しもらっていくねぇ」


「な、にを」


「魔力を無理やり吸い出されるのは辛いよねぇ。話したくなったらすぐに教えてねぇ……君達ぃ」


「はっ」


「このお嬢さんが退屈しないようにぃ、しぃっかり相手をしてあげてねぇ」


「かしこまりました……!」


「ではまたねぇ、いひひひひひひ!!」


そういって大臣は部屋から出ていきました。


「さぁ、遊ぼうぜ」


私の回りを再び男達が取り囲みます。


苦しい。


死んじゃう。


お兄ちゃん……助けて……。


ご覧いただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ