仲間の兄妹が思わせぶってくる。
兄妹を見つめる苦労人、フール視点です。
私はフール。
セスタリック王国でサファイアという名前のギルドをしている。
メンバーは私を含め3人という少人数。
だが全員私がスカウトをした精鋭である。
「おはよ」
「フールさん、おはようございます!」
噂をすれば、だ。
我が頼れるギルドメンバーがやってきた。
「随分眠たそうだなヴォルク。夜更かしでもしたのか?」
「寝足りないだけだよ。……寝直したい」
「……どうしたのだ?」
「いや……、ちょっと、朝から疲れてな……刺激的な朝だった」
「しげっ……!?」
刺激的な朝!?
この2人、朝から一体何をしていたのか!?
頬が暑くなるのを感じる。
小説の中でしか読んだことがないことが行われたとでも言うのか!
「お兄ちゃん!」
長い髪の少女はソラ。
おしとやかな雰囲気と見た目。
まさしく清楚な少女である。
そんな彼女は諫めるように声をあげたのだ。
よかった、私の考えすぎか。
2人は兄妹。
ソラは真面目な子だ。
しっかりと否定してくれる。
「そういうことはあんまり人前で言っちゃだめなんだよ……」
「へっ!?」
「違うから!説明すれば長いが違うから!」
願い、叶わず。
頬を染め、体をくねらせるソラと必死に首をふるヴォルク。
分かっていた。
ソラは見た目こそ清楚だが、中身はどうしようもないブラコンである。
むしろ悪いのはこの会話にいつまで経っても慣れない私にある。
……過ち、犯してないよな?
大丈夫だよな?
2人は大切な仲間であり親友だ。
たとえ恋仲であっても受け入れようとも最近は思いつつある。
だがこの2人はそれ以上の関係にいってそうで恐ろしい。
「……きょ、今日は!良い依頼を見つけたんだ!」
気持ちを切り替えよう。
こんなことを考えてしまうのは私がたるんでいるからだ!
「そ、そうだな!」
「フールさん!依頼を教えて下さい!」
真面目に話を聞いてくれようとする。
そうだ今日も3人で頑張っていこう。
「……お兄ちゃん、また後でね」
果たして私のギルドは平穏に活動できるのだろうか……。