見たことのない荒野
掲載日:2019/02/18
さらさらさらと風が吹いている。
風の流れを気にすることなく、人々が歩いていく。
無機質な動脈と静脈が、季節を支配する。
切り捨てられた血管があるのなら、薄汚れた川がそうなのでしょう。
かさかさかさと風に吹かれている。
川の流れを気にすることなく、人々は歩いていく。
Nihilな語りとcoolな所作が、自由を軟禁する。
磔にされた意思があるのなら、焼け野原の大地がそうなのでしょう。
からからからと風に吹かれ、笑っている。
見たことのない荒野を気にすることなく、時間が過ぎていく。
装飾された本能と憧れの荒野が、人々を支配する。
涙に暮れる明日があるのなら、荒野に立ち尽くす今日がそうなのでしょう。
見たことのない荒野に憧れるのなら。
知ることのない永遠を見たいのなら。
海も川も風も思い出になるのなら。
訪れる荒野は語り継がれない。




