相変わらず展開が早すぎる。
帰る途中、よく使う通学路で『HUMAN's』を見かけた。実は何気なく見かけたと俺は言ってるが、これはかなりの重大出来事だ。
見られてはいけない、認識されてはいけないというルールが彼らにはあったはずなんだが……そんな些細なことを気にしてられなくなったのだろうか。
ーどうううううんんん!!!ー
「きゃーー!!!」
な、なんだ!?
爆発音!?しかも近い!!
……お、俺は関係ないからササッと逃げましょうかね
「ニンゲンヨ」
ふと視界が暗くなる。太陽が雲に隠れた訳では無いだろう、現にすぐ後ろに気配を感じる。
「キサマ、ヒトジチトナレ」
カタカタと小刻みに揺れながら後ろを振り返ると、そこにはー
「我は大悪魔、デビルサターン様だァ!!」
俺の2倍もある大きな悪魔が俺を捕まえようと……いやもう捕まっていた。
あ、これ俺終わったな。
「だいじょうぶかぁぁぁあああ!!!」
体を握られひょいと持ち上げられたその時、何故か聞き覚えのある声がした。
「外道め!!貴様『INHUMAN』だな!!『HUMAN's』の名にかけて、貴様を駆逐してやる!!」
思わずその声の方を見てみるとー
あの、クラスで異様に明るいアイツがいた。
「なんだぁ!キサマはぁ!!」
「俺の名はーー!!」
悪魔に問われ、少年は名乗る。
「希望だ!時岡希望!!『HUMAN's』の新入りだぁぁぁあああ!!」
そのまま彼は悪魔に無謀にも飛びかかり、苦戦の中なんとか悪魔に勝ったのだった。
ちゃんちゃん。
とはならず。
「だいじょうぶか!君!……ん?君は見たことがあるね」
さて……厄介なことになったかもしれないぞ……
「あっ君!もしかしてうちのクラスメイトか!?参ったなぁー!ここであったこと喋んないでくれよ!!」
待ってくれ……この流れは多分予想できる……
「いや待て、いいこと考えたぞ?」
俺にとっては悪いことだと思うそれを口に出すんじゃないぞー、出すなよー?
「お前も『HUMAN's』に入らないか!?」
…………………………。
予想の斜め上行ったーー!?