表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盤上の兵たちは最強を誇るドラゴン種…なんだけどさ  作者: ひるま
[30]終焉~エンドゲーム~
334/351

-325-:よくぞ無事で。ヒューゴ

「お、お前…な、何しとんねん…?フルチンの素っ裸で」

 言葉を詰まらせながら、ルーティがヒューゴに訊ねた。


 この状況で質問するかぁーッ?


 しかも、しっかり見とるやないけぇーッ!!


 普通、異性が素っ裸でいたら、遠慮して部屋から出てゆくモンだろうが!


「ま、まあ…元気になったら、それでええねん」

 だから何?気まずそうな顔をするなら、さっさと部屋から出て行ってくれないか。


「ココミィー」

 ココミの名を呼びながら、ルーティは部屋から出て行ってくれた。


 だけど。


「ドアくらい閉めて行けよ!」

 思いっきりドアを閉めた。


 で。


 少し頭の中を整理しよう。


 どうして、俺は裸のお(ネェ)に素っ裸のまま添い寝されていたんだ?


 それよりも!


 ヒューゴはオトギによって矢に貫かれた胸を確認した。


 傷が塞がっている。と、言うか、傷を負ったと思えない程に元通りになっている。


 寝息をかいて寝入っているアーマーテイカーを見やる。


 もしかして。


 これがコイツの治癒魔法なのか。





 パーティーの日に、キョウコのケガを直す際、敵であるナバリィがいるというのに、おバカなルーティが言っていた話を思い出した。


『ダナはんの回復魔法は傷口を直接舐めて治す魔法なんや。そやさかい、あんまり大きな傷には対応でけへんのですわ』


 よくもまあ、敵の前で、あんなにペラペラと機密情報を漏らしてくれたものだ。





 だけど、思い出せば思い出すほどに羨ましい話だぜ…。


 あんな美人に…いや!アホな発想はするな。今は傷を治してくれたアーマーテイカーに感謝すべきだ。


 と、思いつつも、本能には抗えずにエロい妄想は膨らむばかり。


「イカン!今はスゴくヤバい。こんな姿で妄想を膨らませている場合ではない」


 しかし羽織るものが何ひとつ見当たらない。


 両手で股間を抑えるしかない。


 そもそも、俺はどうやってここに来たんだ!?






「タカサゴ!無事だったんだね。死んじゃったかと思ったよ。良かったぁ」

 ぎゅうぅと身体に回されたクレハの腕に力が込められる。


「よくぞ無事で。ヒューゴ」

 クレハと共に、ベルタもヒューゴの帰還を心から喜んでくれている。


「ところでヒューゴ。その執事服、少しサイズが大きいのでは?」

 ベルタが袖と裾をまくり上げているヒューゴの衣裳に疑問を投げ掛けた。


 それは…。


 それよりも今は!


 ベルタの騎体がまたもや駒回転。


 パイロットに掛かる(ジー)が10分の1に抑えられようとも、これほどまでの高速回転。


 クレハは遠心力によって振り飛ばされそうになりながらも、離されまいと必死にヒューゴにしがみつく。


 駒回転をしながら、ベルタを妲己の背後へと回り込ませて、もう一本のサバイバルナイフで妲己の背部を突き刺す。


 しかし、すかさずオロチのドラゴンヘッドが反応。


 すぐさまサバイバルナイフに食い付こうと首を伸ばしてきた。


 が、食い付こうとしたドラゴンヘッドがサバイバルナイフによってスパーッと切り裂かれてゆく。


「こ、この野郎ぉーッ!何をした!」

 ドラゴンヘッドの自動反撃(オートカウンター)が発動しなかったばかりか、ドラゴンヘッドそのものがダメージを被っている。


 ジョーカーはベルタの理解不能な攻撃に怒り叫ぶ事しかできない。




「なるほど。ジョーカーのオートカウンターは、自らの勢いを止められなかったのですね」

 顎に手を宛てながらウォーフィールドが推考を披露した。


「ヒューゴが何をしたのか解ったのかい」

 ライクが訊ねた。


「ええ。彼はドラゴンヘッドにオートカウンターを発動させておきながら、攻撃対象をドラゴンヘッドそのものに変えて、さらにサバイバルナイフの動きを止めてしまったのです。つまり“寸止め”をして、ドラゴンヘッドの勢いに自らを攻撃させたのです」

 自らの勢いを止められないドラゴンヘッドの弱点を突いたのだ。


「ですが、まだ浅い」

 ドラゴンヘッドが回復してゆく。


 現在の妲己は、両腕をサバイバルナイフに突き刺されて繋ぎ止められ、ドラゴンヘッドが縦に切り裂かれた状態にある。


 共にサバイバルナイフが損傷個所に留まっているせいで、回復できない状態にある。


「ヒューゴ。相手は死なない魔者。遠慮は要りません」

 ベルタによる状況説明に、ヒューゴは頷くと、妲己の膝裏にキックを食わらせた後、足の(クロー)を展開!妲己の膝を握り潰した。


「うぎゃぁぁぁ」

 痛みは感じるようだ。


 だけど、死なないのなら、このまま遠慮せずにいかせてもらおう。


 背後からの膝蹴り(ベルタの膝には直剣が装備されている)を食らわせて妲己の胸を貫いた。


 怒涛の攻撃は、さらなる前蹴りによって、ひとまず幕を閉じる。


 ズズーンと地面を滑ってうつ伏せに倒れる妲己。


 だが、魔法陣が描かれて再びリペアの魔法カードを発動されてしまった。


 全ダメージ完全回復。


 再び対峙するベルタと妲己。


「この動き、高砂・飛遊午か?」

 どうやらジョーカーも気付いたようだ。


 ところが、会話に応じる素振りなど一切見せず、投げられたサバイバルナイフが妲己の側頭部を通過する。


 そして、もう一本にドラゴンヘッドが反応している。そんな中。


 魔法陣を展開して2振りの打ち刀を召喚。手にするなり、一気に間合いを詰めて、二天一流奥義・二天撃を炸裂させた。


 一撃目に魔力爆弾を設置して、二撃目に着火、大爆発を起こさせた。


「き、貴様…」

 またもや妲己が吹き飛ばされた。


 今度は仰向けの姿勢のまま地面を滑ってゆく。そして。


 上体を起こす最中、ジョーカーが目にしたのは、自身へと向かって来る、燃え盛る炎の刃。


 腕を交差させ、さらに浮遊素を大量散布させて防御を図るも。


 再び大爆発に飲まれてしまった。


 倒れている相手にさえ容赦の無い攻撃魔法。


 会話すら挟まないヒューゴの怒涛の戦いぶりに、見ている者すべてが唖然とする。




「あ、あの…タカサゴ?ねぇ、聞こえてる?」

 後ろから声を掛けるも、返答ナシ。


(この男ときたら…)

 何も言わない。


 今だけは。


 ものまね(ミミック)の魔法効果は3分間だけ。


 1秒たりとも無駄に出来ない今の彼に、会話などしている暇は一切無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ