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-31-:スゴく綺麗…

「辛いよね。痛い思いをされている人を、ただ見ているだけしかできないなんて」止めろと肩に添えられたヒューゴの手を振り払い。


「私じゃダメかな?ベルタさんだっけ?に乗り込むのは」


「クレハさん・・」「でも・・お前・・ええんか?」

 申し出ると、クレハは二人の元へと歩み寄る。と、その手を後ろからヒューゴに掴まれた。


 すかさず、勢いよく後ろへと振り投げられ、「痛ったぁ」尻餅をついた。


「何よぉ、タカサゴ。邪魔しないでよぉ」


「俺はお前の覚悟の邪魔はしない。だが、ココミたちは俺を御所望のようだ。なぜなら!最初からずっと俺の方を向いて話をしていたじゃないか。コイツら」

 出逢った時からずっとヒューゴを頼っていたような。それはクレハにもそこはかとなく感じ取れていた。だから駐輪場では彼に任せて先に教室へと向かったのだった。


「それで良いな?ココミ!」

「ハイッ!」

 目には涙を溜めて、少し鼻水を垂らしての満面の笑顔で返事をくれた。



「では、時間がありませんので契約に入ります。ヒューゴさん、スマホを出して下さい」


「スマホ?」

 首を傾げながら言われた通りにスマホを上着ポケットから取り出した。


「では、このページに印字されているベルタのQRコード2を読み取って下さい」

 指示に従い読み取り機能を起動させてベルタ(BELTÁ)と記されているQRコードの1ではなく2を読み取る。と『契約を始める』の表示をタップして契約画面に移行させた。


「何コレ?まさか新手の振り込め詐欺じゃ・・ないよね?」

 横から画面を覗き込んでいたクレハが作業そのものに疑いを抱いた。


 ヒューゴも疑念を抱きながらも契約を進行させる。

 まずは姓と名前それぞれにカタカナで振り仮名を入力。続いて性別と生年月日。あと何故かしらスマホの電話番号と住所の入力も求められ疑いの眼差しをココミに向けるも力強く頷かれたので、黙って入力を完了した。


 最後に『ご契約ありがとうございました』の画面が表示され、すぐさま『アンデスィデへの参戦要請が来ています』とのメッセージが表示された。


「アンデスィデ??」

 初めて耳にする単語にクレハ、ヒューゴ共に首を傾げた。


「ヒューゴさん、ベルタさんにお電話して下さい」


「電話ぁッ!?」「早よせぇ!」「早くお願いします!」

 訊き返すも二人に急かされる声の方が大きく、従わざるを得ない。


 何故かしら入っていたベルタの電話番号・・掛けてみる。プルルルと発信音がなり「仕方が無い」と中年男性の声を耳にした。


 すると。


 ヒューゴの足元に何やら光の線が彼を囲むように何かを描き始めた。円が二重三重に描かれ、その中に五芒星が描き込まれ。

 見たことも無い文字が次々に記されてゆく。これは。


 魔法陣だ。


 描き終えられた魔法陣が回転を始めた。


「ルーティ、お願い」

 ココミの言葉にルーティは力強く頷くとヒューゴに抱きつくようにして魔法陣の中へと入りこんだ。すると。


 魔法陣が回転しながら上昇。足元からヒューゴとルーティの姿を掻き消してゆく。


 と、驚くヒューゴとルーティの姿が完全に消滅した。



 ココミがベルタへと向き直った。クレハも続く。


 先ほどまで灰色一色だった甲冑らしきもの・・盤上戦騎(ディザスター)ベルタの体が見る見るうちに彩られてゆく。

 高砂・飛遊午の霊力が魔力へと変換されベルタに供給されたのだ。


 見たことのない彩りの未確認飛行物体。カタチはどこかで見たことのあるものの、その姿にクレハは圧倒された。


「スゴく綺麗(きれい)…」

 思わず口から洩れ出た。




 









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