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盤上の兵たちは最強を誇るドラゴン種…なんだけどさ  作者: ひるま
[22]聖剣&魔剣
246/351

-237-:マスターはご存知ですか?

 ロボを捉えたロックオンマーカーが激しく点滅する。


「マスター…」

 コールブランドが心配のあまり声を掛ける。


「分かっている。ここで彼女を止めないと。何が何でも彼女を殺人犯にさせる訳にはいかない」

 トリガーボタンに指を掛ける。


「いえ、マスター。6連装バルカン砲では火力不足です。ここは“ミルメート”でヤツ(ロボ)を撃ち抜きましょう」

 彼女は、迷えるタツローの心情を察して声を掛けたのではなく、確実に敵を仕留めるための助言をするために声を掛けてきたのだった。


 タツロー自身、たぶん、そうじゃないかと薄々感じてはいた。


「ミルメート?だけど、この騎体の武装インデックスには6連装バルカン砲だけと記されていたはずだけど」

 ミルメートなる言葉など聞いた事もない。どんな武器なのか想像もつかないが、召喚武器なのだろうか?


「マスターもご存じの通り、アンデスィデにて戦闘を行う際に、敵と接触している時間によって、深層データを取得する事が可能です」

 敵に触れている時間が長いほど、敵のデータを多く取得できるというシステムだ。


 タツローは頷いた。


「ですが、それはあくまでもカタログスペックにおいての話。インデックスに記された武器に過ぎません。私が装備する“ミルメート”なる武装は、いわゆる“隠れ武器”敵に知られる事の無い、超秘密兵器なのです」


 衝撃の事実!それは、まるで違法改造車ではないか。しかも『隠し』ではなく『隠れ』とは。


 まるで、飲食店で一部のお客様しか知らない『隠れメニュー』のように言わないで欲しい。


 超秘密兵器とは、どんなものなのか?


 タツローは唾をゴクリと飲み込んだ。


「で、そのミルメートって」「内容は撃ってのお楽しみ。私の背部・・失礼。騎体の天辺に付いているバケツを横にしたような箇所に内臓されています」

 アレは、てっきり追加ブースターか何かと思っていた。しかし、ブースターにしては正面に”面”があって空気抵抗をモロに受けている形状なので、何か変だなとは疑問に感じていた。


 しかも、コールブランドと同じ色の髪の毛のようなものをなびかせているし。


 搭乗時に、毛髪!?と思ってしまったが、どうしてトンボに毛が生えているのか?そこはツッコミを入れるべきじゃないと忖度して、あえて触れないでいた。


 ミルメートねぇ…。


 記憶を辿るも、そんな言葉、聞いた事もない。


「もしかして、敵を跡形も無く消し去る必殺技とか?」

 超秘密兵器と言っているコトだし、一発逆転を狙える武器には違いなさそう。


「そんな都合の良い武器なら、とっくの前にご使用を進言していますわ」


「都合の良い武器じゃないのなら、この状況は好転しないじゃないか」

 好転が見込めない武器を、何故いま進言する?


 やはりコールブランドは地雷女。


 彼女の言う事など、何一つ信用してはいけない。


「僕のやり方で彼女を止める!」

 告げて、6連装バルカンを乱射しながら、オプション火器たちに援護をさせながら、ロボに突っ込む。


 薙刀を前へと突き出して、あわよくば、腕を斬り落とせるかもしれない。


 ロボは、早速回避に入ったが、それでも数発被弾。だけど、みるみる内に損傷回復を行ってしまう。


 薙刀で斬り掛かる前に反撃が。

 

 腰部回塔式機関砲の斉射を食らい、コールブランドは羽を、脚を数本損失してしまった。


損傷回復(リペア)のカードで回復だ」

 効果魔法(エフェクトマジック)カードを1枚消費。瞬時にしてダメージを全回復した。


 僧正(ビショップ)の駒は、効果魔法カードを4枚所持している。なので、出し惜しみはしない。


 共にダメージ回復を果たして、仕切り直しとなった。


「もう少し利口におなりなさい、マスター」

 コールブランドが、ため息交じりにタツローをたしなめる。


「君はただ、力を誇示したいだけなんだ。初めて出逢った時だって、持てる力を皆の前で誇示したくせに!」

 髪のワイヤーソーでオトギを切り刻もうとした。


「それは、あの女の本性がドス黒いから、マスターがその毒に冒される前に事前処置を行っただけです」

 全く反省の色を見せない。


「君はもう黙っていろ!声を聞くだけでも腹が立ってくる!」

 実際問題、盤上戦騎(ディザスター)になった魔者が喋る必要性は微塵も無い。


 世の中、自動車だって、スマホだって、情報を提供する際に音声で案内をしてくれるが、自らの意思で喋っている訳ではない。


 孤独に、独り静かに戦うのが普通じゃないのか?ただ、本来あるべき状況に身を置いた。


 コールブランドは堪えたのか?押し黙ったまま。


「そんなに死にたいのなら、お望み通り、お前から抹殺してやる!」

 イヌ共を差し向けて、シンジュ自らもタツローを仕留めるべく前へと出てきた。


 群狼がコールブランドに一斉に襲い掛かる。


 速さや機動力を駆使しても、数で押されてしまうと、たちまちの内に全身にダメージを負ってしまう。


「もう一度、損傷回復(リペア)だ!」

 ダメージ全回復を行って、一旦距離を引き離す。


「くっ」

 あっけなく効果魔法を使ってしまった悔しさに、焦りが入り混じる。


「マスター…」

 コールブランドが再び声を掛けてきたものの、タツローはあえて無視を貫く。返事もしない。


 それでもコールブランドは続ける。


「マスターはご存知ですか?」

 いきなり問うてきた。だけど、何も答えてはやらない。


 それでも。


「マスターはご存知ですか?ほとんどの生物が共通して、最も死因としている、もしくは行動不能に陥る原因を、マスターはご存知ですか?」

 この女は一体、何を伝えようとしているのか?


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