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第75話:以前行った検証の続きをしました。

 無事斬岩を習得出来た2人。合格はまだ出せないけどそれは時間が解決してくれる。存分に励んでほしい。けどその前に、


「はいはい、2人共?もうだいぶ暗くなって来た事だし、今日の鍛錬はここまでにするよ」


 出来るようになったのが余程嬉しいのか、今までの疲れを忘れたかのように岩を切り裂いている2人。お、ミズキに至っては既に袈裟斬りでも斬岩を放てるようになったようだ。このペースなら明日にはどちらも一通りの斬撃で斬岩を繰り出せるようになりそうだ。


<<ナギが"東屋"を建築しました>>


 ・・・そうだ、大事な事を一つ忘れていたよ。鍛錬用の武器の回収をシリカにお願いした傍らで、いい笑顔で汗をぬぐっているレオナちゃんに一つお願いをする。


「レオナちゃん、バックパックからどの部位でもいいからフェイスイーターの残骸を出してくれる?」

「はい、わかりました!」


 気持ちが高揚している影響か、やたらと元気だ。あれだね、後でスイッチがオフになったら一気に疲れで寝入ってしまうなコレ。その前にさっさとやる事を終えてひとっ風呂入ってスッキリし、美味しい晩御飯を食べてしまおう。


「持ってきました!」


 そう言ってレオナちゃんはフェイスイーターの残骸の一部を持ってくる。


「うん、ソレをレオナちゃんの能力で燃やせるか試してもらってもいい?」

「あ、あの時の続きですね・・・やってみます!」


 私は少し後ろに下がってミズキと一緒にどうなるか見守る事に。


「・・・いきます!」


 レオナちゃんがフェイスイーターの一部を地面に置くとソレに向かって手をかざす。すると、周りの温度が急激に上がると同時にソレが勢いよく燃え上がった。

 そして、1分と経たずに消し炭に。


「・・・レオナちゃんレベルの火力だと即燃えるっと。じゃあ次は・・・ミズキ、炎弾を残骸にぶち込んで貰ってもいい?」

「うん、いいよ」


 私はバックパックから新たに残骸を取り出して、着弾しても吹き飛ばないようその場にフェイスイーターの残骸を固定する。そして、レオナちゃんと一緒にミズキの後ろに回り込んで耳を塞さぐ準備をする。


「レオナちゃんも耳、塞いどいた方がいいよ?」

「?・・・わかりました?」


 そう言ってレオナちゃんの犬耳がペタンと倒れ込む。おぉ・・・便利っすね。あと可愛い。ミズキに準備オッケーの合図を送り、それを見届けたミズキは残骸の方へ向き直ると自身の目の前にバレーボールサイズの火球を生み出す。


「えい」


 そんな掛け声がミズキから聞こえた様な気がしたのも束の間、勢いよく火球がフェイスイーターの残骸へと飛んで行き、大爆発が起こる。


「~~~ぬぁぁっ!?出来ればもっと加減して欲しかったかも!?」

「・・・耳が、耳がぁぁ~~」

「これでも加減したんだけどな・・・」


 流石はミズキ、ドラゴンは伊達じゃない。想像以上の爆音に耳をやられてしまったのか、レオナちゃんが地面の上を転げ回っている。そんなレオナちゃんにシリカが駆け寄って介抱してあげている。


<<ナギが"日本庭園"を造園しました>>


 ・・・シリカにレオナちゃんを任せ、私とミズキは爆心地の確認に行く。固定されていたフェイスイーターの残骸は瞬間的な熱と衝撃に晒されて炭化し一部が崩れてしまっていた。


「うん、まぁ熱に弱いって事は確定でいいかな。後は焚火に突っ込んで効果があるかどうか試して、カシアとマグルも炎系の攻撃手段があるからお願いしてみるとしようかな」


 マグルの場合は熱よりも爆発の衝撃がメインだから、どれほどの効果が出るか要検証かな。熱に晒された箇所が変質して脆くなるかもしれないし。そこはまぁ焚火での検証も合わせれば、いい情報が得られると思う。


「・・・よし、現段階で得られるのはこんな所かな。ミズキも必要とあれば本来の能力を使っても全然いいからね?元の姿にさえ戻らなければ、さして騒がれる事もないだろうし」

「うん、わかった」


 耳の機能が回復したのか、レオナちゃんがシリカを伴ってこちらへとやってきた。


「うぅ、酷い目に合いました・・・所で、ミズキさんの元の姿ってなんなんです?カシアちゃんとマグル君が狼だって言うのは知ってますけど」


 そういえば、ミズキの元の姿をその目で見ているのはクランメンバー以外は誰も居ない・・・ん?私ってばガルドさん達にミズキはドラゴンだって事を伝えていただろうか・・・いや、伝えていない気がする。

 そう思ってレオナちゃんにミズキの正体を伝えようとしたんだけど、


「・・・見る?」


 一歩遅かった。ミズキの体が光を発したかと思うと、目の前に巨大な質量が顕現する。その見た目はあの時同様鋭角で刃物のような美しさがある。残念ながら薄暗くなってきている為、色合いは黒っぽいようにしか見えないが。


「じゃ~ん」

「・・・」


 ミズキが元の姿、ドラゴンの容姿でどうだと言わんばかりなポーズを取っているけど、突如目の前に現れた剣竜に当のミズキちゃんは無言だ。表情も完全にフリーズしてしまっている。


「・・・あれ?」


 そこでレオナちゃんの反応が無い事に気づいたミズキが、ドラゴンの姿そのままで顔をこちらに近づけた。

 流石に私も目の前にドラゴンの顔が迫るとクルものがある。


「ちょっとミズキ、近い近い!その状態で迫られると慣れてる私でもブルってくる!」


 なんせ目の前にドラゴンの巨大な顔と顎、しかもドラゴンの息遣いなのか体全体に響く重低音が襲ってくる。

 口元から見える牙が絶望の象徴に感じ、否が応でも生物としての格の違いを見せつけられる。慣れてる私でもチビッちゃいそう!

 耐性が多少はある私でこれだと、そんなものはないレオナちゃんは、


「・・・」


 うん、意識が飛んじゃってるね。こちらに傾いて来たレオナちゃんの体を優しく受け止め、その場に寝かせてあげる。


「レオナ!?どうしたの!?」


 ドラゴンの姿で慌てだすミズキは中々にシュールではあるが、ミズキはもうちょっと自分の存在に対する認識を改めるべきだね。


「ミズキがいきなりドラゴンになって、しかもその強面を目の前に寄せられたら大抵の連中は絶叫を上げるなり恐怖でパニック起こすなりするんじゃないかな!」

「私のせい?」


 無論である。ミズキは早く人形態に戻りなさい!私の声に頷くとすぐ人形態に戻るミズキ。慌ててこちらへと走り寄って来るその様は、申し訳なさで一杯だった。





「・・・はっ!?」

「目が覚めたようだね」


 レオナちゃんは目が覚めるなりガバっと体を起こすと、私に抱き付く勢いで警告を発してきた。


「た、大変です!ミズキさんがドラゴンで剣竜の顔が迫って来て!?」

「どうどう落ち着いてレオナちゃん。ミズキは確かにドラゴンだし剣竜だけどミズキだから大丈夫。オッケー?」

「ごめん、レオナ」


 目の前にシュンとしたミズキを確認したレオナちゃんは一気に落ち着いたのか、すぐにミズキに体を向ける。


「いえ、こちらこそスミマセン。意識を手放してしまうとか、私もまだまだです」

「私も認識が甘かった」

「まぁ、なるべく人前で戻らないように言ったのは私だからね。見ての通りミズキはドラゴンなわけだけど、その姿に恐怖と畏怖を感じざる負えないんだ。私や他のクランメンバーはそれなりに見慣れてるから大丈夫っちゃ大丈夫だけど、他はそうじゃない。レオナちゃんでコレなわけだしね」


 レオナちゃんとミズキが互いに反省しあう中、丁度いい機会だったのでミズキにドラゴンという存在がどれほどの影響を与えるのか伝える。


「とはいえ、ミズキも親しい人達にずっと自分の事を隠しておきたくない気持ちも分かる。今回はいきなりだったけど、今後はちゃんと相手に自分がドラゴンである事を伝えて、その上で周りに影響が出ない場で戻る様にしようか。でも、基本的には自分がドラゴンだって事は秘密ね?あくまでも私やクランメンバーと親しい人達に限るって事を肝に銘じて欲しいかな」


 しっかりと頷いたミズキを見て、私は2人に優しく笑いかける。


「でもよかったじゃん。これで少なくともレオナちゃんはミズキがドラゴンだって知れたんだ。これで2人で行動する上でも制限なく色々出来るんじゃない?あ、勿論身の危険を感じたりした時は無理に力を抑える必要はないからね。何事も自分の身を優先にね」

「わかった」

「わかりました」


 何処かうれしそうな2人・・・こんな感じでどんどんと親睦を深めていってくださいな。


<<ティリアとナギが"露天風呂"を建築しました>>


 ・・・にしても、アイツら好き勝手やってくれてるな。人の精神世界にどんどんと色んなものを作りおってからに!

 今日の夜寝入ったら様子を見に行ってやるんだからね!

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