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第37話:焚火でマッタリしました。

 お互いの情報交換が終わり、食器の片付けを皆で行って外で焚火をしていると


「にしても私らが帰った後、そんな事が起こってたんだねぇ・・・ミズキが怒るのも分かる」


 アルがちょっと不機嫌そうに呟く。これは俺が会議室で絡まれた内容に関してだろう。


「また絡んでくるようなら、今度は私が撃退してやるわ」


 そう意気込んでいるのはシリカだ。うん、今のシリカが横にいれば、余程馬鹿な奴じゃない限り絡んでくる事は無いんじゃないかな。


「カシアはもう体は平気か?結構ボロボロになってたはずだけど」


 俺がカシアを心配そうに見つめていると当の本人が


「うん、もう大丈夫!ポーションって凄いんだね~」


 その態度を見る限り、やせ我慢をしているわけでも無さそうだ。


「にしても、カシアがあんなに思いつめているとは思わなかったなー」


 俺が言っているのはあの黒いモンスターと戦っていた時にカシアが叫んでいた事だ。私が弱くなければ・・・か。

 俺のそんな呟きに反応したのは、叫んでいたご本人で


「ん?私、何か言ったっけ?」

「あの黒いモンスターと戦っている時にちょっとな」


 何やら頭の上に?マークが見えて来そうな顔をしてるな。


「覚えてないか?」

「ん~・・・夢中だったから覚えてない!」


 それを聞いた俺達は互いに顔をみやる。まぁ、本人が覚えていないというのなら踏み込んでまで聞こうとは思わんが。

 他の面々も似たような気持ちなのだろう。深く追求しようとする者はいなかった。しかし若干一名、沈んだ顔をしてるのがいる。


 俺はマグルの頭を優しく撫でつつ、


「あんま思いつめるなよ?アレはお前達の所為なんかじゃ断じてないんだから」

「・・・はい」


 カシアのあの時の叫びを聞いて、自分にもっと力があれば・・・とかそんな事を考えてそうだ。


「なに、お前達はまだまだ伸びしろが有り余っているんだ。焦って即座に強くなりたいとかは間違っても考えるなよ?今はまだ下地を整えてる最中なんだ、もうちょっと気の運用がスムーズになって日頃から行っている肉体への負荷がけを怠らずに続けていれば、ちょっとした壁を越えられる。もう既に習慣となっているから時間の問題だ、楽しみにしとけ~」


 俺の言葉に安心したのか、マグルは気持ちよさそうに目を細めている。愛くるしいぞ。これだからナデナデは止められん!

 アルもマグルをナデナデしたそうにこっちを見てるが、この瞬間を譲るつもりは俺には無い!そこらを駆けずり回りにいったカシアを捕獲してモフるといいのだ。


 一方ミズキは、久しぶりにお腹一杯食べる事が出来たせいか表情が緩み切っている。普段俺達と一緒に食ってる時は遠慮して合わせていたらしく、足りない分は単独行動している時に補っていたっぽい。全く、遠慮なんてしなくてもいいってのに。

 俺がそう言ったら「だって恥ずかしいんだもん」って小声で、それはもう恥ずかしそうに言われました。もうね、キュンキュンしちゃうの!可愛いったらありゃしない。そんな俺をアルが何処となく引き気味で見てた様な気もするけど気にしないもんね。


「とりあえず、明日バンクに預けてある荷物一式を持ち帰ってこよう。冷蔵石さえあれば、状況に合わせた保存が出来るようになるはずだ。それこそ冷蔵だけでなく冷凍もイケるように・・・素晴らしい」

「でも、あんな量をここまで運ぶとかちょっと考えたくないなぁ」


 アルがゲンナリとして俺の意見に素直な気持ちをぶつけてくる。それは良く分かる。何かあまり負担にならない運搬方法があればいいんだが・・・俺が頭を悩ませていると、


「それならいいお知らせがあるよ」


 新しい体をゲットしたツバキがハイハイ!って感じで手を上げている。大分扱いに慣れてきたのか、初めて見た時よりも大分動きが滑らかだ。

どうやってその体を作ったのかは企業秘密とか言われて詳しく教えてもらえなかったけど、基本的にはマナダイトで構成されてるらしい。らしいというのは、マナダイトの他にも近場で採れた鉱石を混ぜてパーツを作っており、色合いの調整とかだけでチョイスしたものもあるんだそうだ。耐久性とかは始めから心配していない。頑丈過ぎるからねマナダイト。尚、マナダイトそのものは体感ではあるけど鉄よりも軽い。

 以前複雑な物は無理ってシリカが言ってたけど、パーツ単位に分ける事で可能にしたそうだ。肝心の稼働部位というか関節部分とかはプラモで見られるあの球形部品を参考にして作ったそうだ。

 残念ながらこれ以上は教えてくれなかった。出力はどれくらいなのかとか、プラモみたいに簡単に引っこ抜けるのかとか、そもそもどうやって動かしてんの?とか、本体である腕輪は何処行った?等々。


「キョウ、また何か変な事考えてないかい?」

「いや別に。ツバキとシリカはブラックボックスの塊だなって思っただけ」

「ならいいんだけどねぇ・・・僕とシリカは今まで特定の場所でしか素材を取り込めなかったけれど、この度新たな体を手に入れた影響なのか、僕らの半径1m以内であれば自由に取り込めるようになったんだ」


 ・・・何?つまりあれか、ちょっとした移動式次元収納箱みたいな感じか?歩く〇次元ポケットみたいな。

 それが本当だとしたら、荷物を運ぶ手間とか一切要らなくなるよな。俺が夢を膨らませていたら、ツバキから追加情報がもたらされる。


「残念だけど、キョウが思っている程便利になったわけじゃないよ?固定式から移動式に代わっただけ。僕ならあの棺がそうだし、シリカの場合は本体があるあの洞窟だねぇ」


 今までは棺やシリカの本体であるマナダイトの結晶の所に行って加工及び処理をしてもらっていたが、新たな体の所でもその作業が出来るようになったって事か。

 ・・・いやいや思ってた方向性とは違うが凄いだろうソレ。ツバキが居るのならバンクの解体屋さんに頼らずとも肉やら皮やらの加工処理ができ、鉱石類もシリカによってインゴットにしたり、万一武器や防具とかが破損したとしても2人が居ればその場で修復出来てしまう。


「でも裏技的な感じである程度は収納出来たりするんだけどねぇ。現に今も私達の予備パーツはシリカに収納されてるようなものだし」


 そう俺が勘違いしたのも、その裏技があったからなのだ。ツバキやシリカは素材となる存在を取り込み、よくわからん空間でソレを加工・処理し出来上がった物をその空間から吐き出す。その時発生した余分な物は自動で廃棄されるが、任意で保持する事も出来る。血とか土とかね。

 つまり、わからん空間から取り出さなければそのまましまっておく事も可能なわけで・・・但しそんな用途は想定外な為、色々と制限が存在するが。


「使い勝手は良くないけど、種類さえ多くなければ一杯入るからねぇ。上手く活用してくれるといいよ」


 ツバキがそう締めくくる。俺とアルはその説明を聞いて明日の行動方針を組み立てだす。


「ツバキとシリカの登録もあるし、遺跡都市には俺が行くわ。カシアと・・・あとミズキには肉を獲ってきてもらおう・・・スッカラカンだし。アルとマグルには肉以外、魚やら野菜類あと米の確保をお願いしたい」

「わかったー。キョウは念の為大きめのバックパックを持って行ってね。ツバキも一応お願い。シリカは・・・まずは遺跡都市に入れるかどうかだね」


 因みにシリカは駆けずり回っているカシアに付いていった為、ここにはいない。動作テストも兼ねて付いていったのだろう。明日の事は後で話すとしよう。

 アルの心配はもっともだが、あそこにはゴーレムさん方が居るので俺はさほど心配はしていない。


「というわけだ。ミズキもマグルも明日はそんな感じでよろしく頼む」


 すぐ横で俺らの話を聞いていた二人は首を縦に振りつつ


「一杯お肉獲って来る」

「僕はアル姉さんのお手伝いですね」


 やる気一杯にそう答えてくれた。さぁて、明日俺は手早く2人の登録を済ませ、速やかに荷物を回収して帰宅、持ち帰ってくる予定の冷蔵石を用いた冷蔵庫作成等々やる事が満載だ。


「明日はやる事で一杯だ。さっさと温泉入って速やかに俺は寝るとするかな」


 そう言って俺は遺跡内温泉に向かおうとした所で、カシア達が帰って来た。


「あるじあるじ~!お客さん見つけたよ~」


 お客さん見つけたってなんだそりゃ?俺はそう思いつつカシアの方へ振り向くと、そこには今日ミズキにぶっ飛ばされたレオナなる女の子が居た。

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