第3話:遺跡内を探索してみました。
第3話です。小説を書いてみて分かった事。
話を進めたくても、中々進めれないんですね・・・難しい。
遺跡の中は思った以上に明るかった。原理は分からないが発光している苔や遺跡に使われた石材そのものが光を発している。元の世界に返る目処が付いたら、是非とも採取して隅々まで調べたいもんだ。
好奇心が刺激されすぎてついつい辺り構わず触れたくなってしまうが、何処にどんな罠が仕掛けられているとも分からない。俺は欲求を押さえ込みつつ警戒しながら奥へ奥へと進んでいく。
少し広めの空間に出た。道は全部で4つ。
今来た出入り口。
水の音が微かに聞こえてくる左側の通路。
まだまだ奥へと続いていそうな真ん中の通路。
地下へと続いているらしい階段がわずかに見える右側の通路。
さてどうしよう?どの通路も危険な感じはしてこないが左側の通路が凄く気になる。というのも、水の音と共にとても嗅ぎ慣れている匂いがしてくるのだ。
よし、まずは左側の通路に行ってみよう。警戒は怠らず少しずつ奥へと進む。段々と空気が湿り気を帯びていき、体感温度も暑さを感じる位に上がってきている。通路を抜けた先には・・・
「まさか遺跡の中に温泉があるなんてな」
そう、温泉である。通路を抜けた先にはかなり広めの空間と天然の大浴場。その大浴場の中心から立派な樹木が上へと伸びており、幹が遺跡を貫通して外へ出てしまっているようだ。中々幻想的な空間に仕上がっておりしばしその光景に見惚れてしまう。
「・・・見惚れてる場合じゃないな。さてさてこの温泉、入った瞬間に体が溶けてしまったりしないだろうな?」
用心するに越した事はない。俺はそこらに転がっている石を温泉に放り込んでみたり、木の枝で温泉をかき混ぜてみたりした。放り込んだ石は気泡を吐き出して溶けたりなんて事にはならず、木の枝の方も煙を上げて腐食したりなんてしなかった。
大丈夫だよな?大丈夫だよね?俺は恐る恐る温泉の中に手を入れてみる。
「おぉ・・・ちょっと温めだけど、入ったら最高に気持ちいいだろうなぁこれ」
異世界にも温泉がありました。しかも人畜無害。控えめに言っても最高です。
「しばらくこの遺跡を拠点にして情報を集めたい所だな」
だって温泉あるし!ビバ温泉!温泉万歳!!
しばしこの温泉で足湯をしつつ、歩きづめだった足を労わる。さて、残りの通路を調べに行きますか。
次は右側の通路の先にある地下へと続いているらしい階段だ。こちらは階段を降りきった先には広い空間が広がるのみで、特にこれといった物はなかった。奥に辿り着いた瞬間、降りてきた階段が塞がれ天井が下がってきたなんていうデスルームではないらしい。
最後の真ん中の通路、こちらも広い空間につながっていたのだが他の空間とは雰囲気が違う。
仏像が安置されている寺のような、そんな厳かな空間なのだ。この感覚には覚えがある。
奥へと進んでいくと祭壇のようなものが見えてきた。その中心には棺桶のような人が一人納まりそうな箱状の物。間違いないだろう、ここはお墓・・・霊廟の類なのだろう。
俺は祭壇の手前まで行き一度そこで黙祷をする。理由はどうであれ俺がこれからするのは墓荒らしだ。自分の身に起こる出来事でたとえ死ぬ事になったとしても、それは墓を荒らしこの地に眠るであろう存在を冒涜したから。ただの自己満足だが、黙祷をすることでその覚悟を決める。
「すみません・・・元の世界へ帰る手がかりになるかもしれない。開けさせて頂きます」
パンドラの箱のような、とんでも箱じゃあありませんようにと祈りながら俺は箱の蓋に手をかけた。
読んで頂きありがとうございます。
ほんとノリで書いてますのである日突然更新が止まったら、
くそ、しょうがねーな・・・と生暖かく見守って頂けると、はい。