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第25話:探索する準備が整いました。

※2019/07/24 一部文章を修正。

 一騒動あったが、出会いも会った。これが今後どのように影響してくるかは流石に分からないが悪い方向に行く事はないと思いたい。

 遠目に見ただけだがミズキへの説明はもう終わっているはず。俺達はバンクの受付まで戻る事にした。


「随分と賑やかだったけど、何かあった?」


 戻って早々、ミズキからそう聞かれた。あれだけ騒いでいれば何かがあった事くらいは分かるか。


「いや、ちょっと絡まれただけ。エリスさんスミマセン、バンク内で問題を起こしてしまって」


 こんな事でバンクへの出入りを禁止されては適わない。謝れる時に謝っておかねば。


「いえ、バンク内・・・というよりも遺跡都市ではよくある事ですからお気になさらず。それに私達は基本、探索者様方の揉め事に関して不介入を徹底しております。関係各所の器物破損が無い限り、責任を問いは致しません・・・所で、私の名は何処でお知りになりましたか?」


 そうかそうか。物さえ壊さなければゴーレムさん達のブラックリストに載る事は無いと。

 ついでではないが、レオンとゲイルで合ったやり取りを簡単にエリスさんにも話してしまおう。


「なるほど、そのような事が・・・後で締め上げないといけませんね。情報提供感謝致します。今後の対応に生かさせて頂きます」


 あぁ、部分的に俺らへ聞こえないように配慮するとか本当にエリスさんは出来る人だ。普通の人なら『締め上げ』の部分は聞き取れなかったに違いない。


「彼らも良かれと思って言ってくれた事だと思いますので、程々にしてあげてくださいね。こちらも邪魔にはならない範囲で話し相手になれればと」


 スマン、レオンとゲイル。エリスさんに説教されるかもしれないわ。


「ありがとうございます、キキョウ様。息抜きは各自で任意に行っているはずなのですが、そこまで他の者達が会話に飢えているとは把握しておりませんでした」


 まぁエリスさんも一職員という感じだし、そういう事もあるんじゃないだろうか。ゴーレムだけど。

 ・・・さて、と。これで手続きはもう無いな。でわ早速、


「よし!エリスさん、硬いお話はここまで。早速だけど遺跡に行ってみるとするよ。今の俺達でおススメなクエストって何かありますか?」


 いや~ついに遺跡に入れますよ!テンション上がるわ~。そんな感じで若干興奮した状態でエリスさんに聞いてみたら、軽く苦笑した雰囲気をして一つのクエスト用紙を取り出してきた・・・エリスさんがこちらへ感情らしいものを見せたの、これが初めてかも。


「でわ、こちらがよろしいかと」


 そう言って、エリスさんが見せてくれたクエスト用紙の内容は『暖炉石5個と冷蔵石5個の納品』というものだった。


「このクエストは常時受けられるモノで、遺跡都市で恒常的に使用されている鉱石の採掘がメインとなります。一定の価格で取引されている物なので、安定した収入になります。まずはこちらを受けつつ、慣らしていく事をおススメします」


 素晴らしい。暖炉石?冷蔵石?何それ欲しい!安定した収入源になるというのもポイント高いっすわ!


「それでお願いします!」


 即決した俺に対して何やら若干戸惑っている様子の受付ゴーレムのエリスさん。なんでだ?


「どうかしましたか?」


 俺がそう尋ねてみるとエリスさんは、


「いえ、こういうクエストは自分の評判に繋がらないと、皆様あまり受けたがらないので」

「受けたがらない?安定した収入があって遺跡内を探索できるのに?」

「はい。皆様、遺跡の奥にいるモンスターと戦いたいようで。採取・採掘メインのクエストは人気がありません」


 何て勿体ない。森の獣達もそうだったが、ああいう輩はほっといても向こうからやってきたりする。俺らを餌か何かとしか思ってないからな。態々こちらから会いに行く必要など殆どない。まぁ、食料確保という事なら話は別だが。


「全部が全部そうではありませんが、モンスターから得られるものは高値で取引される傾向にあります。何より、特定のモンスターを倒すと指輪の位が上がり易く且つ経験の貯まりが良いというのが大きいようです。探索者のちょっとした自慢話になったりもしています」

「なるほど・・・そういう事か」


 まぁ、探索は人それぞれだ。俺は身の丈に合った行動を取るとしよう。どんなモンスターが居るのかすら現状さっぱりだ。危険な奴とかは予め調べておかないと行けないな。


「エリスさん、とりあえずその採掘クエストを受けます。それでですね、現状判明している遺跡内部の地図とか危険なモンスターが出るエリアとか分かりませんか?」


 情報大事。死にたくないので、気づいた事は片っ端から調べよう。


「かしこまりました。受注処理を行っておきます。地図に関しては、向こうの貸し出し所で取り扱いがございます。地図の他にも採掘・採取に必要な道具やバックパックの貸し出し等も行っていますのでご活用ください。モンスターの生息域に関しても地図に記載されております」


 ・・・なんというか、充実具合が半端じゃない。なんでも探索者が集めた情報は、そのまま貸し出す地図に反映されるそうだ。そしてこの地図、紛失しても遺跡内で自然消滅して自動的に貸し出し所に返ってくるんだと。もはや言う事など無い。勿論、バンク外への持ち出し厳禁である。

 貨幣だけでなく貸し出される道具一式にも識別コード的なモノが在って、規定に引っかかる事が起これば例の管理者という名のゴーレムさんがすっ飛んでくるそうだ・・・あ、レオンやゲイルがそうか。貨幣の偽造や道具一式のバンク外への持ち出しが該当するという事なので気を付けよう。

 尚、遺跡内部にはバンク内にあるゲートから行く為、借りた後はバンク内であれば自由にしてもらって構わないそうだ。

 追記、貸し出される道具類はそうそう壊れないそうだ。凄いぞ異世界・・・いや、この場合はゴーレムさん達の超技術が凄いというべきなのか・・・どっち道異世界か。


「エリスさん、色々とお世話になりました」


 いやもう本当にお世話になった。色んな事を教えて下さりありがとうございます。これはもう丁寧にお辞儀をせざる負えない。


「いえいえ、これが私の仕事ですので。でわ、無事の帰還をお待ちしております」


 最後までプロフェッショナルなエリスさんだった。




 というわけで、貸し出し所にてバックパック1つ、採掘に使うスコップ1つ・・・ピッケルではない、あと人数分の地図を借りる。

 初めてという事で、初心者全員に配っているというポーション詰め合わせセットを各々で頂いた。大事に使わせて貰います。

 俺らは早速地図を見てみる事に。おぉ・・・何というか、本当に遺跡かって思ってしまう位に広いみたいだな。遺跡出入り口にはそれぞれの管理者ゴーレムさんが居るから、一定範囲の安全は確保されているはず。この安全エリアを起点にして行動しよう。


「よし、というわけで皆々様。ついに遺跡探索です。俺はとりあえずスコップ片手に最寄りの採掘箇所でクエストをこなしつつ観光・・・じゃない、周りの探索をしてみるが皆はどうする?」


 アル、カシア、マグル、ミズキに聞いてみる。皆楽しみだったのか、ワクワクした雰囲気が凄い。


「私はとりあえず、初めの内はキョウと行動しようかな。その後は状況次第でって事で」


 これはアル。まぁ無難な所か。


「あるじ!私はこの地図に載ってるサーベルボアってのに挑みたい!」

「うん、ダメ」

「えー・・・」

「えーじゃありません。メッチャ地図の奥側でしかもそのエリア真っ赤じゃん。超危険エリア。遺跡探索初日に行く所じゃないので、他ので」


 流石はカシア、迷わず危険地帯とかこれは教育を間違えたか・・・いや、まだ間に合うはず!危機管理能力を養う為の方策を急ぎ用意しなくてわ。

 カシアは地図とにらめっこしながらウンウン唸っているので、しばし放置で。


「マグルはどうする?」

「僕は姉さんが心配なので、付いていこうかと」

「そうか・・・もし暴走しそうなら、すまんがよろしく頼む」


 マグルはカシアのストッパーになってくれるようだ。いつもスマンのう。


「ミズキは?」

「ここに行ってみちゃダメ?」


 指を指すソコは・・・うん、なんだこの灰色なエリア。何々、未開拓エリア?・・・お前もか!


「確かにミズキは強いが、オッケーは出せないな。カシアに示しがつかない。まずは、ここから近い緑色のエリアからにしてくれ。それから1段階ずつ行動エリアを広げて行こう」

「うんわかった」


 ちょっと残念そうな表情が心苦しいが、最初の内はちょっと自重してください。変に目立ちたくないというのもあるが、何よりも遺跡内の脅威が把握できてない。慣れても油断をするつもりは無いが、まずは様子見をしたい。


「モンスターを倒したり、何か変わった物を見つけたりしたら俺の所に持ってきてくれ。今回は俺だけがバックパックを背負っているが、今後単独で動き回っても問題ないようなら各々でバックパックを持つ事もある。あと、連絡は怠らないように。念話が苦手で嫌だったら、誰かと一緒に行動するか俺の所まで直接来るように」


 俺はクランメンバーにそう伝える。クランに入って貰った事で、メンバーであれば念話が使える。とても便利だ。ただ、念話を使う感覚が苦手な者もいる。そういう時は上記のような対応を取っている。


「で、だ。カシアはどうしたいか決まったかな?」

「ん~・・・とりあえず、ミズキ姉に付いていく事にする。で、そこに居るって言うビッグホーンラビットを見つけたら・・・挑んでもいい?」

「まぁミズキとマグルも居るから大丈夫だろう。あと、獲物の横取りとかはしちゃだめだぞ?」

「うん、そこは大丈夫。私が嫌に感じる事はしないよ」

「よしよし偉いぞー。逆に横取りされた、されそうになったらぶっ飛ばしてもいいぞ。但し、死なない程度にね」

「わかったー」


 カシアの頭をナデナデしながら俺はそう伝える。

 さぁて、遺跡内初探索だ。楽しく安全に行ってみよう。

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